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グルメ本

2012年5月 8日 (火)

「超有名料理店 オーナー11人の店づくり」東京美食マガジン編集部編

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11人のレストランオーナーが自身の店作りについて答えておられます。

飲食店というものを大きくふたつに分けるとしたら、「店」と「料理」ですよね。

どのような雰囲気の店にするのか。

立地条件や外観、内装など。

そしてそんな空間でどんな料理を供するのか。

この本ではタイトルからもわかるように主に「店」について書かれていまして、料理についての技術論的な内容はありません。

中身のレイアウトも上下2段、カラー写真多用、横文字もビシッとアクセントに。

オシャレといいますかスタイリッシュといいますか。

なにしろ「東京美食マガジン」編集部の編ですから。

これが「月刊専門料理」(柴田書店)から出た本だとかなり技術論な内容になるんでしょうけども。(笑)

ただ読んでいて文章のレベルがどうもなぁ、という印象。

そしてタイトル。

超有名って・・・・。(笑)

2012年5月 2日 (水)

「東京・食のお作法」マッキー牧元

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自称タベアルキストの著者が食のお作法を指南してくださいます。

いろんなジャンルの店や食べ物を紹介しておられるのですが。

まあ前書きにも書いておられるように人がそれぞれどんな食べ方をしようが「大きなお世話」なんですけどね。(笑)

でもラーメンにいきなりコショウかける人とか、から揚げに反射的にレモン絞る人とか、焼肉屋で網一面に肉を並べる人とか、他人事ながら気になったりはします。

そんなことについても触れてはおられますが、特に説教臭いところはありません。

ご自分の食べ方を披露するのと店紹介がメインの内容です。

まあなんやかんやいいつつも東京の飲食店ガイドブックですね。

2012年4月24日 (火)

「ちゃぶニチュード! 日本全国マズイ店列伝」野瀬泰申

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美味しい店を紹介した本は多数ありますよね。

というか、飲食店紹介本の目的というのはそれですから。

しかしこの本は違います。

マズイ店の紹介です。

著者はマズイと噂される店をあえて選んで食べ歩いておられるのです。

思わずちゃぶ台をひっくり返したくなるような店。

そんな店のマズさをチャブニチュードという基準で評価しようというもの。

さて、どんな店があるのか・・・・。

最初に紹介される味のないチャンポンを出す店、これわかるなぁ。

私もいちどこのようなラーメンを経験しましたし。

まあなんやかんやいろんなマズイ店やヤル気のない店などが紹介されているのですが、ウーロンハイについてはちょっと物言い。

著者は店でウーロンハイを頼んでレモンチューハイのウーロン茶割りが出てくることに憤慨しておられます。

そりゃ憤慨するでしょう。

ウーロンハイというのは甲類焼酎をウーロン茶で割ったものであると。

しかしウーロンハイという言葉自体がそもそもおかしい。

飲み物でハイとなると炭酸で割ったものとなるはずです。

レモンチューハイにウーロン茶はさすがにアレですけども、焼酎をウーロン茶で割ったのが飲みたいのなら「ウーロン茶割り」といえばいいのです。

炭酸を使わないのに「ハイ」という言葉を使う風潮に疑問を持たない著者に店を責める資格なし。

日本酒で燗といえば「熱燗」しか知らない店員はボロクソ責めてよし。(笑)

2012年4月18日 (水)

「味な旅 舌の旅」宇能鴻一郎

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官能小説の大家、宇能鴻一郎センセイは美食家であります。

この本では北は北海道から南は奄美大島まで美味しいものを求めて旅をしておられます。

さすがに食べ物だけではなくその土地の文化に触れることも忘れてはおられません。

この本が書かれたのは昭和43年です。

だんだんと食べ物事情もよくなってきた時代ではありますが、食べ歩きのために全国を旅するというのはよほどの思い入れがないとできることではないでしょう。

作家という特殊なお仕事をしておられるせいもあったでしょうが。

私には到底できることではありませんので、このような本を読んで気分だけでも浸っています。(笑)

2012年4月13日 (金)

「グルメの嘘」友里征耶

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飲食店を評価するライターはたくさんいますけども、どうもいいことしか書かない人が多い。

そのいいことというのもまるで店の回し者かという内容だったりします。

ほとんど宣伝マンのようなものですね。

店や飲食業界と癒着してメシを食っているライターが多いということです。

そんな人たちの情報を真に受けて店に行くとえらい目にあったりします。

著者はそのような現状に憤慨し、あくまで一般客としての立場で飲食店を覆面評価しようとデビュー。

なかなか辛口で痛快な評価をしておられます。

それゆえに敵も多いわけですが。(笑)

しかし書いておられることは真っ当です。

なので痛いところを突かれた業界の人たちは目の敵にするわけですね。

また素人からの反発も多々あるようです。

物言いが偉そうに感じるのでしょうか。

「おまえごときがなにを」といったところでしょう。

一種の近親憎悪ですかね。

もちろん的外れな評価もあるでしょうし、好みの違いや見解の違いというのもありましょう。

お気に入りの店を批判されたらいい気持ちはしないでしょうし。

私は「もっとやれやれ!」なんて楽しみながら氏の言動を見ていますけども。

某料理評論家と店の癒着批判や、某料理学校家元の経歴詐称問題、某女性フードライターの訪問件数自慢などへの噛みつきはなかなか楽しいものがありました。(笑)

ま、そんなことでいちいち大騒ぎしなくてもな感はありますが、こういう人もいなくてはだめでしょう。

2012年4月 3日 (火)

「お金をかけずに食を楽しむフランス人 お金をかけても満足できない日本人」吉村葉子

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著者はパリで20年間暮らした経験がおありです。

そんな著者が食べることをメインに書いたエッセイ集。

まさにタイトルが日本人とフランス人の考え方の違いを言い表していますね。

グルメで知られるフランス人ですが、決して日本人のようにお金にものをいわせて高級な料理を食べあさったりはしません。

星付きのレストランなんて一生行かない人も多数。

ワインにウンチクなんて垂れませんし。

安くて美味しく楽しむコツを知っているのです。

この本では主にフランスの地方の家庭料理を紹介しておられます。

プロヴァンス、ブルゴーニュ、アルザス、ノルマンディ・・・・。

これが地味ではありますが実に生活に根ざしたという感じで美味しそうなんですね。

お腹が鳴る記述もいろいろとあります。

友人の家に食事に行くと、前菜で出されたのは20センチほどある巨大なホワイトアスパラガス。

これがドンと。

そして黄色いドレッシングがたっぷり入った器がテーブルの真ん中に。

「ボン・ナペティ」の合図とともに食事開始。

これをひたすら食べる。

いいですねぇ、こんな食事。

これで冷えた白ワインをグビグビできたら。

そして楽しい会話。

「食事」を楽しむということにかけてはやはり日本人よりも彼らのほうが数枚上手のようです。

2012年3月26日 (月)

「何回もいきたくなるラーメン店100 私が4000杯を食べたわけ」武内伸

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著者は故・武内伸氏。

TVチャンピオンの2代目ラーメンチャンピオンであり、日本ラーメン協会の副理事長や新横浜ラーメン博物館の広報なども勤められた方です。

そんな著者が紹介する100軒のラーメン店。

醤油、トンコツ、味噌、塩、スペシャルとスープ別に店を紹介しておられます。

すべて東京・神奈川の店なので私にはまったく縁がないのですが、それでも読み物として楽しめました。

決して上から目線ではなく、評価してやるといったスタンスではないのがいいんですね。

それぞれのラーメン店に対しての期待と愛情がこもった内容です。

2012年3月24日 (土)

「肝機能をぐんぐん高める100のコツ」主婦の友社編

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私は朝っぱらから酒を飲む人間ですので、こういう本を見るとどれどれと読んでみたくなります。

ま、読むくらいなら朝から飲むなよという話ですが。(笑)

朝酒はともかくとしまして、脂肪肝やアルコール性肝障害が急増しているとのこと。

心当たりのある人も多いかと思います。

この本ではとても読みやすく肝機能を高めるコツが紹介されています。

やはり食べ物ですね。

表紙に書かれている見出しを紹介しますと、

・もやしにギュッと詰まった栄養素は弱った肝臓を強化する

・加熱したキャベツは肝臓の解毒機能を高めてくれる

・1日5尾の煮干しが肝臓を丈夫にする

・肝炎、肝機能の異常によく効く手作り蒸ししじみ汁

・ゴロ寝で足指を動かせば肝臓が強くなる

しじみやウコンなどはよく知られていますけども、もやしやキャベツなんて身近な野菜が効くとは嬉しいではないですか。

その他いろいろ。

このような食事を日頃心掛けようと思う今日この頃。

2012年3月20日 (火)

「食品のカラクリ」別冊宝島編集部 編

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世の中紛い物な食品が溢れかえっています。

あるいはなぜこんな安い値段で食べられるのかとか。

そんな食品のカラクリについて書かれた本です。

値段でいえば回転寿司のトロや食べ放題焼肉の値段のカラクリ。

紛い物でいえばネギトロや成型ステーキ、人工イクラなど。

やはり安いからにはそれなりの理由があるわけです。

しかし私はそれらが必ずしも悪いとは思いませんけども。

天然の本マグロが高くて手が出ないのなら、蓄養マグロでもいたしかたないじゃないですか。

問題は消費者を騙したり体に害があるということなんですね。

アブラガニをタラバガニとして販売したり、添加物まみれだったり。

アブラガニはアブラガニとして販売すればいいんです。

カラスガレイのエンガワをヒラメのエンガワとして販売するから問題あるんです。

添加物に関しては原材料名の表示を見て避けることができますが、表示義務のないものもあったりして一筋縄ではいきません。

激安ユッケの食中毒事件なんてのもありましたが、いくら安くても得体のしれないものを食べさせられるのはいい気持ちがしないのは確かです。

そんな中でカニかまなんてのはまあ可愛い部類でしょうか。

決してカニだと主張しているわけではなくちゃんとかまぼこと名乗っているわけですし、いまどきあの食品を本物のカニだと思っている人はいないでしょうし。

まあそんなこんな、いろんな食品が紹介されています。

でもこの別冊宝島のシリーズ、いまいちツッコミが浅いんですね。

ひとつの項目に3ページしか割けないせいもあるのでしょうけど。

ちょっともどかしさを感じます。

広く浅くといったところでしょうか。

2012年3月 6日 (火)

「おいしい人間」高峰秀子

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女優高峰秀子のエッセイ集です。

いろいろと食に関することや作家に関することが書かれていますので読んでみました。

接点のあったいろんな人のエピソードが出てきますね。

芸能界なら大河内伝次郎、イヴ・モンタン・・・・。

文壇では内田百閒、円地文子、司馬遼太郎、有吉佐和子・・・・。

芸術家なら前田青邨、梅原龍三郎、安野光雅・・・・。

錚々たる顔ぶれです。

まあ高峰氏が一流の女優さんでしたから当然それなりの人たちとの交流がおありだったんでしょうけども。

かといってまったくお高く留まったところはありません。

視線はけっこう庶民的です。

食に関してもカレーライスへの思い入れなど微笑ましい。

ほんとご年配の人はカレーライスには思い入れがおありですね。

現在もカレーライスといえば子供に人気の料理ですが、私は昔からどうも冷めた目で見ています。(笑)

それはともかく。

その他中国料理などの記述も興味深く読みました。

2012年2月27日 (月)

「ぶらり「快」的うまい旅」阿藤快

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俳優、阿藤快による食と旅のエッセイです。

俳優以外にも旅やグルメのリポーターとして活躍しておられますよね。

そんな豊富な経験を一冊にまとめたのがこの本です。

さすがにいいものを食べていらっしゃる。

北海道のウニやら毛ガニ、タラバガニ。

大間のマグロ。

長野県では採りたて至高のマツタケ三昧・・・・。

などなど、書き出せばきりがないくらいです。

しかし単なる食べ歩きだけのリポートではなく、著者が大事にしておられるのは人との出会い。

そうやって知り合った人たちをとても大事にしておられるのがよくわかります。

何十年もお付き合いしておられたり、ほとんど兄弟みたいな間柄になられたり。

著者のざっくばらんで人懐こいお人柄が伝わる、美味しく楽しい一冊です。

2012年2月22日 (水)

「納豆大全 愛すべき伝統食品の謎を解く」町田忍

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納豆。

日本が誇る伝統食品ですが、苦手な人も少なくないですね。

私は大好きですけども。

これがまた優れた健康食品でありまして、そんな納豆について生い立ちやら納豆菌の働きやらいろいろと紹介しておられます。

サルモネラ菌やらチフス菌、O-157までやっつけてくれるというのだからすごい。

その他骨粗鬆症にもよく(ビタミンK2)、血栓を溶かすので高血圧にもよろしい(ナットウ・キナーゼ)。

酒を飲むときも肝臓を守ってくれますし、ダイエットにも効果的(ビタミンB2)。

老化防止や抗酸化によし(ビタミンE)。

などなど、いろんな効能がある素晴らしい食品であるということが紹介されています。

ご丁寧に納豆料理のレシピまで添えられており、フォローは万全です。(笑)

2012年2月14日 (火)

「男の手料理」池田満寿夫

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サンケイ新聞土曜日版に連載されていたエッセイとのこと。

テーマはずはりそのもの「男の手料理」なわけですが、モットーは「手抜き料理」だと著者は言います。

紹介されているのはまさしくそのもの。

例えば冒頭に紹介されている「コロンブスの卵丼」。

連載第1回目の料理です。

目玉焼きを丼飯にトッピングして醤油かウスターソースをかけるだけという料理ですが、これがえらい評判がよかったようで。

う~ん、これがコロンブス的発想に感じられるほど読者の料理に関するアイデアは貧困なのか・・・・。(笑)

しかしまあ変に凝った料理よりもこんなのほうが「男の料理」なのかもしれません。

最近は男性も料理に入れ込んでおられる人が多いですけども、こういうのをしゃあしゃあと紹介するのもありかと。

それならば私もひとつ。

「さんま蒲焼き丼」です。

缶詰のさんま蒲焼き。

定番商品で美味しいですよねぇ。

これをうな丼感覚で使用するだけ。

冷や飯にさんま蒲焼きを乗せ、タレをかけ、レンジでチン。

ごはんを二段重ねにしてあいだにさんまを挟めば尚よし。

「キムチめし」。

市販のキムチを食べ終わったあと残った汁をアツアツのごはんにぶっかけて食べる。

これ最高に旨し。

他にもあれやこれや・・・・。

なんだか話が逸れまして、そういうことでどーも。

2012年2月 4日 (土)

「くだもの栄養学」川島四郎

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栄養学シリーズですが、今回はタイトル通りくだものについて書かれています。

しかし今までとはちょっと違い、栄養学というほどそれについて多く書かれてはいません。

どちらかというとくだものについての雑学といったところでしょうか。

なぜお腹をこわしているときにすりリンゴが効くのかとか、食べ合わせというのは科学的には根拠がないものの、自身の経験上平気で見逃がすべきではないといったことも書かれています。

コレラ菌はなぜバナナが好きで梅干しが苦手なのか、とか。

私はあまり果物は食べないのですが、もっと積極的に食べなければという気持ちになりました。(笑)

2012年1月28日 (土)

「魯山人味道」北大路魯山人 平野雅章編

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北大路魯山人。

陶芸家であり、書道家であり、篆刻家であり、料理家であり・・・・。

多才な芸術家であったようです。

中でも人生をかけてひたすら追い求めたのが美食。

自身で「美食倶楽部」、「星岡茶寮」といった料亭も手がけておられました。

そんな美食家魯山人が食について語っているのがこの本です。

かなり上から目線で語っておられる部分も多々ありますが、それがこの人物のキャラクターでありましょう。

かの有名な「トゥール・ダルジャン」で鴨を醤油と粉わさびで食べたというエピソードも書かれています。

しかしそのような傲慢な性格ゆえ世間からはずいぶんと冷遇されたようですが、死後になって天才として再評価されました。

亡くなってから評価が高まるというのは世の常ですね。

2012年1月18日 (水)

「くさいものにフタをしない」小泉武夫

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発酵食品といえばこの人、小泉武夫センセイ。

そして発酵食品といえばやはりにおいですね。

「くさや」や「糠漬け」、「納豆」など。

「鮒鮓」なんてのもあります。

でもにおいのきつい食べ物ほどはまればやみつきになってしまったりします。

においがきついといっても発酵の「匂い」と腐敗の「臭い」は違うと小泉センセイはいいます。

実験で小学生の前で世界一くさい食品であるシュールストレミングというニシンを発酵させた缶詰を開けたところ、みな大騒ぎ。

しかし小泉センセイが食べてみせるとみな興味津々で近づいてき、おいしいと言って食べたのだとか。

ところが腐った鯖のにおいを嗅がせると、明らかに不快感をしめしたというのです。

つまり「発酵」と「腐敗」をちゃんと嗅覚で嗅ぎわけているんですね。

そもそも嗅覚というのは危険な物に対する警戒装置。

においによってそれを口に入れていいかどうか判断するというわけです。

食事においてにおいというのは大きな役割をはたしています。

鼻が詰まっていると食事が美味しくないのは周知の通り。

その他、記憶と結びついていたりとか心身を癒したりとか、さまざまな働きが知られています。

そんな「におい」についていろいろ楽しく案内してくださる一冊です。

2012年1月10日 (火)

「今朝子の晩ごはん 環境チェンジ!篇」松井今朝子

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この本もシリーズ第四弾となるのですね。

ブログで公表しておられる日記の文庫版なのですが、なぜかブログでは読まず本で読むのがいい。

情報収集はともかくとして、やはり読み物はネットではなく本で読むほうが私には合っています。

今回の内容は2008年の下半期。

7月から12月までが収められています。

「環境チェンジ!篇」ということで、私生活では軽井沢での避暑生活や、世の中の動向としてはリーマンショックやオバマ氏の大統領就任など。

北京オリンピックについても取り上げておられます。

食につきましては「QPで見た料理」、「東横のれん街でゲット」、「東急レストラン街で食事」というお決まりのフレーズも健在です。

もちろんそれら以外にもいろいろと食事しておられますが。

ただこの方、けっこう肉料理や揚げ物を多く摂取しておられるんですよねぇ。

それに比べると魚が少ない。

野菜はけっこう食べておられるようですが。

もうちょっとヘルシーな食事をされたほうが・・・・なんて、もちろん大きなお世話でしょうね。(笑)

2011年12月30日 (金)

「ゴハンの丸かじり」東海林さだお

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いつもながら食べることについてさまざまな分析、提案、ご意見をしておられます。

例えば。

「普通のラーメン」では、最近のラーメンマニアの過熱ぶりに苦言を呈しておられます。

『もともとラーメンは、期待して目を三角にして食べるものではなかったはずだ』と。

そして「寿司が回転していいのか」では、『回転寿司はお見合いである』と看破されます。

「鰤大根の人徳」では鰤と大根は夫婦であると。

「鶏の唐揚げの出っぱり」では、あの小さな塊にさまざまな部位があり、それぞれ味も食感も違うのだと分析。

「鳥わさの不思議」では、『鳥わさは本来鳥わさびですが、「び」はどこに行ったのでしょう』と疑問を投げかけておられます。

まあそんなこんなで今回も楽しませていただきました。

2011年12月25日 (日)

「パリ、女ひとりシェフ修行」塚本有紀

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料理とお菓子を本格的に学ぶため、会社勤めを辞めて女ひとりフランスはパリへ留学。

ル・コルドン・ブルーに入学です。

そこでの著者の悪戦苦闘ぶりが面白く書かれています。

フランスで暮らし始めてのカルチャーショック。

学校ではいろんな国の留学生との出会い、そして厳しくも憎めない魅力の学校のシェフたち。

そんな中での自分自身の成長や一歩一歩夢に近づいていく様が、実に生き生きと描写されています。

まさに普通の若い女性が右往左往する姿が実に滑稽で健気で、一生懸命で。

スターシェフの自伝的エッセイは何冊も読んできましたが、どうもご大層な経験披露と上から目線的な内容が多いんです。

こんな苦労をしてきたんだ、そして今はここまで上り詰めたんだ。

まだ日本人が普通に海外旅行なんてできなかったような時代にフランスに渡り修行した人たちの場合、どうしてもそのようになってしまうのかもしれませんが。

それらの人たちの時代に比べますと、この著者の時代背景はまったく違います。

もちろん苦労はおありだったでしょうが、先人たちのようなシビアな時代ではありません。

しかし全体に感じられる明るい雰囲気は決して時代だけのせいではなく、著者のキャラクターからくるものも大きいと思います。

天真爛漫といいますか。

どこそこの店で修行したというエピソードはいろんな料理人の著作で読んできましたが、あちらの料理学校に留学しアシスタントまでしての経験話は初めてです。

そんな視点も目新しく楽しく読めました。

料理やお菓子を学ぶために海外に留学したい、そんな思いをお持ちの方にはぜひご一読をお薦めいたします。

2011年12月21日 (水)

「花散らしの雨 みをつくし料理帖」高田郁

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みをつくし料理帖シリーズ第二作。

前作にて付け火で店を焼かれた「つる家」は新しい場所で暖簾を掲げます。

「つる家」の料理人の澪は雪ノ下という野草を天ぷらにして出すのですが、なんとまた大店の料理屋である「登龍楼」に料理を真似されます。

この「登龍楼」が「つる家」に散々嫌がらせをし、付け火をしたと思われるのです。

澪は次なる料理を考えます。

三つ葉を使った三つ葉尽くし。

しかしこれもやはり「登龍楼」で同じものを出しているのです。

澪が考え付いたのとまったく同じ素材を使い、同じ料理法でしかも「つる家」よりひと足早く出すなどとはあまりにも不自然。

どうやらしばらく前に下足番として雇い入れたふきという少女に不審な行動があり・・・・。

相変わらずいいですね。

絶好調です。

上に書いた「俎橋から-ほろにが蕗ご飯」で始まりまして、表題作の「花散らしの雨-こぼれ梅」では、大坂で幼馴染みだった野江こと吉原の伝説の遊女「あさひ太夫」との距離がまた縮まります。

「一粒符-なめらか葛饅頭」では裏店の人たちの人情に涙を堪え切れません。

「銀菊-忍び瓜」では澪の小松原に対する淡い恋心が意地らしい。

料理人としての澪の成長を柱に、周りの人たちの人情、幼馴染みとの再会、そしてほのかな恋なども描かれ、読み応えじゅうぶんな一冊となっています。

巻末には作中に出てくる料理のレシピもありまして、料理好きにとっては至れり尽くせり。(笑)

文句なしにおすすめのシリーズです。

2011年12月 6日 (火)

「喰いたい放題」色川武大

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作家による食エッセイ集です。

阿佐田哲也として麻雀放浪記などで知られる作家ですが、開高健などのように食通として名を馳せておられた作家ではなかったように思います。

ご本人もあとがきで「だから私は、いわゆる食通でもなんでもないし、食通になろうとしているわけでもない。この本は、喰べ物をテーマにはしているけれど、豚のようになんでもガツガツ喰う男の話で、食通の美学をふりかざす向きからは顰蹙を買うだろう」と書いておられます。

グルメというよりはグルマンなんですね。

しかしやはりこだわりはお持ちです。

引越し先ではいい豆腐屋、ソバ屋、八百屋、魚屋などを検討されます。

同じくあとがきでこう書いておられます。

「喰べ物に関してもし凝るならば、たまに外出して喰べる贅沢な喰い物よりも、米とか、味噌とか、豆腐とか、日常茶飯の喰べ物を吟味したい」

ですよねぇ。

高級店で高いお金出せばそりゃいいものが出てきます。

そんなのは品のない贅沢であって、それよりも日常でごく普通に食べる物が本物であるということのほうがどれだけ贅沢なことであるか。

いや、本来なら贅沢ではなくそれが当たり前でなければならないのですが。

食通ではなく喰いしんぼうな著者の滋味あふれるエッセイです。

2011年11月22日 (火)

「小林カツ代の「おいしい大阪」」小林カツ代

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料理研究家・小林カツ代の食エッセイ。

タイトルの通り大阪のいろんな店が紹介されていますが、単なる店紹介の本ではありません。

食に関する身辺のことや、子供時代の食卓、懐かしい飲食店などのエピソードが書かれています。

私は大阪人ですのでとても身近に感じられ、楽しく読むことができました。

ただ文章の大阪弁がややあざとく鼻につきますが・・・・。(笑)

味わいのあるイラストや料理レシピも掲載されています。

2011年11月14日 (月)

「酔って記憶をなくします」石原たきび編

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酔って記憶をなくす。

酒飲みを自認する人なら誰しも経験があるんじゃないでしょうか。

飲み会の途中から記憶が飛んでいる。

どうやって家に帰ったのか覚えていない。

それでもまだ無事に帰宅していれば問題ないのですが、酔いが覚めたときに冷や汗をかくことも多々あります。

周りの人に絡んだのではないか、店に迷惑をかけたのではないか。

なぜかケガをしている、財布がない、わけのわからない買い物をしている、などというのもあります。

そんないろんなエピソードを集めたのがこの本。

あとになってそうやって笑い話にできるからいいものの、一歩間違うと命に関わることだったりしますからね。

酒飲みの皆様におかれましてはぜひ一読され、日頃の酒癖を反省されてはいかがでしょうか。(笑)

2011年11月 8日 (火)

「寿司屋のかみさんのちょっと箸休め」佐川芳枝

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佐川芳枝氏の「寿司屋のかみさん」シリーズ。

現役の寿司屋のおかみさんが書いておられるエッセイです。

これが何作目になるのかわかりませんが、それまでの著作は店でのいろんなエピソードについて書かれたもの。

本作はそのようなエピソードを交えながら、サブタイトルにもあるように寿司屋(もちろんご自分の店です)のつまみを紹介しようという内容です。

なので巻末にはレシピ集もあります。

寿司屋ならではのつまみについて、それにまつわる苦労話、コツなどを書いておられます。

目線が街中の寿司屋を利用するお客さんと同じなのがいいんですね。

決して高級店の職人のそれではありません。

それはやはり主婦感覚があるからでしよう。

上から目線でないのにほっと安らぐんです。

ただちょっと物言いを。(笑)

他店で穴子を頼んだらキュウリのかわりにワカメが添えられていてびっくりしたとのこと。

煮穴子との相性がよくなかったので、ワカメはそっくり残したと書しておられます。

飲食をやっておられるのなら出したものを残されるのはいい気持ちがしないはず。

海原雄山じゃあるまいし(笑)、相性がどうのという理由で残すことはないでしょう。

添え物で出されているのですからそれぞれ別に食べればいいじゃないですか。

友人と旅行に出かけ、カツオを1本おみやげにもらってきたと。

脂があまりなく、おろしても美味しくなさそうだったので蒸してなまりにしようとしてみたら、カツオ節のようにきゅっと縮まってしまったと。

これではどう手をかけても美味しくならないだろうと処分したというのです。

それほどどうにもならなかったのでしょうか。

腐っていたわけじゃあるまいし、カツオ君、哀れです。

こういうことは書かれないほうがいいかと思いますが。

2011年11月 2日 (水)

「メニューの設計図」高橋徳男

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著者は有楽町「アピシウス」の元料理長。

「アピシウス」といえば日本フランス料理界を代表するほどの店でしたよね。
(今はどうなのか知りません)

その後引退されてからやや間を置き、「パ・マル」というスープやパイの店を開かれたと記憶しております。

どこかで読んだのですが、「アピシウス」のシェフを引退されたあとサラリーマン的な仕事をされ(それでも飲食関係だったと思うのですが)、そのときにサラリーマンの昼食というのはなんと侘しいものかと思い知り、それでは自分がまともな食事を提供しようというようなきっかけでまた復活されたというような話だったと思います。
(あやふやな記憶なので間違っていたらすみません)

そんな名シェフ(2009年に逝去)の著書ですが、よくある料理人本とはちょっと違います。

普通料理人の本といえばたいがい自伝なんですよね。

出生から始まって、どんな子供だったか家庭環境だったか。

料理との出会い、料理界に入ったきっかけ。

国内外でどんな修行をしてきたか。

決まってこのパターンです。

あるいはレシピ紹介。

この本ではそのような生い立ちや修行時代の苦労話はほとんどなく、タイトルから察せられるようにシェフがいかにしてメニューを発想するかというような話がメインです。

意外とこのような料理人本はなく、面白い切り口だと思いました。

2011年10月25日 (火)

「東京酒場漂流記」なぎら健壱

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歌手のなぎら健壱氏がぶらぶらと飲み歩いた東京の酒場。

紹介しておられる店はどれも個性というか味わいのある店のようです。

決して気取った店ではありません。

なので酒についてもどこそこの蔵元のなんたらだの何号酵母だの、そのようなマニアックなウンチクは一切出てこないので楽しく読めます。

そういうウンチクは太田某にでも任せておけばよろし。(笑)

甲類焼酎にタンサンといった昔ながらの酎ハイに著者は満足、読者も満足。

デンキブランなんてのも出てきますし。

一緒に飲み歩いたイラストレーター氏の店内の絵もまたほのぼのといい味出してます。

2011年10月17日 (月)

「甘辛の職人」小菅桂子

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飲食に関わる職人たちを紹介した本です。

料理人や、醤油、味噌といった調味料を作る職人。

または和菓子や洋菓子などの職人も。

紹介されているその人数は二十八人。

今の世の中まがい物がまかり通り、まともな物を作ろうとするとまったく割に合わない。

そんな中、この本ではどの人たちも真っ当な物を作ろうと努力しておられます。

伝統を守ろうとする責任感と職人としての誇りがそうさせるのでしょうか。

著者はマスコミの一人としてグルメなどという新人類を祭り上げたことをあとがきで反省しておられます。

たしかにマスコミもマスコミですが、必死に情報を追っかける客も客でしょう。

その反省というわけではないでしょうが、このような真っ当な仕事の職人を紹介する意義は大きい。

悪いものが駆逐されるのはけっこうですが、本物が消えていくというのはあまりにも寂しくもったいない話ですからね。

2011年10月 7日 (金)

「食の狩人 こだわりの店100」伊丹由宇

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「ビッグコミックオリジナル」などに連載している飲食店紹介コラムの文庫化です。

基本的にマスコミ未紹介の店を紹介しておられるようですね。

なので誰もが取り上げる有名店紹介のガイドとはやや味わいが違います。

取り上げられているのは主に東京の店。

地方が数店。

そしてジャンル別で数店。

最後の章の「開高健を虜にした名店」というのが、わずかなページですがよかったです。

2011年9月18日 (日)

「記憶がなくなるまで飲んでも、なぜ家にたどり着けるのか?」川島隆太 泰羅雅登

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グルメ本ではないんですけども。

まあ酒飲みにとっては他人事ではない内容なので、グルメ本にジャンル分けしてみました。

酒飲みを自認する人ならタイトルをみて「まったくその通り」と納得した人は多いはず。

ほんと飲み過ぎると記憶が飛ぶことがよく(笑)あるんですよね。

あそこまでは記憶があるんだけど、そのあとどのような言動を取っていたのか。

ちゃんと家までは帰っているものの・・・・。

翌日になってから冷や汗がどっと出ることがあります。

この本では二人の先生がアルコールが脳におよぼす影響を書いておられます。

一人は飲まない派、もう一人は底なし派。

コラムでのお二人の漫才のような掛け合いも面白い。

麻薬とは違い法的に認められてはいるものの、アルコールは毒です。

脳に対しては前頭前野が萎縮するという影響があるそうです。

しかしほどほどに付き合うぶんには「百薬の長」なんて言葉もあります。

よく「酒は飲んでも飲まれるな」といわれますが、まさしく上手に付き合いたいものですね。

2011年9月14日 (水)

「「3つ星ガイド」をガイドする」山本益博

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ミシュラン。

美食家にとっての赤いバイブルです。

料理人にとってもこの本の評価が人生を左右するほどの影響をもたらします。

そんなミシュランがいよいよ2008年に「ミシュランガイド東京2008」を出すことになったわけですが・・・・。

さすがに素早く反応したのが日本の料理評論家第一人者である山本益博氏です。

その興奮ぶりは異様とさえいえるほど。

某誌での日記連載でその様を拝見することができ、私も感想を残しています。
http://tarochan.blog.eonet.jp/ohimatsubushi/cat5005391/

しかしわからなくはありません。

辻静雄氏に影響を受け、昭和四十年代という時代にミシュラン片手にフランスを食べ歩いてこられた方なのですから。

そして「ミシュランガイド東京2008」出版に合わせて出されたのがこの本です。

まずミシュランというのがどのような本なのか、どれほどの影響力があるのかということを説明しておられます。

その後、山本氏がミシュランの視線で東京の星が付きそうな店を食べ歩いて予想をしておられます。

この時点ではまだミシュランが出ていなかったわけですが、予想はあくまでも予想。

当たっていたかどうかはともかくとしまして、ミシュランが出たあとの不満タラタラが滑稽です。

なんであの店が2ツ星なのかって、ぶつぶついわれても。(笑)

だいたい日本のようないろんなジャンルの料理店がある都市なんて他に例がありません。

しかも高レベルで。

そんな東京の料理界事情の中で、あらゆる店を一緒くたに評価するというのが所詮無理あるんです。

フランス料理店、あるいは日本料理店に絞って評価すればずいぶんと値打ちはあったと思いますが。

ただし山本氏も書いておられますように、本物の日本料理や寿司がどういうものかを海外にアピールするいい機会にはなったのではないでしょうか。

同じ星でもフランス版とは三役と平幕ほどの重みの差があると感じるのは偏見でしょうかね。

2011年9月12日 (月)

「美味放浪記」檀一雄

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作家には食通といわれる人がかなりいらっしゃいますよね。

誰それと名前を挙げればきりがありませんけども。

いろんな作家さんが食について語っておられます。

食大好き、文壇にも興味ある私としましては、作家の食エッセイはせっせと収集する対象であります。

今回読みましたのは檀一雄。

檀一雄といえば、食通の作家ということで必ず名前の挙がる人でありましょう。

この本では、その食べ歩き放浪は日本国内に留まらず、海外にも及んでいます。

正直言いまして、作家の食エッセイは退屈なことが多いんです。

でも本書は違いましたね。

各土地で名の知れた一流店に入るよりも、そこらの大衆食堂のような店で地元の料理を楽しみたい。

もちろん酒付きですが。(笑)

そんなスタイルですし、なによりご自身が料理されるんですよね。

だから行った先の市場では必ず素材を購入し、実際に自分の手で料理を作られます。

そのあたりが料理評論家と呼ばれる人たちとの違いでしょうか。

しかし昭和四十年代という時代に、国内だけではなく海外にまでそのような食べ歩き放浪をされていたのはすごい。

2011年8月28日 (日)

「さすらいの麻婆豆腐」陳建民

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日本において四川料理の父とも呼ばれる故・陳建民。

料理の鉄人として有名な陳建一氏の父上ですね。

そんな建民氏の料理人人生が書かれています。

タイトルどおりまさに中国のあちこちをさすらい、やがて日本にやってこられます。

やはり料理人としての資質だけではなく、経営者としても、そしてカリスマ性も持ち合わせた人だったのでしょう。

いろんな人たちからかわいがられ支持されます。

テレビの料理番組にも出演し、独特のキャラで人気者に。

それまで誰も知らなかった麻婆豆腐という料理を日本人に合うようにアレンジし、今や知らない人がいないほどに広めたのは建民氏です。

その他エビチリや坦々麺なども。

この本を読んでいますと驕ったところが全然ない人なんですね。

今の自分があるのも神様のおかげ、妻のおかげ、世話になったいろんな人たちのおかげ、みんなのおかげだと、毎日感謝の気持ちを忘れずに鍋を振っていらっしゃたそうです。

そんな氏が日本の料理界に残した功績は非常に大きいと思います。

2011年8月22日 (月)

「極上の調味料を求めて」藤田千恵子

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日本酒のライターとして有名な著者ですが、日本酒と醗酵調味料・醗酵食品とのジョイントをはかる「醗酵リンク」というのも主催しておられます。

日本酒を研究していれば、味噌や醤油や酢などの調味料にも行き当たるのは当然の流れといえるのでしょう。

この本ではタイトルどおり「極上の調味料を求めて」全国を取材していらっしゃいます。

しかしそれはグルメぶってただ単にブランド物の商品を求めるということではなく、まがい物でない本物の商品を求めるということです。

昔ながらの作り方は手間もコストもかかります。

なので大メーカーは早く安く商品を作ることになるわけですが、一番肝心な味やら安全性といったものを犠牲にしているのですね。

手間を省けば当然本来の味にはなりませんし、添加物を加えれば決して体にいいはずはないでしょう。

しかし今でも真面目に昔ながらの商品を作っておられる会社もあるわけでして、しっかりとそういう人たちの仕事ぶりを本書で伝えておられます。

もちろん紹介されている商品の問い合わせ先もしっかりとフォロー。

調味料に限らず実際に家庭で使う食品すべてをそういう物に切り替えるというのはなかなか難しいことではありますが、でも自分のできる範囲内で少しでも本物を使用できればと思いました。

2011年8月20日 (土)

「八朔の雪 みをつくし料理帖」高田郁

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料理人を主人公にした連作短編形式の小説です。

主人公の澪はまだまだ半人前の料理人。

訳あって大坂から江戸にやってきまして、「つる家」という蕎麦屋を手伝うことになります。

ここで酒の肴としてまず作って出したのが、牡蠣の土手鍋。

しかし甘口の白味噌で味付けたそれは江戸の人の口には合わず、散々な不評となります。

いろいろと試行錯誤した上で作り上げたのが、ぴりから鰹田麩。

これが好評でなんとか認められはするのですが・・・・。

その後もいろんな障害が澪を待ち受けています。

ライバル店による嫌がらせなどに立ち向かいながら、料理人として、ひとりの女性としての澪の成長ぶりが描かれていきます。

まずは店を任された「つる家」の繁栄。

そしてやがては「天満一兆庵」という澪が大坂にいた店の江戸店の再建という遠い目標。

それらを太い柱としながら、上手く配置された脇役との関わりもいい。

一緒に江戸にやってきた「天満一兆庵」の元女将である芳。

「つる家」の主の種市。

澪の料理に対して鋭いアドバイスをする謎の素浪人小松原。

人柄のいい医者の源斉。

大坂で幼馴染だった野江の出現もちょっとミステリアスな配置です。

そして同じ長屋の人たちの人情。

いいですね。

ちょっと山本一力作品にも似た雰囲気があります。

それぞれのサブタイトルには料理の名前が付けられています。

ぴりから鰹田麩、ひんやり心太、とろとろ茶碗蒸し、ほっこり酒粕汁など。

巻末にはそれぞれのレシピまで。

読んだ後は取り上げられている料理が食べたくなり、行きつけの飲み屋にいきました。(笑)

幸いその店には心太と茶碗蒸しがありますもので。

これこれ、と楽しませていただきました。

さすがにこの時期、粕汁はありませんでしたが。

いいシリーズに出会えたと思います。

現時点ですでに6巻まで出ており、今後が楽しみです。

いずれ直木賞の候補に挙がる作家ではないでしょうか。

2011年8月14日 (日)

「おいしい日常」平松洋子

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著者はエッセイストでありフードジャーナリスト。

この本はタイトルどおり「おいしい日常」を3章にわけて書いておられます。

まず最初の章は『うちの「おいしい」』。

著者が普段自宅で食べておられるものを紹介しておられます。

それぞれレシピ付き。

次の章は『わたしの調味料』。

塩であったり味噌であったり醤油であったり。

もちろんこだわりの逸品です。

これもそれぞれの発売元を紹介しておられます。

そして最後は『「おいしいを探して」』。

食いしん坊としては、美味しいものがあると聞けば西に東にと奔走してしまうもの。

著者も餅を食べに京都へ、白熊を食べに鹿児島へ、そばを食べに山形へ、蛤を食べに三重へ、フグを食べに大阪へ・・・・。

お忙しいことで。(笑)

巻末には東海林さだお氏との対談も収められています。

2011年8月 6日 (土)

「文人には食あり」山本容朗

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元編集者から文芸評論家となり、いろんな作家と交流のある著者。

そんな著者が作家たちの食に関するエピソードを紹介しておられます。

小説やエッセイなどの作品から食について記述された箇所を抜粋されたり、実際に付き合った中でのエピソードなど。

なぜか作家という人種は食にうるさい人が多いですね。(笑)

でもそれは作家という職業だからではなく、物を書く仕事なのでそのような文章を発表する機会があるからそのような印象を持つということなのかもしれませんが。

他のジャンルの職業でも食にこだわりのある人はいくらでもいらっしゃいますし。

しかし味についての分析力や表現力といったものは、やはり作家の感性ならではなのかもしれません。

この本で紹介されている作家は錚々たる顔ぶれです。

吉田健一、獅子文六、壇一雄、開高健などは食通として知られた人たちです。

他には吉行淳之介、田中小実昌、渡辺淳一、色川武大、向田邦子、田辺聖子・・・・。

文豪揃いです。

食の面からも文学の面からも貴重な資料となる一冊ではないでしょうか。

2011年7月22日 (金)

「世界を食べ歩く」豊田穣

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いやあ、著者は世界各国を食べ歩いておられます。

羨ましい。

しかも時代はまだ円が360円の頃だったりします。

まあ新聞記者であり作家であるという立場の取材を兼ねてだったりもしたようですが。

それでもなかなか普通の人にできることではありません。

ロシアやらシルクロード、地中海、南米、アフリカ・・・・。

とにかく行った先々の地元料理を味わうという姿勢がいいですね。

そりゃせっかく行った国の料理を味わわなくてどうする。

私もそんな考えです。

著者のように色んな国々とはいきませんが、私も何度かフランスはパリに行ったとき、ひたすらあちらの料理を食べてました。

普段は和食党ですが、和食が恋しいとはまったく思いませんでしたね。

レストラン、ビストロ、カフェはもちろん、市場で惣菜を購入しスーパーマーケットで安ワインを購入してホテルの部屋で。

まあ、あちらの料理を食べるのが目的の旅行ですから当然ですが。

でも今からしたら、あちらのラーメンなんてどんなものだったのだろうと思ったりもします。

1回くらい食べておけばよかったかなと。(笑)

話が逸れましたが、やはり食というのはどうしても保守的になりがち。

大半の人が食べなれた料理しか口にしたくないという傾向があります。

でもこの著書のように世界各地のいろんな料理を味わい、それを紹介してくださる。

食いしん坊にとってはまったく魅力的な内容です。

2011年7月 9日 (土)

「名探偵浅見光彦の食いしん坊紀行」内田康夫

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内田康夫氏といえば売れっ子のミステリー作家です。

しかしいまだかつて氏の作品は一度も読んだことがなく、これが初めてとなります。

といいましても本業のミステリー小説ではなく食べ歩きエッセイですが。

著者の内田氏とその作品に登場する有名な名探偵浅見光彦が、編集者と同行してあちこち食べ歩くという内容。

カラー写真がふんだんに掲載されており、やはりこういうのは文章だけよりも写真が添えられているほうが楽しいですね。

内田氏は食についてはかなりシビアなようで、だめな店はだめとはっきり批判することが「愛のムチ」であるといいます。

なので作品の中でも取材中に訪れた店を浅見光彦の口から批判させたりしているようですね。

わざわざ取材先で案内された店でさえ作品中で批判するという徹底ぶり。(笑)

しかしそれは決して食通ぶっているというわけではなく、その店や受け継がれてきた食文化のことを思えばこそであります。

作品には主人公が訪れた先の店や食べ物がいろいろと出てくるようでして、いちど小説も読んでみなければと思った次第です。

2011年7月 4日 (月)

「お好み焼き繁盛店「鶴橋風月」成功のキーワード100」市川徹・橘恭輔

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「鶴橋風月」。

もともとは大阪鶴橋の路地で老夫婦が営んでいた一軒のお好み焼き屋でした。

そんな「風月」の常連客であった五影隆則は、ある日店のおばあちゃんからこの店を継がないかと話を持ちかけられます。

この味を消してしまってはならないと、五影は店を受け継ぐことにします。

おばあちゃんの味を変えることなく、一人でも多くのお客さんにこのお好み焼きを食べてもらう。

五影の奮闘が始まります・・・・。

路地の一軒から始まった「風月」ですが、現在は「鶴橋風月」として一大チェーンとなりました。

関東や九州、北海道にも店を拡げ、海外ではソウルにも出店。

成功を収めているようです。

しかしこの本は社長の一代記といった内容ではありません。

むしろ社長の話題はちらほらとしか出てこない。

こだわりながらも合理的なシステム化や従業員の愛社精神などを強調した、「鶴橋風月」の経営哲学といった内容です。

ですが写真も多く掲載されており読みやすいデザインなので、一般人の読み物としてじゅうぶんに楽しめる一冊です。

2011年6月24日 (金)

「食べちゃえ! 食べちゃお!」野中柊

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著者は作家です。

夫は料理が得意なアメリカ人。

そんなご夫婦の暮らしとともに、63章もの美味しいエッセイを読ませてくださいます。

ダンナさんはなかなか本格的な料理を作られるようで。

ケーキやお菓子などの甘い話題もいっぱいで、私など甘いのは苦手なのですが、それでも著者の「美味しくって幸せ」な感じがよく伝わってきます。

そしてダンナさんとのラブラブな生活。

どちらもごちそうさまです。(笑)

2011年6月18日 (土)

「吉野家!」山中伊知郎

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牛丼といえば「吉野家」。

実際の経営状況やら株価やら日経流通新聞や月刊飲食店経営のような専門的な視点はともかくとしまして(笑)、世間一般的にはまあそのように認知されていましょう。

しかしそんな印象も昔に比べるとかなり薄くなっているとは思いますが。

今は「松屋」、「すき家」、「なか卯」などライバル店があちこちにひしめいていますからね。

『ここは吉野家、味の吉野家、牛丼一筋80年~♪』

懐かしいフレーズですね。

あれからもう30年ほど経ってますけども。

そんな「吉野家」を徹底的に取り上げたのがこの本です。

創業者の松田栄吉氏が日本橋の魚河岸で開いた店から始まり、それを受け継いだのが初代社長の松田瑞穂氏。

「吉野家」を一気に業界トップに押し上げた伝説の人物ですよね。

以前に紹介した「戦国外食産業人物列伝」という本でも名を連ねておられます。
http://tarochan.blog.eonet.jp/ohimatsubushi/cat6690394/

そのような経営者の紹介や「吉野家」の歴史、キャスト(吉野家では従業員のことをこう呼ぶそうです)の仕事内容などの裏話。

「聖地」である築地店についてはわざわざ章を割いておられます。

「都内名店10ヵ所巡り」や「吉野家ポケット用語辞典」なんて企画も楽しめました。

牛丼チェーンいろいろあれど、やはりマニアックさやカリスマ性という点では「吉野家」なんでしょうか。

2011年6月14日 (火)

「少年とグルメ」赤瀬川原平

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著者の子供の頃の食べ物についての思い出が書かれています。

でも読んでいてあまり食欲をそそられなかったですね。

ガムを皆で回し食いしたり、、ハナクソを食べたり。(笑)

まあそれだけ食べ物がなかった時代だったということなんですが。

「空腹が満ちあふれていたぶんだけ美味しさも満ちあふれていた」

「その意味では豊かな時代であった」

というご意見には賛成です。

2011年6月 9日 (木)

「殿下の料理番 皇太子ご夫妻にお仕えして」渡辺誠

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著者の渡辺氏の本は以前に「昭和天皇のお食事」というのを読みました。
http://tarochan.blog.eonet.jp/ohimatsubushi/2010/02/post-8e44.html

その著書ではタイトル通り昭和天皇についてのお食事をメインとしたエピソードが綴られていました。

もちろん今上天皇や皇太子殿下についても。

この本では皇太子殿下についてのことをメインに書いておられます。

当然一般の人では知る由もないようなエピソードが披露されています。

例えば。

ある日、お客様がお見えとのことで、大至急メニューを考えて欲しいとの電話が内廷職員から入ります。

殿下は中国料理がいいのではないかとおっしゃっています、とのこと。

お客様とお二人だけの食事のようです。

普段から贅沢な食事をしているのであろうと思われがちな皇室ですが、まったくそんなことはありません。

なので予算内でメニューを組んだところ、「内容をもう少し検討して欲しい」との内廷職員からの返事です。

これは大変珍しいことだったと渡辺氏は著述します。

つまり内容をもう少しグレードアップして欲しいということなんですね。

普段料理人に対して非常に細かなお心配りをされる殿下がそこまでおっしゃる。

よほど特別なお客様なのだなと理解した渡辺氏は、メニューを組み替えました。

すると「たいへん結構です」とのお返事。

食事が終わり、すべての皿がきれいに空になって返ってきたことで、渡辺氏は胸を撫で下ろします。

そのお客様が誰だったのか、そのときの渡辺氏にはわかりませんでした。

しかし、そう、雅子様だったのですね。

のちに「あのときの中国料理は私がお作りしたものです」と申し上げると、にっこりと「とてもおいしくいただきました」とのお答え。

その後殿下のためにお食事をお作りになる雅子様のお手伝いなどもなさったそうです。

そのようなエピソードを紹介しつつ、皇太子殿下のお人柄の魅力を書き綴っておられます。

2011年6月 2日 (木)

「美味の誘惑 世界の味と粋な人との出会い旅」福島敦子

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著者はアナウンサー。

とにかく美味しいものには目がないようで(それは誰でもか 笑)、さすがに女性らしく海外のあちこちで美味を堪能していらっしゃいます。

内容は街ごと6章に分けられていまして、プロバンス、パリ、ベトナム、ニューオリンズ、ローマ、フィレンツェ。

そういえば中国がありませんね。

書かれていないだけで当然ご経験はおありでしょう。

ニューオリンズなんてシブイではないですか。

この章ではクレオール料理やケイジャン料理を紹介しておられます。

著者はとにかく気になる料理がありましたら徹底的に質問されるそうです。

ご自分で料理される人ならやはり気になりますよね。

写真も撮られるようで、この本でもそれを基にした(?)イラストがカラーや白黒で豊富に掲載されています。

ただ単にあの街であれ食べたこれ食べただけではなく、しっかりとその料理や街の文化を掘り下げておられるのが素晴らしい。

2011年5月27日 (金)

「洋食や」茂出木心護

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著者は東京日本橋にある洋食屋「たいめいけん」の初代オーナーです。

料理人のエッセイといいますと、だいたい少年期はどのような子供だったかというところから語られ、料理との出会い、料理店への就職、国内外での修行や経歴、やがて自分の店を持つ、といったことが書かれます。

いわゆる自伝ですよね。

この本でももちろん小僧時代のことが書かれていたりするのですが、別にご自分の経歴を順を追って紹介しておられるわけではありません。

食にまつわるいろんなエピソードを紹介しておられます。

丁寧ながら軽妙な語り口で、口当たりよく胃に重くなく消化することができました。(笑)

2011年5月23日 (月)

「昼めしの丸かじり」東海林さだお

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いつもながら些細なこと(?)に目を着けての問題提起に笑わせられるやら関心させられるやら。

今回は「うどん屋の地獄」というのが表題作代わりといえましょうか。

昼食に大きなうどんチェーン店を一人で訪れた東海林氏。

四人掛けのテーブルに案内され、注文したのが「けんちんうどん」(830円)。

しかしそれが事件の始まりでした。

待っているあいだ、店内はあっという間に満員に。

立って待つ客までいる状態。

周りを見渡すと、百人は入れるというその店で一人客は東海林氏だけ。

そのような状況の中、一人で四人掛けのテーブルを占拠しているプレッシャーに襲われます。

しかも運の悪いことに注文したのが食べるのに時間がかかるアツアツの「けんちんうどん」です。

客や店員に非難の目で見られつつ(かなり被害妄想入ってます 笑)、流れる汗が目に入りなにがなんだかわからない状態で早く食事を終えようと必死に奮闘する東海林氏・・・・。

思わず「そうそう、あるよねそんなこと」と誰でも頷いてしまうようなそんな光景が悲しく面白い。

今回もたっぷりと楽しませていただきました。

2011年5月19日 (木)

「焼肉のことばかり考えてる人が 考えてること」松岡大悟

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この著者の本は、以前に「焼肉の掟」というのを読みました。

その続編というわけではないでしょうが、今回は牛肉に特化して書いておられます。

いかに美味しく焼肉を食べるかというのがコンセプト。

単純に肉を網に乗せて焼くだけの料理である焼肉。

しかしそれはプロの料理人ではなく、食べ手である客に調理を委ねられているんですよね。

こんな料理は珍しいと著者は言います。

寿司屋が客に寿司を握らせるか。

ラーメン屋が客に麺を茹でさせるか。

ありえないだろうと。

しかし焼肉は店が下ごしらえした素材を、客がその場で調理するのです。

ですので美味しい焼き方というのを伝授しようと、例えば第1章は「焼き技大全」として、肉の焼き方について伝授しておられます。

なるほど、ほほうと思わせることが色々と書かれていて読んでいて楽しい。

テッチャンなどのホルモンはどちらから焼くべきか。

赤身に裏表はありませんが、ホルモン類には裏表がありますからね。

ネギ乗せの肉はどう焼くべきなのか。

なるほどふむふむと思いながら読みました。

「3:7焼き」、「片面焼き」、「片面焦がし」、「オイルドロップ」など、面白い技を披露しておられます。

肉の焼き加減については私も一家言持っておりますが(というか融通効かないだけですが 笑)、それらをひとつひとつ試してみたい気になりましたね。

私はいつも一人で訪問しますから、誰にも気兼ねなく試せますので。(笑)

2011年5月15日 (日)

「世界一の長寿食「和食」」永山久夫

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健康食として世界中から注目を浴びている和食。

なるほど和食には科学や栄養学などなかった時代から非常に理にかなったバランスを保っているんですね。

昔から魚をよく食べていた日本人。

肉よりは魚というのは今や常識になっていますし、米を主食にした食事内容、豆腐や納豆、味噌汁といった大豆のたんぱく質。

そしてやはり野菜ですよね。

一汁三菜なんて実にバランスの取れた食事です。

著者はそういった昔ながらの食材や食事方法の素晴らしさを強調されます。

そして著者の個人的主張だけではなく、歴史も紐解いたりしてそれを裏付けることも忘れておられません。

あるいは実際に100歳以上生きておられる人(昭和七年のデータで、著者によるものではありませんが)の食生活についてのアンケートなども紹介しておられます。

それによりますと、やはり肉よりは圧倒的に魚好きな人が多い。

でもこれは時代的な背景もあるでしょう。

腹八分目やお茶をよく飲むなども条件としてあげられていますね。

食事以外には常に体を動かすとかストレスがない生活とか。

これは現代人にはちょっと厳しいかも。

長寿の秘訣として著者は「胡豆魚大参茶」というキーワードを主張されます。

胡→ごま
豆→大豆
魚→魚
大→大根
参→にんじん
茶→お茶

なるほどどれも定評のある食品です。

大根というのはちょっと意外で、青野菜が欠けているのが私は気になりますが。

お茶というのは身近なようですが、若い人など意外と摂取していないかもしれません。

代わってコーヒーや清涼飲料水などが多いのでは。

読んでいて説教じみた雰囲気もなく、読み物として楽しみつつ勉強させていただきました。

2011年5月 8日 (日)

「ちゃらんぽらん男、居酒屋をつくる」田中秀嗣

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脱サラして飲み屋を始めることになった中年夫婦の奮闘記です。

きっかけは日本酒の美味しさに目覚めたこと。

日本酒に関しては2種類ありましょう。

大手メーカーの一般的な日本酒。

そして地方で生真面目に造られている本来の美味しさの日本酒。

著者は後者の日本酒と出会い、その美味しさに目覚め、漠然とそんな酒を出す店をやりたいと思います。

運よく(?)勤めておられた会社の支店閉鎖により、著者は会社を辞めその願望に向かって夫婦で突っ走ることになるわけですが。

そんな悪戦苦闘ぶりを描いておられます。

ちなみに店の名前は「酒肴さかなのさけ」。

場所は大阪の南船場です。

私も大阪の人間でして界隈はテリトリーですので、店については把握しておりました。

残念ながら訪問したことはなかったんですけどね。

といいますのは、現在この店は東京の六本木に移転しておられますもので。

この本はまだ店が南船場にあった頃に書かれたものなのですが、オープンまでの苦労話、もちろんオープンしてからの苦労話も書かれています。

なるほど素人がいきなり飲み屋の経営となりますと、いろいろご苦労がおありだったのですねぇ。

ただ気に入らないお客さんの話題については読んでいてちょっとどうかなと思ったりもしましたが。

ネタとしては面白いですけども。

今から読めばなんでやっとこさ苦労して開いた南船場から六本木に移転したのか。

南船場のオープンでは相当周りの人たちに支援してもらったいきさつが書かれていますもので。

なぜ東京なのか、そして東京でもちゃんと通用しているのだと。

そのあたりを書いた続編が出れば読みたいですね。

文章がちょっといちびり過ぎな気もしますけど。(笑)

2011年5月 4日 (水)

「裏ミシュラン」パスカル・レミ

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レストランの格付けガイドブック「ミシュランガイド」といえば、本場フランスではかなり権威のある本です。

数年前から東京版、関西版も出ており、話題になりましたが。

パリ版は機会があればチェックしますし何度か購入もしましたが、日本版にはまったく興味なし。

本屋で見かけても手にしたことさえありません。

日本版での星などなんの値打ちもないと思うからです。

それはともかくとしまして、本書の内容です。

著者はフランスの「ミシュランガイド」で16年間調査員を務めたという人物。

昔に比べるとかなりオープンにはなったようですが、それでもミシュランというのはまだまだ多くのベールに包まれた存在です。

そんなミシュランの内幕を暴露したのですから、あちらではかなりの物議をかもしたとのこと。

所詮は人の手によるものですから、厳格といえどもあいまいな部分は多々あります。

しかし料理人にとっては人生がかかっていたりするからやっかいです。

ある有名な三ツ星シェフなどは、二ツ星に降格が原因ともいわれる自殺をしています。

それほどまでにフランスにおいてミシュランの評価というのは、店の経営や料理人の人生を大きく左右するのです。

しかし著者はいいます。

「私は彼らにこう告げたい。批評を押しつけられ、盲目的にそれを受け入れる必要はないのだと。反対に、これを機会にガイドブックとの関係を深刻にとらえるのをやめ、調査員のためではなく自分の客のための料理を作ることに情熱を傾けたならどうだろう?」

まったくその通りだと思います。

2011年4月29日 (金)

「シェ松尾物語」松尾幸造

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著者は東京渋谷区松涛にある高級レストランのオーナーシェフです。

パリの「ラセール」や「トワグロ」(トロワグロ)などで修行し、帰国して自身の店をオープン。

フレンチレストランといえばホテル、それでもまだまだ本格的な素材を使っての料理を出すような時代ではありませんでした。

そんな中で閑静な住宅街に一軒家のレストランを構えたのです。

最初はお客さんが入らず店でスタッフとマージャンをやっていたといいますが、やがて口コミで噂が広がり、つねにコンプレな状態が続くようになりました。

のちに「クイーン・アリス」の石鍋裕氏や、「オテル・ド・ミクニ」の三國清三氏なども自身の店のオープン前に参考に訪れ、松尾氏からアドバイスをいただいたそうです。

やがてのちの皇太子殿下が訪れ、ご結婚前の雅子様も訪れ・・・・と、皇族や各界の一流人に愛される店となりました。

料理人を志したきっかけや修行時代のエピソード、自分の店を持つまでの苦労話、現在の成功までと、料理人本としてはまったく目新しい内容ではありません。

しかし小説ではなく実話ですから、やはりその内容には重みがあります。

2011年4月20日 (水)

「食に知恵あり」小泉武夫

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ご存知「味覚人飛行物体」小泉武夫氏の食エッセイです。

とにかく知識が豊富で、食に対しての好奇心が旺盛。

美味はもちろん珍味やら日本人には馴染めないようなものまで、なんでも取りあえずは召し上がられます。

どこの何が美味しいとかいった食べ歩き自慢ではなく、食文化の根本から食べ尽くそうとしておられるかのようです。

そしてタイトルの通り、食文化に込められた知恵を幅広く紹介しておられます。

昔の人の知恵というのはすごいですね。

科学なんてなかった時代にどうやってそのような保存法や調理法を考え付いたのか、まったく恐れ入ります。

そういうことを面白楽しく読むことができます。

2011年4月 8日 (金)

「食の極道 喋るも食うも命がけ」勝谷誠彦

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辛口なジャーナリストとして知られる勝谷誠彦氏。

食に関する仕事もよくなさってますね。

この本は主に「dancyu」という料理専門誌に書かれたエッセイをまとめたものです。

もちろん嬉しいことに立ち飲みやガード下のような店についてもしっかりと。

そしてあちこちの土地にある美味しいものについて。

讃岐うどんの美味しさに目覚め、「東京麺通団」といううどん屋まで仲間と立ち上げておられます。

この項目で触れられているのですが、「恐るべきさぬきうどん」という本のパクリだと勝谷氏が憤慨しておられる”某巨大広告店の社員”って、やはりあの人ですよね。(笑)

表紙イラストは西原理恵子。

2011年3月30日 (水)

「河童のタクアンかじり歩き」妹尾河童

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タイトル通り、著者が日本各地のタクアン事情を取材して回るというコンセプトです。

しかしちょっとツッコミが甘いというか、それに徹し切れていないんですよね。

やたらタクアン以外の話に逸れる。

そのあたり著者も自覚されていますけども。

それはそれで面白いんですけどね。

著者による精緻なイラストが綴じ込み風に入ってまして、これは必見です。

タクアンといえば日本人にとって欠かせない食糧です。

でも最近はそんなこともなく・・・・。

この本が単行本として刊行されたのが1983年です。

この時点ですでにタクアン離れが語られています。

ましてや今は・・・・。

保存食として次がれてきた食糧が、現在では意味を成さなくなってきているということです。

だからといってそれらの食文化が途切れてしまうのはあまりにももったいない話です。

現在のタクアン、というか漬物全体がひどいですよねぇ。

でもそんな中にあって、昔ながらの製法を守ろうとしている企業もあるようです。

ぜひぜひ昔ながらの美味しいタクアン、そして漬物全般を守り通して欲しいと思いました。

2011年3月23日 (水)

「レストランの秘密」別冊宝島編集部 編

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飲食店の裏話が書かれた本です。

とくに目から鱗な話はありませんでしたが、改めて客の見えないところではどんなことをしているかわからないなと。(笑)

もちろん良心的な店もたくさんあるでしょうけど。

中に用語集のコーナーがありまして。

簡単に各ジャンルの言葉を紹介しておられます。

フランス料理なら「アペリティフ」とか、イタリア料理なら「アンティパスト」とか。

和食の紹介で「向付け」について、「お膳の向こう側にあることからつけられたらしい。刺身類が多い気がします。詳しくはわかりません。日本料理にに詳しい人、ぜひ教えてください。」って読者にそれを教えるのがあなたの役目でしょうが。(笑)

情けないライターもいたものです。

2011年3月14日 (月)

「豊饒のナイル、ルクソールの食卓 エジプトグルメ紀行」吉村作治

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テレビでもお馴染みの「古代エジプト」研究家の吉村作治氏。

そんな立場とご経験からグルメ紀行を書かれました。

昨今、日本は当然のこととして、フランスやイタリア、中国などグルメな話題には事欠きません。

食通を自認する人たちは大勢いらっしゃいまして、それらの国のグルメ情報に関しては我こそはとウンチクを披露なさっておられます。

しかしエジプトの食についてはなかなかそのような人はおられませんし、接することがありませんよね。

このジャンルについて語れるのはやはり吉村氏でしょう。(笑)

なるほど、ご経験に基づいていろんなエジプトの食文化をご紹介なさっておられるのですが、私が感じたのは「食いしん坊」ではないなということ。

羊肉が好きではないとおっしゃいます。

カエルの肉を敬遠されます。

それってどうなの、と思うんですよね。

もちろん個人の嗜好ですからそれはしょうがないのですが、一応グルメ紀行と名乗った本なのですからそんな一般的な嗜好で語られても、と思うのです。

やはり読む側としては、どんどんいろんな食材を興味津々積極的に食べまくるというような内容のほうが読んでいて痛快です。

例えば小泉武夫氏のような。

エジプトの食文化を紹介するということでは貴重な本だと思います。

ただ食べ歩きを楽しむということについては若干不満がありました。

2011年3月 9日 (水)

「続々 食べ物さん、ありがとう」先生=川島四郎 生徒=サトウサンペイ

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シリーズ3冊目。

これが最終巻となります。

書かれている内容はもちろんそんなに変わりません。

ころころ変わるほうがおかしいですよね。(笑)

やはり青野菜の重要性、そして日本人に不足しがちなカルシウムを補うこと。

肉よりも魚のほうが優れていること。

それらご自分の学説をひたすら自身で実行し、証明してこられた川島先生。

マラリアでさえねじふせてこられたのですが、91歳でお亡くなりになりました。

胡散臭い食事健康法やダイエット法がまかり通る昨今、ぜひ川島先生にはもっともっとご活躍いただきたかった。

巻末にはイラストを担当し永く川島先生とお付き合いのあったサトウサンペイ氏を始めとして、元秘書や編集者の方々の座談会も収録されています。

2011年3月 3日 (木)

「鉄人の昼めし 達人の晩めし」藤生久夫

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テレビでもお馴染みの有名な料理人たち。

彼らは普段どのようなものを食べているのでしょうか。

登場する料理人は10人です。

「赤坂四川飯店」陳建一、「文琳」河田吉功、「ヌキテパ」田辺年男、「生香園」周富輝、「分とく山」野崎洋光、「レストラン キハチ」熊谷喜八、「菊乃井」村田吉弘、「リストランテ ヒロ」山田宏巳、「アクア パッツァ」日高良実、「フランス料理 今井」今井克宏。

それぞれの子供の頃から現在までの簡単な経歴の紹介、そして思い出やまかないの料理などが手書きのイラストとともにレシピ紹介されています。

料理人の紹介本なのかレシピ本なのかどっちつかずな印象がありますが、気軽な食エッセイとして楽しめました。

2011年2月21日 (月)

「弁天山美家古 これが江戸前寿司」内田正

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著者は東京浅草にある「弁天山美家古寿司」の五代目。

寿司のこと全般について書かれています。

魚の選び方や仕込みの仕方、魚河岸の様子。

そして店でのいろんなエピソード。

寿司の歴史についても書いておられ、寿司についてのことが幅広く楽しく読めるようになっています。

2011年2月16日 (水)

「渡辺文雄のくいしん坊旅行」渡辺文雄

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テレビの「くいしん坊!万才」の初代レポーターだった俳優・渡辺文雄氏。

食通としても知られた人でした。

5分間の番組では伝えられなかったことを本にしたとまえがきにあります。

読んでいて味わい深いのは、決して食べ物自慢でないところ。

あんな店行ったこんな物食べたというのを自慢げに語る人がよくいますが、そのような嫌味はありません。

ほんとに食べることがお好きなんだなぁということが伝わって来ますし、食べ物を通じて人との出会いが描かれているからこそなんでしょうね。

2011年2月14日 (月)

「タケノコの丸かじり」東海林さだお

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ご存知、東海林さだおの丸かじりシリーズ。

ランダムに読んでいますので順番はバラバラですが、これは15作目とのことです。

しょっつる、ナンプラー、アンチョビなどを使って即席のクサヤを作ってみる「即席クサヤ作成記」。

イタリアと日本を融合させて丼を作った「ピザ丼誕生秘話」。

相変わらずバカなことを、いや、探究心旺盛でいらっしゃる。

そんなB級グルメだけではなく、表題作ともいえる「錦水亭の筍コース」では京都の錦水亭で筍のフルコースを楽しんでおられます。

「カレーラーメンはなぜないのか」というのもありますけど、どこの店でもというわけではありませんが、ないことはない。

「造幣局の「通り抜け」」では、タクシーの運転手が「大阪人で通り抜けに行ったことない人はおらんでしょう」とおっしゃったらしいが、そんなことありません。

私はいまだにいったことない。(きっぱり 笑)

2011年2月 7日 (月)

「ニッポン居酒屋放浪記 望郷篇」太田和彦

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シリーズ第三弾。

今回も北は札幌から南は那覇まで、いい居酒屋を求めて飲み歩いておられます。

羨ましいと思うやらハードだなと思うやら。

ただ気になる記述がいくつかありました。

飲んだあと車で宿に帰ったとかマズイんじゃないいでしょうか。

あげ足取ってすみません・・・・。(笑)

2011年1月22日 (土)

「寿司屋のかみさんと総理大臣 内緒の話」佐川芳枝

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文庫本書き下ろし。

総理大臣とは誰のことなんでしょう。

そう、以前に「寿司屋のかみさんお客さま控帳」でも書いておられましたが、故・橋本龍太郎氏のことです。

この本では丸々一冊橋本氏とのエピソードが綴られています。

著者の元に届いた読者カード。

そこには橋本龍太郎、職業・内閣総理大臣と書いてあったのです。

最初は半信半疑だったのですが、購入先の書店に問い合わせてみると間違いなく橋本氏とのこと。

お礼の手紙を送ったところ、数ヶ月して橋本氏の秘書から予約の電話が入ります。

そこから当日までの物々しいエピソードは必読です。

それから何度も橋本氏はこの店を訪れます。

最後に店を訪れた日。

店を振り返り、「十年後の結婚記念日にも、こうして、ここに来られるといいなあ・・・・」

寂しげにつぶやいたそうです。

自分の最後をわかっておられたのでしょうか。

ちょっとした裏話や、テレビで観るだけではだけではわからない氏の気さくな人柄や子供っぽいところなど、微笑ましく書かれています。

2011年1月20日 (木)

「たかがカレーというなカレー」究極グルメ軒・編

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作家や評論家などの文化人たちがカレーについて書いたエッセイを集めてあります。

その人数三十七人。

食通として有名な方が何人もいらっしゃいます。

映画監督の山本嘉次郎氏、漫画家の東海林さだお氏、映画評論家の荻昌弘氏、作家の壇一雄氏など・・・・。

やはり昔の人はカレーに対してかなり思い入れをお持ちのようです。

当時はごちそうであったと。

肉なんて入っていようものなら・・・・。(笑)

カレーには福神漬けが付き物ですが、以前からなんで福神漬けなんだろうという疑問を持っていました。

加藤秀俊という社会学者のエッセイでそのことについて記述されています。

時期は定かではないようですが、日本遊船の一等食堂が始まりだとのこと。

東南アジアやインドに寄港しながら航海していた船のコックさんが、これらの国でカレーといっしょに出されるチャツネにヒントを得て、それにかわるべきものとして福神漬けを選んだのだろう、と。

なるほどなぁ。

その他皆さんのカレーにまつわる思い入れやいろんなエピソードが紹介されています。

2011年1月16日 (日)

「ナニワ女の商いの道 商売なめたらあかんで」平川好子

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著者は「正弁丹吾グループ」の代表とのこと。

へぇ、あの法善寺横町の「正弁丹吾亭」の代表は女性だったのかと思いつつ購入。

読んでみましたら法善寺横町の「正弁丹吾亭」とは全然別会社でした。(笑)

本書ではそのあたりのいきさつにも触れておられます。

何軒も飲食店を経営しておられる中での苦労話、特に人の育て方ですね。

そのようなことを重点的に書いておられます。

グルメ本というよりは人生訓的な内容です。

2011年1月 9日 (日)

「アマゾンのワニドナウの鯉 -世界まんぷく紀行-」服部公一

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著者は作曲家。

仕事でいろんな国に行かれたようです。

そんな国々での美味珍味について書かれたのがこの本。

まさにタイトルどおりアマゾンでワニを食べ、ハンガリーで鯉を食べたりしておられます。

ワニではとんでもない下痢をしたのだとか。

しかしそれはワニ肉のせいではなく、精製の悪い椰子油のせいだったとのことですが。

他にはアメリカ、インド、中国、オーストラリアなど。

もちろん日本も紹介されています。

2010年12月29日 (水)

「男のだいどこ」荻昌弘

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映画評論家の荻昌弘氏。

食通としても知られた人でして、何冊か食に関する著書を残しておられます。

この「男のだいどこ」が食について書かれた氏の最初の本です。

私が読むのは二冊目。

ミーハーな食通にはチクリと皮肉をかましておられますように、決して誰もが口にできないような料理の食べ歩き自慢ではありません。

もちろん相当な食の経験をお持ちなのですが、世間で食通といわれる一部の俗人たちを冷笑しておられたようで。

氏は経験した味を家庭で再現することに意欲を注いでおられたようですね。

というか、それがこの本の主旨でもあります。

男が台所に入る。

今は当たり前ですが、昔は男が台所に入るなんて・・・・という雰囲気がありました。

男が台所に入って何が悪い。

そんな開き直りと気構えを感じさせるタイトルです。

公に男の料理を宣言した先駆者ともいえましょう。(笑)

かといってこの本はレシピ集ではありません。

あくまで食エッセイです。

しかしちゃんとご自身のレシピは披露しておられます。

読み物としては文体が独特です。

後にいくほどその感はあり。

ちょっといき過ぎかなと思いつつ、でも私は楽しめました。

以前に某大家の食エッセイを読んだのですが、なんとも退屈。

あの開高健氏も絶賛しておられたそれは、私にはまったく面白くない一冊でした。

やはりこれは相性でしょうね。

「男のだいどこ」、これはよかった。

2010年12月22日 (水)

「回転寿司「激安」のウラ」吾妻博勝

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回転寿司。

この形態の店が登場してからずいぶんと寿司が気楽に食べられるようになりました。

よく言われることですが、本来にぎり寿司なんてファーストフード。

銭湯の帰りなんかに立ち食いの屋台でおにぎりのようなのをひとつふたつ頬張ってごちそうさん、なんていうのがそもそもだったようですね。

それがまあ今や値段は高いわオヤジは威張るわ、一般庶民がおいそれと行けない店も多々あります。(笑)

しかしそんな気遣い無用なのが回転寿司。

明朗会計ですし、好きなネタを好きなだけ食べることができます。

もちろん値段は安い。

しかしその安さの裏側には企業努力という言葉だけでは済まされないカラクリがあるのです・・・・。

産地偽装は当たり前、それどころか全然別の魚をタイだのヒラメだのと偽って出しているというのです。

例えばタイならティラピアやアメリカナマズ。

ヒラメも同じくアメリカナマズやカラスガレイ、アブラガレイなど。

ちなみにアメリカナマズの写真が掲載されていますが、ちょっと食欲湧かない見た目の魚です。

他にも深海魚がよく使われているようですが、さすがにグロテスク。

しかしそれはいいんです。

その魚をそのままの名前で正直に出せば問題ない。

見た目グロテスクでもそれなりに美味しいのですから。

偽るのが問題なわけです。

ひどい話になりますと奇形魚なんかをタダ同然で仕入れて出している店もあるといいます。

薬漬けの養殖魚ですね。

養殖ハマチなんて3切れ食べたら風邪が治るなんて本当か冗談かわからない話も紹介されています。

つまり抗生物質漬けということですね。

養殖サーモンの色も実は人工着色料の餌によるものだとか。

バイヤーがカラーチャートを見て養殖業者に色指定すれば、望みどおりの色に仕上がってくるといいます。

まったくいやはや・・・・。

その他ウラ話が満載です。

でもそのような商品を毅然として拒否できる知識と勇気のない我々消費者にも問題はあるかと思います。

2010年12月17日 (金)

「ソバ屋で憩う -悦楽の名店ガイド101-」杉浦日向子とソ連編著

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漫画家の杉浦日向子氏(故人)を中心としたソバ好き集団「ソ連」の人たちが、東京をメインとして全国のソバ屋を紹介しておられます。

ソバ屋で憩うというのがコンセプトなので、ソバを楽しむのはもちろん酒もしっかりと楽しんでおられます。

まずは焼き海苔や焼き味噌、玉子焼き、板わさ、鴨などソバ屋らしい肴で酒を飲み、締めにソバというパターンです。

居酒屋とはまた違った味わいがあるようで。

ただしちょっと下品な内容もあります。

某店で「酒は一人二本まで」にもかかわらず、飲み終わった徳利を机の下に隠し追加注文。

ご機嫌満足大感激などと書いておられる。

別の頁ではソバを食べるために信州に向かう新幹線の中、酒を飲むのにコップがないことに気付き、「そこは機転のきく我々のこと」と自賛し、車内のトイレ脇にある給水機の紙コップを持ってくる。

しかも二重にすると頑丈だと。

そりゃまあ酒を飲むのに使ってもいいですけどねぇ。

あまり得意げに書くことではありますまい。

ま、微笑ましいレベルではありますが。

ちなみに文章は署名入りなのですが、この二つの文章はどちらも大墻氏というメンバーです。(笑)

この本を読んでいたらやたらソバを食べたくなりまして、さっそく昼食にざるそばを食べに行きました。

2010年12月 6日 (月)

「こだわりラーメン道 旨さの宝庫、究極の一杯を探せ!」とことんラーメン倶楽部[編] 武内伸[取材協力]

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まず序章では「これが本当のラーメン道だ!」として、当時新横浜ラーメン博物館の広報をしておられた武内信氏が執筆しておられます。

ラーメン好きが高じて「TVチャンピオン第2回ラーメンチャンピオン」となり、勤めていた会社を辞めて新横浜ラーメン博物館に就職したという経歴のラーメンマニアです。

ラーメンについて何冊もの著書も出しておられます。

そんな武内氏がラーメンとの出会いから現在いたるまでのプロセス、これからのラーメンのトレンドなどを語っておられます。

第1章では「ご当地ラーメンを極める」ということで、各地のラーメンの紹介です。

北海道なら札幌、旭川、函館・・・・。

東北なら喜多方、白川、米沢・・・・。

関東なら東京、横浜、佐野・・・・。

それぞれの発祥からいかに現在のスタイルになったかが詳しく紹介されています。

第2章では「ラーメン三大要素を極める」として、麺、スープ、具に付いての詳しい検証がなされています。

こうやって読みますとなるほどラーメンというのはなんでもありだけに奥が深い。

それら三つの素材の組み合わせでラーメンには無限の可能性があるのですね。

私もまたぼちぼちと美味しいラーメンとの出会いを求めたいと思います。

2010年11月29日 (月)

「青魚下魚安魚讃歌」高橋治

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九十九里の鰯文化の中で育ったという著者。

そんな著者が青魚は不当に冷遇されていると嘆き、ぜひそれらの魚を見直してほしいと書いたのがこの本です。

安くて美味しい鰯や鯖や鯵など。

鯖など刺身にしてこれほど美味しい魚はないと著者は力説します。

たしかに新鮮な鯖の刺身は本当に美味しいですね。

煮ても焼いても美味しいですし。

この本ではそんな青魚を使った料理やその調理法がカラー写真をふんだんに使って紹介されています。

そして安く美味しい魚料理を出す良心的な民宿なども。

魚食いにはお薦めしたい一冊です。

2010年11月21日 (日)

「ミクニの奇跡」松木直也

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フレンチシェフ三國清三氏の物語です。

北海道の港町に生まれ、15歳で料理の世界に入ってからの軌跡が書かれています。

フランスでは三ツ星レストランで働きながらも住む所がなく、野宿していたこともあったとか。

「僕は、勉強に来たわけではなく仕事をしに来たので、フランス人と同じ使い方をして欲しいし、給料も彼らと同じようにもらいたいです」と主張。

そんな調子で数々の一流レストランを渡り歩きます。

その経歴がすごい。

「オテル・ドゥ・ヴィル」(ジラルデ)、「トロワグロ」、「ムーラン・ドゥ・ムージャン」、「オーベルジュ・ドゥ・リル」、「ロアジス」、「アラン・シャペル」。

そして帰国し、「ビストロ・サカナザ」を経ていよいよ「オテル・ドゥ・ミクニ」の開店です。

バブルやグルメブームに乗ってどんどん店を拡げていきます。

国内にとどまらずその活躍は海外にも。

ニューヨークや香港、バンコク、モナコ、バリでフェアを行い大成功。

名実共に日本を代表するフレンチシェフとなります。

そして今も語り草になっている95年の「VINEXPO」のエピソードも紹介されています。

フランスのサンテミリオンで開かれる国際ワイン見本市。

この大晩餐会の料理を作ることになった三國氏。

ところが料理を運んだトラックの荷台でそれらはめちゃくちゃになっていました。

晩餐会の開始まで3時間を切っています。

青ざめる三國氏。

しかしすぐにスタッフに指示が飛びます。

とにかく使えるものは使い、片っ端から仕出し屋にあるものを持ってこさせ、なんとかかんとか晩餐会を無事に成功させたのでした。

もちろんそのような成功話ばかりではなく、食中毒という飲食店においてあってはならない事件にも触れられています。

なかなか波乱万丈な内容で楽しめました。

2010年11月16日 (火)

「今朝子の晩ごはん 忙中馬あり篇」松井今朝子

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ブログ日記を文庫化したシリーズですが、これで三冊目となります。

もちろんネットで読めるのですが、やはり私は本型人間でしょうか、ネットで文章を読む気がしないんですよね。

この本もブログで読めばリアルタイムに写真入りで読めるものを。(笑)

2008年1月から2008年6月までの日記が収められています。

当然タイトルからしてまずはその日の食事について書かれています。

「QP(キューピー3分間クッキング)で見た料理」、「東横のれん街でゲット」のフレーズはもはや定番。(笑)

ですが、食事については見出しだけだったりというのもしょっちゅうですが。

ま、ひたすら食べ物のことばかり書かれるよりも、いろいろと作家の日常が垣間見られる内容のほうが読んでいて楽しいですけども。

2010年11月 7日 (日)

「カワハギの肝」杉浦明平

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食エッセイです。

タイトルは『カワハギの肝』ですが、もちろん丸々一冊それについて書かれているわけではなく。

『食いもの談義』、『野外食い歩きの記』、『食卓歳時記』と三つの章に分かれています。

『食いもの談義』では主に現在(当時)の身辺について。

中の『ふるさとの味』では、京都ほど食べもののまずいところはないとぶった切っておられます。(笑)

うまいものといえば漬物くらいだろうと。

私は京都の料理なんてよく知りませんけども。

ただ、「たらぼうだの、朝がゆだの、湯豆腐だのを、さも高級な料理らしく、千円以上の金を取って(1976年当時)食わせている」という批判には納得。

それらを出す店にはもちろん言い分もあるでしょうが、たかが湯豆腐なんかをなにをもったいぶって出しているのか。

またそれをありがたがって食べているのか。

あほかと思いますね。

『野外食い歩きの記』は著者の少年時代について。

野山でいろんな木の実などを食べた思い出が綴られています。

もちろん土地にもよるでしょうが、昔は身近に自然の食べ物があったんですね。

『食卓歳時記』ではいろんな食材や料理にちなんで普段の食生活を紹介しておられます。

この項で表題の『カワハギの肝』が登場します。

「あらゆる魚の肝の中で一ばん味のいいのは、カワハギの肝ということに落ちつくのではあるまいか」と。

いちばん美味しいかどうかは人それぞれとしまして、たしかに旨い。

ま、肝はなんでも旨いですけど。(笑)

ぼちぼちと楽しく読みました。

2010年10月22日 (金)

「天ぷらにソースをかけますか? -ニッポン食文化の境界線-」野瀬泰伸

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食文化というのは地方によってさまざまです。

その土地では当たり前と思われているような食べ方がよそでは「え~っ!」と驚かれたり。

タイトルの天ぷらにソースというのもそのひとつでしょう。

私は生まれも育ちも大阪ですので、まさしく子供の頃から天ぷらはソースでした。

ではそのような食文化はどこに境界線があるのでしょう。

そんな疑問を調査したのがこの本です。

もともとは日本経済新聞のホームページでの連載だったということで、ネットでメールやアンケートという形でデータ収集されています。

いろんな地方の人たちからのメールが紹介されており、その根拠なども見えてきて興味深い。

天ぷらにソースの場合、ほぼ糸魚川-静岡構造線(フォッサマグナ)あたりが境界線となっているようですね。

大まかに東西の食文化を比較する場合、このラインはひとつの目安となるようです。

関西のソース文化については、明治二十七年に「三ツ矢ソース」と「錨印ソース」(のちのイカリソース)が大阪に誕生し、文明開化とともに天ぷらも含めて洋食にソースをかけるのがハイカラとして西日本に拡がっていった可能性が高いと筆者は推測します。

ただそんな西日本で香川県が突出してソース派が少ない。

その理由はなぜか。

何人かの地元読者からのメールで有力な根拠が浮かび上がります。

香川県で最も天ぷらを食べる機会が多いのはうどん屋である。

つまり天ぷらはうどんのトッピングとして捉えられていると。

なので天ぷら=うどんつゆという図式があり、家で単品で食べるとしてもソースではなく天つゆであると。

なるほどなぁと思いました。(笑)

その他「紅しょうがの天ぷらを食べるか」、「豚まんというか肉まんというか」、「肉といえば牛か豚か」、「冷やし中華というか、冷麺というか、それにマヨネーズをかけるか」

「カレーライスのトッピングで卵といえば生卵かゆで卵か」・・・・などなど面白いテーマがいっぱい。

最後の章では筆者が東海道を歩きながら食文化その他の変化を目の当たりにしていくという企画もあります。

サンマーメンの境界線は。

イルカを食べるのはどこからどのあたりまでか。

白ねぎと青ねぎの境界線は。

そば文化とうどん文化はどこで入れ替わる?

うなぎの関東風と関西風は。

などなど、実に興味深く面白い内容でした。

2010年10月 7日 (木)

「いつのまにやらワインが職業」友田晶子

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著者はワイン・コーディネーター。

ワインに関するイベントのプロデュースやセミナーの講師、エッセイの執筆などをやっておられます。

そんな著者の現在(2000年)に至るまでの奮闘記です。

昔に比べるとワインというのはずっと身近になりました。

それでもワイン関係の本を見るといまだに堅苦しい内容が多いのも事実。

優しくワインを学びましょうなどという主旨でありながら、書かれていることは旧態依然として産地がどうの品種がどうの。

そんな本はマニアを目指すならともかく、一般の人が普通に楽しむには頭が痛くややこしいだけだったりします。

もちろんそのような背景こそがワインの奥深さであり楽しさでもあったりするわけですが。

この本はそういう教科書的な内容ではなくエッセイですので、とてもリラックスして読めます。

堅苦しい知識を振りかざすことなく、あくまでワイン好きな一人の女性としての目線で書かれているのが好感持てるのです。

なんやらかんやらバタバタとやっているうちに「いつのまにやらワインが職業」になっていた奮闘ぶりが面白楽しく書かれています。

2010年10月 2日 (土)

「築地市場のさかなかな?」平野文

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著者の平野文氏はアニメ「うる星やつら」のラムちゃん役でお馴染みの声優さんです。

そんな平野氏がなぜ魚の本を書いておられるのか。

ご主人が築地の仲卸業の三代目なんですね。

なので一般の人よりはずっと身近に専門的に魚と接しておられるのです。

内容は四季に分け、それぞれの旬の魚を取り上げておられます。

春なら「まだい」や「さわら」、夏なら「あじ」や「いわし」といったように。

その数三十三匹。

その魚たちがいかに美味しいかというのを食い気たっぷり愛情たっぷりに紹介しておられます。

夏の魚で「たかべ(鰖)」というのは初めて知りました。

本州中部以南の太平洋側で獲れる魚だそうで、スズキ目タカベ科。

串本では「シャカ」、高知では「ベント」、鹿児島では「ホタ」ともいうそうです。

それなら私の住む大阪でも見かけそうなものですが・・・・。

魚というのは相当な種類がありますので、もちろん全部の魚を紹介するのは無理な話。

しかし春の「ほたるいか」や夏の「はも」はぜひ入れてほしかった。(笑)

冬の「あんこう」がないのはどうしたことか。

なかなか達者な文章ではありますが、もう少し女性らしい柔らかな文体であればと思います。

などと書くと、「女らしいというのはいったいなにをもって云々かんぬん・・・・」などとぶった切られそうですが。(笑)

2010年9月23日 (木)

「肉のヒミツ」別冊宝島編集部 編

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食肉業界についての裏側が明かされています。

牛肉だけに限らず、豚肉、鶏肉、馬肉や鯨肉についても。

牛肉なら例えばブランド牛のホルモン(内臓肉)はどうなっているのか。

松阪牛だの神戸牛だのというのはよく聞きますしどの店もそれをウリにしておられたりしますが、松阪ホルモンだの神戸ホルモンだのいうのは聞いたことがない。

枝肉とホルモンの流通が別だというのは知られていますが、ホルモンの流通についてはいまだ「ブラックボックス」だとのこと。

ただ読者としてはそこをもっと突っ込んで取材するのがこの本の意義だろうと思うのですがね。

「ブラックボックス」です、終わり、ではもどかし過ぎます。

他の話題にしてもそれぞれ2~3ページしか割いておらず、だからどうなんだとツッコミを入れたくなることも多々。

どうも歯がゆいんですよねぇ。

大層に業界裏のヒミツを暴いた本というよりも、ちょっとした豆知識として読んだほうがいいと思います。

2010年9月17日 (金)

「すし革命-「味よし」ネタよし値段よし-」鶴蒔靖夫

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「味よし」という寿司の宅配専門店を紹介した本です。

私の周りには無いせいか全然知りませんでした。

どうやら宅配専門寿司店の元祖のようです。

創業者の大西勇氏はもともとテイクアウトの寿司店をやっておられ何店舗か経営しておられたようですが、それらを徐々に宅配専門店に切り替えていかれました。

「味よし、ネタよし、値段よし」をキャッチフレーズに、上質のネタを使った寿司を家庭に居ながらにして食べられるというのがウリです。

しかもテイクアウトと違って電話1本で届けてくれる。

消費者にとっても便利ですが、店にとっても普通の寿司屋のように場所を選びません。

店内で食べてもらうことを目的とした店ならば駅前とか繁華街とか人通りのある場所ということになりますが、この形態の商売ならそのような条件にこだわることなく安い場所代の物件で店を構えることができます。

しかも店内の内装なんてこだわる必要なし。

なるほどなと思います。

まあ実際はそんな単純なものではありませんけども、ざっくりいえばそういうことになります。

当時は出前というのはもちろんありましたが寿司の宅配専門店など無く、そこに目を付けたのはやはり創業者の先見の明でしょう。

FC展開しているので本部とFC店との関係が難しいところです。

よく本部ばかりが儲かりFC店はひぃひぃ言っているなんて話も聞きますが、この会社はそのあたりも非常に良心的であると強調されています。

批判本ではないので悪くは書かないのは当然ですが、しかしこの本ちょっと持ち上げすぎでは。(笑)

絶賛といえるくらいの褒めようです。

ま、ほどほどに読みました。

2010年9月10日 (金)

「怖ろしい味」勝見洋一

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エッセイだと思って読み始めたらそうではなかったですね。

かといって丸っきりの創作というわけでもなさげで。

実体験を基にしたエッセイ風の短編集といったところでしょうか。

前半が<食彩>、後半が<物彩>として分けられています。

<食彩>というのはもちろん食べ物についての話。

表題作の「怖ろしい味」は今まで経験したことのないような恐怖さえ感じるほどの美味のことかなと思っていたのですが、まったく正反対。

ニューヨークの”怖ろしい”地区で食べた中華料理のまずさが語られています。

それ以外にもフランスのディジョンで食べた、見た目は素晴らしく絢爛豪華だが味は蝋細工のような中華料理など。

そのニューヨークではもっと何丁目か下りもっと恐ろしい場所に分け入れば、もっとまずい中華料理店があると友人が言います。

「食べたら、すぐ死ぬよ」

う~ん、どのような料理でしょうか。(笑)

「鮨屋の怪」というのが私はよかったですね。

職人がいっさい顔を見せない店です。

カウンターの中には老婆といえる仲居だけ。

左手の隅に長い暖簾がかかっており、ときたま暖簾の奥の暗闇から白い手だけがのぞきます。

正面の食器棚の裏が賄い場になっているようですが、どんな人物が握っているのかはわかりません。

江戸を濃厚に感じさせる腕前は相当なもののようですが。

飲み直しに入った向かいの小料理屋の主人さえなんの商売をしているのか知らなかったらしく、「そうですか、鮨屋ですか」などといっている始末。

しかも婆さんしか見たことないという。

店が終ったあとも出ていったのは仲居の婆さんだけ。

いったい何者が握っているのか・・・・。

どの作品も幻想的な雰囲気が漂います。

後半の<物彩>ではいろいろな<物>をモチーフにしています。

万年筆、映写機、ライター、オーディオ、カメラなど。

こちらはややノスタルジックな雰囲気。

しかし著者の趣味の広さと博学ぶり、経験の蓄積には舌を巻きます。

川端康成との万年筆のやりとり、一九七四年と一九八九年の二つの天安門事件にも立ち会っておられる・・・・。

ますます得体の知れない人物という気がしてきました。(笑)

2010年9月 4日 (土)

「美食のテクノロジー」辻芳樹

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著者は辻調理師専門学校校長です。

いまや伝説の人物とも言える辻静雄氏のご子息ですね。

そんな著者が世界の頂点に立つ6人の料理人を取材しておられます。

デーヴィッド・ブーレイ(ブーレイ)、和久田哲也(テツヤズ)、サンティ・サンタマリア(エル・ラコ・デ・カン・ファバス)、ミシェル・ブラス(ブラス)、アラン・デュカス(アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ)、高橋英一(瓢亭)。

すごい顔ぶれです。

それぞれの料理人が現在の地位を築いておられるからには、当然のことながらその料理人ならではの「美食のテクノロジー」があるはずです。

著者は料理人の生い立ちやら現在の状況を分析し、そのテクノロジーに迫ります。

当たり前のことですけども、どの料理人もしっかりとアイデンティティを持っておられるのですね。

例えばミシェル・ブラスならライオールという生まれ育った土地にこだわります。

この土地で料理を作ることはビジネスではなく、人生そのものだと言い切ります。

そういう土地に根ざしたどっしりとしたものを持っておられるんですね。

やたら流行に乗る若い料理人が多勢います。

「エル・ブリ」のフェラン・アドリアに影響を受けた料理が巷に溢れ返りましたけども、サンティ・サンタマリアは言います。

「アドリアはこの世に二人は存在しないということ。(略) メディアがそれを正確に伝えないから、若い料理人が自分にもできるだろうと勘違いしてしまう。アドリアの本質的なすごさをわからずして、表面的な真似だけをして先を急ぎ、見た目で人を驚かせるような料理ばかりを作ってしまう」

アラン・デュカスも言います。

「アドリアは自分自身の物語を語れる卓越した存在だからです。問題はだれもがアドリアの料理の哲学を理解し、それを自分の料理に生かすことはできないということです」

あちこちの店で「ほんの一さじの泡のような料理」が出されることに苦言を呈しておられます。

まったくごもっとも。

フェラン・アドリアのパクリがあちこちに現れたときには冗談でやっているのかと思いました。

創作居酒屋なら面白いと思いますけども。(笑)

レストランとして堂々と「エル・ブリ」風料理を出しておられる。

いったいその料理はあなたのどこから出てきたのですかと。

どこからも出てきてはしません、流行だからやっているだけです。

ここで紹介されている料理人たちはそんな上辺の仕事はしておられません。

テクノロジーというとハードな技術面をイメージしがちですが、この本ではそういうことではなく料理哲学といったようなソフト面を主に取り上げておられます。

2010年8月25日 (水)

「ボクは料理長、ときどき鉄人」坂井宏行

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ムッシュ坂井の半生記フルコースとサブタイトルが付いています。

フランス料理人の坂井宏行氏の自伝ですね。

少年時代から始まり、コックを目指し仕出し弁当屋への就職。

しばらくして辻勲調理師学校に入学し、働きながら料理を勉強します。

しかし弁当屋にいてはいつまでたっても本格的な洋食は覚えられません。

ホテル新大阪に入社します。

そしてオーストラリアの求人を見つけ応募、向こうに渡ります。

帰国して伝説の料理人・志度藤雄氏の店の求人に応募し、採用。

その後もいろいろと店を経験するのですが、やはり金谷鮮治氏との出会いが人生を大きく変えたといえます。

坂井氏は「ジョン・カナヤ」のシェフを任されます。

ここで懐石料理の要素を取り入れた料理で注目され始めるのです。

やがて独立していよいよ「ラ・ロシェル」の開店です。

最後の章はやはり人気番組であった「料理の鉄人」について触れられています。

この番組がきっかけとなり、日本中に知られるスターシェフとなったわけです。

読んでいてもやはりこの章がいちばん面白い。

「料理の鉄人」がなければ私も氏の名前を知ることはなかったかもしれません。

2010年8月22日 (日)

「ああ 好食大論争」開高健

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食通で知られた作家、開高健の食対談集です。

登場するのは、きだみのる・壇一雄、阿川弘之、石井好子・黛敏郎、草野心平、團伊玖磨、牧羊子、小松左京、荒正人・池田彌三郎、安岡正太郎。

錚々たる顔ぶれですね。

さすがに皆さん食については詳しく一家言持っておられます。

対談相手はそれぞれ気心の知れた間柄のようで、堅苦しくないやりとりが楽しいです。

2010年8月20日 (金)

「猫めしの丸かじり」東海林さだお

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ご存知、東海林さだおの丸かじりシリーズです。

「うまいぞ猫めし」というのが表題作と言えましょうか。

ごはんにかつおぶしを乗せ、醤油をかけただけのシンプルなごはん。

これがやけに旨いんですよね。

おかずが要りません。

東海林氏に言わせますと、「おかずあっち行け、おかず迷惑、というくらいの気持ちになる」とのこと。

たしかにおかずが無いほうがこの場合いいかも。

「ローストビーフの屈辱」というのは笑えましたね。

挿絵ですが、残ったローストビーフの利用法という本の記事を読んで「ローストビーフが残ると思ってんのかーッ」と憤慨するオバサン。(笑)

確かに残るとは思えませんな。

というか家庭でローストビーフなんてほとんどの人がしないでしょうし、買うにしてもかなり高価。

残るほど買う人がいるとも思えません。

立食パーティーのローストビーフコーナーに並び、コックに薄い切り身を皿に乗せてもらうときの卑屈な描写もなんともいえません。

コックが「皿をそこに置け」と言わんばかりにアゴをしゃくります。

「来ちゃったのォ?」

コックの目がそう言っています。

「来ちゃったんです」

うつむくショージ君。

「来ちゃったんじゃしょうがねーなー」

コックは薄い二枚を皿に載せて差し出しながらショージ君の目を見ます。

「そんなに欲しいの?」

「うん、欲しいの」

並んでも卑屈になっても食べたいローストビーフ。(笑)

その他、ハムカツやらラーメンスープ製作やらウズラの親子丼やら、笑える話が満載です。

2010年8月16日 (月)

「すきやばし次郎 旬を握る」里見真三

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「すきやばし次郎」。

日本一の寿司屋とも言われています。

その評価が妥当かどうかは私にはわかりません。

しかしこの本が単行本として出版された1997年時点で、親方の小野二郎氏の寿司職人としての経歴はすでに50年近く。

日本を代表する寿司職人であることは間違いないでしょう。

ちなみに小野二郎氏は1925年生まれ。

現在でもまだ現役でつけ場に立ち寿司を握っておられます。

そんな「すきやばし次郎」の仕事を余すことなく写真入で紹介したのがこの本です。

店内や四季のネタ、旬の皿盛り、原寸大のにぎり寿司、近海本マグロの輪切り、仕込みのプロセスなど写真が満載です。

門外不出ともいわれる仕事を堂々と公開したこの本はまさに画期的でした。

料理評論家の山本益博氏なども次郎についての本は出しておられますけども、”次郎本”といえばまずはやはり里見真三氏のこの本ではないでしょうか。

2010年8月11日 (水)

「小泉武夫の世にも不思議な食の世界」小泉武夫

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「味覚人飛行物体」こと小泉武夫センセイ。

相変わらずあらゆる食べ物を口にしておられます。

日本国内に限らず中国やら韓国やらインドやら。

しかし著書の中でもこれは比較的おとなしい内容です。

ほとんどゲテモノは出てきません。(笑)

カラー写真がふんだんに使われているのがいいですね。

やはりこういうのは文庫本よりも単行本のほうが見やすくありがたい。

見ているだけで胃袋がギュルギュルギュルと鳴ってきますなぁ。

2010年8月 8日 (日)

「食堂かたつむり」小川糸

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倫子がアルバイトのトルコ料理店からマンションへ帰ってみると、部屋はもぬけの殻でした。

インド人の恋人も生活道具もいっさいがっさい無くなっていました。

すべてを無くした倫子はショックで声さえも無くしてしまうのです。

恋人との思い出のマンションをあとにし、倫子は母の住む田舎に帰ります。

そこであまり仲のよくない母親から物置小屋を借り、小さな食堂を始めます。

一日一組限定の心のこもった料理を出す食堂。

倫子はその店を「食堂かたつむり」と名付けました・・・・。

淡々とした文章ながらも倫子の料理に対してのひたむきさがよく伝わってきますし、食材に対しての畏敬の念に心が洗われるような気がします。

そして周りの人たちを幸せにする温かさがとてもいい。

料理を扱う小説となると登場人物(作者)が料理の知識や経験に薀蓄を垂れたり、いかに味覚を言葉で表現するかに凝ってみたりになりがちですが、そのような嫌味や実験的なところはまるでありません。

もちろんグルメ漫画によくあるような料理で対決といったこともありません。

ここから先はちょっとネタバレ的な話になりますが、最後のほうにかわいがっているエルメスという名の飼い豚を倫子が解体するシーンが出てきます。

ガンの母親が最後の願いとして倫子に頼むのです。

「この際だから、エルメスを食べちゃおうと思って。あの子にとっても、その方が幸せなの。アタシがいなくなったら、あの子だって悲しむし。だから、最後のお願いだと思ってさ・・・・」

それはできない、と倫子は断るのではと思ったのですが、しっかりと引き受けるのですね。

よく「人間(に限らずですが)は他の命を体の中に取り入れて生きていく業を背負った生き物である」みたいなことをいわれますけども、まさしくそれなんですね。

倫子はしっかりとエルメスを食材として扱い、料理として成仏させてあげます。

決してその命を無駄にすることなく。

話の途中にこんな言葉が出てきます。

「水の中で魚が動き回れば濁った泥水になってしまうけど、心を穏やかにしていれば、やがて泥は下に沈み、上のほうはきれいな水になる。私は、きれいな水でいたかった」

まさしくそんな上澄みの水のような静けさとピュアな感のある小説でした。

ただ冒頭のマンション空っぽのエピソードはちょっと唐突でそれについてのフォローがなさすぎな気がしましたが、まあこの際そんなことはどうでもいいか。(笑)

2010年8月 3日 (火)

「食べ物さん、ありがとう」先生=川島四郎 生徒=サトウサンペイ

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私が敬愛します川島四郎先生の著書です。

すでに「続 食べ物さん、ありがとう」は読んでおりまして、順序が逆になりましたが。

その他の著書も読んでおりますが、内容はどれもそう大きく変わりません。

やはりまずは青野菜です。

女性が好んで食べる生野菜のサラダなんて量にすれば僅かなもの。

しかもレタスやキャベツなどほとんどが白野菜。

そんなの野菜を食べたうちに入らない。

川島氏は毎日ほうれん草や小松菜などの青野菜を二束食べていたとのことです。

青野菜の葉緑素が血液の血色素を作るのだと。

葉緑素と血色素、正反対のようですが、化学式で見ると非常によく似ているんですね。

ピロール核というのが4個ありまして、真ん中にMg(マグネシウム)が入っているのが葉緑素、Fe(鉄)が入っているのが血色素とのこと。

この葉緑素が体の中に入りますと、マグネシウムが鉄と入れ替わって血色素になるんだとか。

つまり青野菜が血を作るのですね。

しかしライオンなどの肉食獣は野菜など食べないではないか。

いやいや、川島氏はちゃんと研究しておられます。

アフリカでの取材。

ライオンがシマウマを襲います。

どこから食べ始めるのか。

肛門から食い破り、内臓を引きずり出すライオン。

それらを食べるのかなと思っていると横によけ、緑色をした腸を引きずり出し、猛然と食べだしたのだとか。

緑色の腸、つまり草食動物が食べた草なんですよね。

ライオンはちゃんと緑野菜を食べているわけです。

人間の母乳。

これって血液が乳房を通過するときにほんの1分足らずで生成されるとのこと。

しかも赤ちゃんにとっては完璧な栄養食。

これを人工的にやろうとすると何十時間もかかるそうで、まったく人間の体の神秘には恐れ入るばかりです。

ま、そんなとても面白い話を他にもいろいろとサトウサンペイ氏の図解入りでやさしく説明した本です。

続々もすでに購入済み。

楽しみに読んでみます。

ただし20年以上前の本。

今からすれば違う見解があるかもしれません。

2010年7月28日 (水)

「B級グルメ大当たりガイド」田沢竜次

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タイトルどおりB級グルメを紹介した本です。

今では当たり前のように使われている「B級グルメ」という言葉ですが、最初に使ったのはこの著者とのことです。

元祖B級グルメライターなんですね。

あらゆるジャンルの店を紹介しておられます。

そのほとんどが東京なのはしょうがないところではありますが。

しかしじゅうぶんに楽しめました。

最後の章でわずかに名古屋、京都、大阪、沖縄を紹介しておられます。

2010年7月18日 (日)

「酒・肴・酒」吉田健一

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タイトルからわかるように、酒や肴について語っておられるエッセイです。

そして筆者である吉田健一といえば、すごい人であります。
(どうやらそのようです)

ありますが、私にはそんなの無関係であり、このエッセイを読む限りたいしたオッサンではなかったですね。

タイトル通り、酒や肴についていろいろと書いておられます。

でもどれも面白くない。

これはもちろん私の価値観においてですが。

やはり時代もあるのでしょう、菊正宗を絶賛しておられますけども私にはさっぱりわかりません。

この時代の菊正宗はさぞかし絶品だったのでしょうか。

白鹿、賀茂鶴、などという銘柄も出てきまして、灘や広島の酒を高く評価しておられます。

でも現代においてこれらの酒が話題になることはありえません。

時代といえばフォワグラについてシャンパンで捏ねた物とかいう記述がありましたね。

そこに「ところどころに真っ黒になったフランスの茸が入っていて」とのこと。

おそらく缶詰であろう加工品のフォワグラについて語っておられるのでしょう。

これも申し訳ないですが現在からすれば苦笑してしまう話です。

でもそれはそれで時代によるものだからいいんです。

酒についてですが、この人かなり日本酒贔屓なようで。

ウイスキーを下品だといってのけてます。

ふーむ、この当時はそれほど日本酒が優れていたのでしょうか。

んで、シャルトリューズはお気に入りなんですね。

ようわからんわ。

いや、わからんでもない。(笑)

んでウイスキーは下品な飲み物ですか。

でも駅そばや駅弁を美味しいと思う感覚は私はもっともだと思いましたね。

まあオッサンの戯言ですよ、これ。

とても退屈なエッセイでした。

2010年7月15日 (木)

「日本人と味の素」郡司篤孝

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1978年に出版された本です。

かなり強烈に味の素を批判しておられます。

化学調味料という曖昧な表記ではなく(もちろんその言葉も使われています)、味の素という商品名と会社名を名指ししての猛攻撃。(笑)

化学調味料というのはそれこそあちこちで批判されていますが、やはりその批判をメジャー化させたのはマンガの「美味しんぼ」でしょうね。

おそらくその原作者もこの本はもちろん参考にされたことでしょう。

ただし「美味しんぼ」でもここまで露骨に商品名と会社名を名指しはしていないはず。

それは他の食品やメーカーについてもですが。

本書はかなり頭の痛くなるようなデータを並べて批判の根拠としておられます。

それは化学的(科学的)医学的に基づくものであり、ラーメンマニアが鬼の首取ったように化調スープの店を批判するのとはわけが違います。

ただ読んでいてちょっと強引な部分もあり、わざわざフィクションのストーリーまでこしらえることはないと思いますが。

例えば奇形児の写真なども載せておられるのですが、よく読むとそれは決して味の素が原因の奇形児とは断定していない。

「ここで奇形児の出生状況と、その写真を紹介しておくことも必要であろう。」とし、「まず日本人の死因を年齢別にみると次頁のとおりである(厚生省発表)。判断は皆さんにおまかせしたい。」として、次頁に年齢別による死因順位と割合の表を掲載しています。

そして奇形児の写真。

「判断は皆さんにおまかせしたい」とのことですが、どう判断しろと。(笑)

味の素がクロだという方向に誘導したいのはわかりますが、これではフライングだと言われてしまうでしょう。

誘導しなくとも化学調味料の有害性はじゅうぶん伝わります。

特に石油から作る合成法はどう考えても体にいいわけがない。
(昭和四十八年に廃止し、それ以降は醗酵法で製造とのこと)

そもそも化学調味料なんてこの世になくてもいいものなんですから。

そのはずが今や日本の加工食品には欠かせないものになってしまっているんですねぇ・・・・。

2010年6月29日 (火)

「板前修業」下田徹

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著者は「銀座しも田」のご主人です。

読者に紙上にて板前経験をしてもらおうという内容です。

河岸に行き魚の目利き、そして道具の選び方や包丁の使い方、料理のレシピなどが口語体で書かれています。

ちょっとダジャレが寒いですが・・・・。(笑)

ただ写真も図解もないので実用書としてはそれほど有効ではありません。

気軽に板前気分を味わうエッセイです。

2010年6月26日 (土)

「女ひとり寿司」湯山玲子

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タイトルの通り「女ひとりで寿司屋を食べ歩く」というのがコンセプトです。

しかも高級寿司屋。

女性というのはなかなか一人で外食するというのは勇気がいるらしく、ましてやそれが寿司屋となるとなおさらでしょう。

男性でも高級店となると気後れしますしね。

寿司屋というのはまだまだ男性中心の世界であり、女性は男性に連れて行ってもらう所というイメージがあります。

そこに女ひとり乗り込んでいくわけですね。

この企画のきっかけはまえがきにあるように、初めて女ひとりで寿司屋に行きとても気まずい雰囲気を味わったことだとか。

気の強い著者は鼻をあかしてやりたいとひとり寿司にのめり込んでいったのだそうです。

それではと女ひとり寿司を始めて最初に訪問したのが「銀座 久兵衛」。

老舗の高級店でありますが、意外とここではとても居心地のいい思いを味わったとか。

いい意味での肩透かしだったようで。(笑)

その他「あら輝」や「鮨 青木」、「すきやばし次郎」といった有名店が続々と出てきます。

しかしその内容なのですが、思ったほど「女ひとり寿司」になっていないなという印象です。

せっかくですから予約の段階から店を出るまで、徹底して「女ひとり」の視線と感覚に徹したレポートにしてほしかった。

文章からはわからない気苦労はもちろんたくさんおありだったでしょうが、読んでいて「別にこれ男ひとりのレポートでもたいして変わらないのでは」と思う部分も多数。

それでも女ひとりというフィルターは通してありますので、やはりそのニュアンスは滲み出ているのでしょうけど。

そして白けてしまったのがあとがき。

これによると連載として取材費で食べ歩いていたそうで・・・・。(笑)

それでは会社の経費で食べている男性となんらかわらないではないですか。

仕事として原稿料を貰い、飲食代は取材費として編集部負担。

それで「女ひとり寿司」なんて胸張られても・・・・。

親からの仕送りで一人暮らしをし、「わたしは自立している」というようなもの。

もちろんプライベートでも食べ歩いておられるそうですが。

コンセプトはいいと思うのですが、もうちょっとシビアに徹底してほしかったですね。

しかしこれはこれでとても面白い寿司食べ歩きエッセイだと思います。

2010年6月20日 (日)

「ビールうぐうぐ対談」東海林さだお・椎名誠

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名コンビ(?)がビールをうぐうぐ飲みながら語り合います。

銀座の一流料亭ではなぜ缶ビールではなく瓶ビールなのか。

缶はちっちゃくて軽い。

デザインが派手で軽薄。

ふたを開けるときのペシッという音が下品。

中身が見えない。

もし仲居さんが缶ビールを持ってきたらどうするか。

「わしゃ帰る」

「俺をなんと思ってる」

「こんなことは今までなかったことだ」

「俺たちだから、缶なのか」

その他イカとタコ、ハゲの恐怖、コスプレ、スッポンなど、好き放題語り合っておられます。(笑)

2010年6月11日 (金)

「素人庖丁記」嵐山光三郎

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なかなか痛快な食エッセイです。

著者の食に対する好奇心と貪欲さには舌を巻きます。

その背景には膨大な文献や知識があることが伺えます。

ただちょっとゲテモノに走りすぎている感もあるのですが。

例えば尺八や物干し竿を食べてみようという発想には決して食欲をそそられません。(笑)

そりゃタケノコと同じ竹ではありますが・・・・。

しかし決して食自慢になっていないところが嫌味なくていいんですよね。

むしろB級グルメの極みといえましょう。

コンニャクのさまざまな食べ方なんて安上がりで簡単にできそうですし、読んでいてやってみたい食べてみたいという気になりました。

2010年6月 2日 (水)

「匂い立つ美味」勝見洋一

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50種類の料理や食材を紹介しています。

見出しはすべてカラー写真付き。

ハードボイルドな文体で上手くエピソードを絡め、それぞれの料理を紹介しておられますね。

そしてやたら臭い(くさい)という言葉が出てきます。

しかしそれは否定的な意味ではありません。

この本において臭いは褒め言葉です。

タイトルが「匂い立つ美味」というくらいですから、料理の匂いというものに対して著者は非常にこだわりを持っておられるんでしょうね。

そして気になったのが著者は何者なのかということ。

もちろん勝見洋一氏の名前は知っていましたし、メディアにもよく露出しておられます。

肩書きは美術批評家であり音楽批評家。

二十四歳の年齢にしてパリや北京の大学でそれらの講座をしていたとか。

ミシュランの調査員もしておられたそうです。

作家の桐島洋子は元の奥さんですね。

文中のエピソードを読みますと川端康成とは子供の頃の友人だったといいますし、パリの「ラ・セール」では画家のダリが夫婦喧嘩しながらやってきて隣のテーブルで生牡蠣を食べていたとか、サンジェルマン・デ・プレの「ブラッスリー・リップ」で作家のボーボワールがホワイト・アスパラガスを食べていたとか紹介されています。

そのような肩書きやエピソードによる謎めいた雰囲気がこれまた硬質な文体から匂い立つのです。

2010年5月27日 (木)

「偏食アカデミー 嗚呼日本の胃袋よ!」日本経済新聞社[編]

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タイトルの「偏食」には「たべるこだわり」とルビがふられています。

話題の店がどうこうというような内容ではなく、いわゆるB級グルメな食文化を紹介した本です。

天ぷらにソースをかける地域を調べてみたり、缶コーヒーの歴史を調べてみたり。

いろんな食材で麻婆豆腐を作り、中華の鉄人陳健一氏と勝負するなんて企画もあります。

日経新聞に連載されていたというわりにはけっこう軽いノリです。

なかなか楽しめました。

2010年5月18日 (火)

「大衆食堂へ行こう」安西水丸

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著者はイラストレーターの安西水丸氏です。

タイトルからわかるように大衆食堂(すべて東京ですが)を食べ歩き、紹介しておられます。

いいですねぇ、大衆食堂。

私も大好きです。

手頃な値段でがっつりと実質本位に。

やはり昼めしはこういう店がいちばんいい。

すべて店の外観や食べた物のイラストが扉で紹介されているのですが、どうも氏のイラストではそれらの雰囲気が把握できません。(笑)

こういうのはもうちょっとリアリズムが欲しいといったら野暮ですかね。

文章の内容も3分の2ほどが著者の思い出やその土地の名称の由来など。

それはそれで面白く読めるのですが、やはり主旨からすればもうちょっと店や食べ物の紹介に特化してほしいところ。

いまいち消化不良でしっくりときませんでした。

2010年5月 9日 (日)

「そば屋 翁 僕は生涯そば打ちでいたい」高橋邦弘

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著者は元会社員。

脱サラをしてそば屋を始められ、東京南長崎で「翁」というそば屋を始められました。

これがそば好きのあいだでなかなかの人気店となるも、常連に悪いと思いつつ山梨県長坂へ移転。

それでも本物の店に客はついてくるんですね。

ここでも人気店となります。

しかしここも終了しまして、広島県豊平にまた移転。

名前も「達磨」と改められました。

ここで書かれているのは、やはりまず夢を追いかけるということ。

そばが好きで好きで、変な色気を出さず、ひたすら自分のそばと店を追い求めておられます。

そんな真摯な姿勢に客はついてくるんですね。

そして人との出会い。

決して著者一人の努力で今があるわけでなく、いろんな人との出会いの中でチャンスをもらい、支えられ、ずっとやってこられました。

店が繁盛するとやたら商売を拡げ職人ではなく経営者になる人も多いですが、著者はあくまで一職人です。

(もちろん経営者には違いありませんが)

営業中は必ず店に立つ。

そして自分でそばを打つ。

あちこちでそば教室などもなさいますが、あくまで店の定休日を利用して行う。

そばを愛する気持ちとそんなストイックさがひしひしと伝わってくる一冊です。

2010年4月30日 (金)

「星をつかむ料理人」吉野建 源孝志

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小田原の「ステラ・マリス」。

美食家のあいだでは話題の店でした。

本格的なフランス料理店といえば東京のような都会が当たり前という時代、小田原という土地で大成功を収めたのです。

しかし吉野シェフの目はパリに向きます。

パリでミシュランの星を取る。

源孝志というテレビプロデューサーの口述筆記により、その苦闘ぶりが描かれています。

私の記憶が確かならば、吉野シェフは日本人でいちばんミシュランの星に近かった料理人ではなかったでしょうか。

一ツ星確実と噂された2000年、源氏は吉野シェフが念願の星を手に入れる瞬間を記録しようと企画します。

そして吉野シェフの心の師であるジョエル・ロブション氏に感謝の気持ちを込めた料理を作るというものです。

しかし残念ながら星は付きませんでした。

当時、私はたまたまこの番組を観ました。

ウサギの料理を食べてロブション氏がコメントしておられたのを覚えています。

てっきり吉野シェフのスペシャリテ「リエーブル・ア・ラ・ロワイヤル」だと記憶していたのですが、「ウサギ肉とほうれん草のパイ包み焼き」という料理だったようですね。

ロブション氏はこの店に星が付かないのはおかしいというようなことをコメントしておられたように思います。

この本が出版されたのは2001年。

その後「ひらまつ」に先を越されたものの、2006年に松嶋シェフの「ケイズ・パッション」と共に一ツ星を獲得されたはずです。

どういう事情があったのかはわかりませんが、あまりにも遅すぎた評価ではないでしょうか。

2010年4月27日 (火)

「ヤクザが店にやってきた 暴力団と戦い続けた飲食店経営者の怒涛の日々」宮本照夫

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著者は川崎市で何軒もの飲食店を経営するオーナーです。

川崎市というのは「暴力団の街」、「危ない街」として通っていたそうです。

そんな街で飲食店を始めたものですから、やはりいろんなトラブルに巻き込まれます。

しかしオーナーの宮本氏の姿勢は毅然と一貫しておられるのです。

なにがなんでも「暴力団お断り」。

宮本氏は言います。

「額に汗して稼いだ金でうまい料理を楽しむ。そんなお客様のひとときを邪魔する権利は誰にもない。経営者は体を張ってお客様を守りたい。お客様に不愉快な思いをさせてはならない。世間から見れば小さな覚悟かもしれないが、飲食業を経営する限り、私が死ぬまで貫きたい「志」のひとつである」と。

なにが小さな覚悟でありましょう。

体を張ってそんなことできる人がどれだけいますか。

内容を読みましても、そのポリシーは徹底しておられます。

そしてそんな社長の背中を見る従業員たちもまた素晴らしいのです。

私たちは客として安心して楽しみたい。

それを体を張って守ってくださるオーナー。

しばらく前に某芸人がバーでぼったくられて暴力事件をおこしたことがありました。

まったく正反対ですね。

店がそっち側でどうする。

著者のような真っ当な経営者もいらっしゃるのです。

ぜひとも屈することなくがんばっていただきたいですね。

2010年4月22日 (木)

「焼肉の掟」松岡大悟+コリアンワークス

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焼肉についてのウンチクがめいっぱい語られています。

焼肉のルーツから始まりまして、ロースターについての説明や韓国の焼肉事情について、「松阪牛」のウラオモテなど。

そして焼肉についても正肉編、内臓編、豚肉&鶏肉編、ナマ肉編と芸が細かい。

キムチやクッパ、ビビンバなどのサイドメニューもしっかりフォローしておられます。

第2章の「焼肉を食べる!」では”アミ奉行”となるためのノウハウが書かれていますが、これは私はギャグとして読みましたが。(笑)

有名焼肉店の店主などもコメントを寄せておられますが、おっしゃることはごもっとも、しかしそんなウンチクがむやみに焼肉を難しいものにしておられるのではないか。

そんな気もします。

そりゃ肉を網全面に乗せて焦げ焦げにしてしまっている輩など私もどうかと思います。

焼きすぎよりもレアで食べたほうが旨いとは思いますが、でもそんなのは客の自由です。

思いっきり焼かなければだめという人もいましょう。

注文の順番にしてもいきなりカルビでもいいではないですか。

しかしまあ知っておいて損は無い内容だと思います。

あまりどっぷりとかぶれないほうがいいように思いますが。

ここに書かれてあることを振りかざすような人ってイタ過ぎですよ。(笑)

2010年4月19日 (月)

「寿司屋のかみさんお客さま控帳」佐川芳枝

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著者は東京中野区にある「名登利寿司」のおかみさん。

これはもう何冊目の著書になるのでしょうか。

いろんなお客さんとの出会いを書いておられますが、今回の目玉はやはりなんといっても橋本龍太郎総理大臣の来店でしょう。

きっかけは一枚の読者カード。

職業の欄に「内閣総理大臣」と書いてあったそうです。

もちろん最初は半信半疑。

お買い上げ書店名を見てその店に問い合わせてみると、間違いなく橋本総理が買われたとのこと。

おかみさんは丁寧な返事を書きました。

それから3ヵ月後。

橋本総理の事務所から予約の電話が入ります。

そこからのドタバタしたエピソードが面白い。

小さい店ですのでもちろん貸し切り。

2日前にはSPの視察。

前日にたまたま冷蔵庫の入れ替えがあったそうなのですが、それが終わった後きっちりSPから「さきほど工事をしてましたね」という電話が。

なんと見張られているんですね。(笑)

当日ももちろん前もっての店内チェック、店の周りには背広姿の警護員と物々しい雰囲気。

いよいよ時間となりますとトランシーバーを持った警護の人が「もうじき夫人がみえます」。

やがて総理の来る時間です。

「今、小滝橋を通過しました」

刻一刻と情報が入ってきます。

やがてパトカーに挟まれて黒塗りの車が登場。

SPが取り囲む中、橋本総理が車から降りてきます。

そして食事です。

橋本総理の気さくな人柄が紹介されています。

食事を終えた総理を見送りに外に出てみると、この町のどこにこれほどの人がいたのかというほどとんでもない人だかりだったとか。

そんな中、「みなさーん、ここのお寿司はおいしいですから、食べに来てあげて下さいっ」と総理。

微笑ましいですね。

退任後も来店されたようですが、さすがに現役時代の物々しさはなかったとか。

しかし街場の店が一国の首相を客に迎えるというのは大変なことなんですねぇ。

2010年4月14日 (水)

「よってこやの秘策 二十一世紀に飛躍するニュービジネスモデル」文野直樹

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中華の「王将」には「餃子の王将」と「大阪王将」があります。

やはり店舗数や知名度では前者でしょう。

この本の著者は後者の「大阪王将」の社長です。

「大阪王将」以外にも「シノワーズ厨花」や「よってこや」、その他FCとしても他社の店を経営しておられます。

この本はタイトルからもわかるように、「よってこや」というラーメン店について書かれたものです。

チェーン店でありながらも有名個人店のような味のレベルのラーメンを提供する。

そして店の外観や内装は各オーナーの好みを優先し、他社のFC店のように同地区に何軒も出店しない。

そのようなコンセプトでやっておられるようです。

この本が出たのは2001年。

自画自賛されているのかもしれませんが、かなり店が注目を浴びているような表現もあります。

私も一度だけ「よってこや」のラーメンを食べました。

その当時書いた私の感想です。

『屋台味ラーメンを食べました。(650円)

背脂多目の豚骨スープはややぬめっとした口当たり。

私にとってはちょっと塩気がきつい。

麺はやや縮れのある細麺。

トッピングはやわらかいチャーシュー2枚、メンマ、ねぎ、もやし。

昔懐かしい屋台のラーメンをということですが、いまいちピンときませんでした。

接客はいかにもチェーン店といった感じのマニュアル的なものではありますが、活気があり丁寧でした。』

私にとってはそれほどのラーメンではなかったようです。

味については好みがありますから、もちろんそれぞれの感想があるでしょう。

しかし「よってこや」というラーメン店、それほど話題となっていたでしょうか。

業界内でのことは知りませんけども。

他のラーメンチェーン店とはコンセプトが違うと主張されますが、たいがいの一般人からすればどこがどう違うのといったところ。

その前に名前さえ知らない人がほとんどだと思います。

ちなみに私が行った店はすぐになくなりました。

ちょっとまだ本を出すほどの段階ではなかったような気がしますが・・。

2010年4月 1日 (木)

「うまいもの・まずいもの」東海林さだお/尾辻克彦/奥本大三郎/安原顕【編】

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本のタイトルは「うまいもの・まずいもの」。

それを表題としまして、他に「食の博物誌」、「日本を広告する」の3章仕立てです。

しかしどれもこれも食べ物をネタにただウダウダと会話しているだけのような気がするのですが。(笑)

まあやはりこれは東海林さだお氏の名前でしょうねぇ。

他のお二人だけの対談ではほとんど売れないでしょう。(笑)

奥本氏の専門分野からの考察はなるほどと思わせられ、勉強になりました。

2010年3月25日 (木)

「戦国外食産業人物列伝」佐野眞一

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タイトルから察せられると思いますが、外食産業の創業者の立志伝といえます。

・養老乃滝 木下藤吉郎

・ロイヤル 江頭匡一

・すかいらーく 茅野亮

・小僧寿し 山木益次

・ロッテリア 重光武雄

・マクドナルド 藤田田

・吉野家 松田瑞穂

これらの人(企業)たちが紹介されているわけですが、どの企業もいまやこの国の外食産業において無視できない存在ですよね。

その企業の創業者たち。

もちろん二代目ボンボン社長なんていません。

さすがにどの人たちも強烈な個性を持っておられます。

一から会社を興してスタートする助走、軌道に乗せていく上昇。

そして水平飛行に達するまではどれほどの推進力がいることでしょうか。

それらをやってのけたのがこの人たちです。

もちろんかなりのワンマン経営だったりします。

しかしこの人以外にこの店を大きくできる人物がいたのか。

いません。

この人たちだからこそなんですね。

んでまあこの本は1980年の出版です。

現在からしますと亡くなった創業者もおられますが、それらの企業はもちろん健在です。

ですが、「吉野家」の例もあります。

「国内300店、アメリカ200店」を目標とした松田氏。

その1980年に「吉野家」は会社更生法の申請、1983年には経営権を手放しておられるんですね。

そして「マクドナルド」の藤田氏も急激に失速しました。

やはり時代でしょうか。

その時代だからこそ、その手腕が発揮できた。

しかし今の時代にその手腕はそぐわなかった・・。

景気も大きく左右することでしょう。

といっても簡単に時代の寵児という言葉で片付けられる人たちではありません。

偉大な人たちであります。

2010年3月22日 (月)

「ニッポン居酒屋放浪記 疾風篇」太田和彦

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全国の居酒屋を放浪するシリーズ第二弾。

各地のいい居酒屋に飛び込んでおられます。

しかし必ずしもすべてがいい店というわけではなく、やはり失敗も。

例えば水戸ではよく知られた納豆料理屋に行き、カウンターはガラガラにもかかわらず二階の小間に通され、料理がなかなか出てこない。

40分後にようやく納豆唐揚げ、普通の納豆が1時間10分後。

さすがにぶち切れてお勘定すると11,380円。

ま、こういうこともありますわな。(笑)

しかしこれはという店に当たったときはやはり至福のひとときのようですね。

いい酒、いい人、いい肴。

飲み屋だけではなくそれぞれの土地の文化にもちゃんと触れておられます。

2010年3月15日 (月)

「美味交友録」深田祐介

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著者は元日本航空勤務。

その後作家として直木賞も受賞しておられます。

サラリーマン時代はヨーロッパにも滞在しておられまして、海外の美味はよくご存知です。

そんな著者が今まで出会った人と食についてのエピソードを語っておられます。

食よりもむしろ人との話がメインですかね。

原題は「美食は人にあり」とのこと。

なるほど、食というのは誰とどのようなシチュエーションで食べたとか、料理人とのコミュニケーションから想いを感じ取ったりとか。

やはり人あっての食なんだなと思わされます。

2010年3月 8日 (月)

「ワンカップ大関の秘密 長寿商品を生んだサクセスストーリー」高瀬斉

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カップ酒。

いろんなメーカーからいろんな商品が出ていますが、元祖はこのワンカップ大関なんですね。

そしてワンカップというのは登録商標になっていますから、他社は使用できません。

消費者としてはどのカップ酒もついワンカップと呼んでしまったりしますけど。

それだけカップ酒といえばワンカップ大関というイメージが浸透しているということでしょう。

そんなベストセラー商品の誕生から紆余曲折を経て現在(といってもこれは平成6年の本ですが)に至るまでを、マンガとコラムで紹介しています。

当時としては青地に白抜きの横文字という斬新なラベル。

中身が漏れないキャップの開発。

自動販売機はビールよりもこちらのほうが先だったというのはちょっと意外です。

そして当時の人気タバコ「ハイライト」のパッケージへの広告。

お馴染み、ラベル裏のカラー写真。

田宮二郎と萩原健一をCMに起用、などなど。

いろいろと感心するエピソードが紹介されています。

ただマンガとしては絵に魅力が乏しく、ネームもイマイチではありますが・・。(笑)

2010年3月 4日 (木)

「男の基本料理 プロの技に学ぶ」渡辺文雄 山本益博

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著者は俳優の渡辺文雄氏と料理評論家の山本益博氏のお二人。

昭和62年の本なのでもう23年前ですか。

渡辺氏はすでに亡くなっておられますし、山本氏は今と比べると髪もふさふさとして(笑)ずいぶんお若い。

お二人でいろんなジャンルの有名店を巡り、その店の料理や写真入りでの調理のプロセスの紹介、コメントなど。

料理本とガイドブックとエッセイを兼ねたような本です。

食の経験と知識については評論家の山本氏よりも渡辺氏のほうが一枚上手な印象を受けました。

2010年2月28日 (日)

「肴のある旅 神戸居酒屋巡回記」中村よお

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タイトルは肴と書いて「あて」と読ませます。

関西では酒の肴のことをアテというんです。

私は大阪の人間ですので、肴やおつまみという言葉よりもやはりアテという言葉がいちばんしっくりきます。

この本はサブタイトルにもあるように神戸界隈の居酒屋を紹介した本です。

といっても単なるガイドブックの類ではありません。

神戸を地元とする著者が自分の人生と今までの飲み歩きを重ね合わせた思い入れたっぷりの店紹介本です。

阪神・淡路大震災ではこのあたりを中心に大変な目に遭われましたが、しかしそんなときでも困難な中で営業して人々に安らぎを与えておられた飲み屋、著者をはじめとして励まされた人たち。

そういったドラマも描かれています。

私は神戸方面の飲み屋にはまったく縁がありませんが、界隈を知る酒飲みにはたまらない本ではないでしょうか。

2010年2月25日 (木)

「昭和天皇のお食事」渡辺誠

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著者は元「宮内庁管理部大膳課厨司」。

えらい大層な肩書きですが、タイトルからもわかるように天皇陛下のお食事を作っておられたのですね。

昭和天皇、今上天皇、そして皇太子殿下と三代に渡ってお仕えされたそうです。

昭和天皇はどのようなお食事を召し上がっておられたのか。

なかなか興味あるところです。

皇室だからといって決して贅沢な食材ばかりではなく、さつまいもやら鯖の味噌煮やらといった庶民的なメニューもよく召し上がっておられたようです。

ただし料理にかける手間がめちゃくちゃに細かい。

骨はすべて抜き取るとか、食材をすべてきっちりと同じ大きさに切りそろえるとか、普通の店でやっていたらとんでもない手間がかかって相当な値段を取らなければ割に合いません。

ホテル出身の著者が大膳課に入った当初、まったく自分の技術が通用せず自信が消え失せてしまったとか。

そんな厨房内での内情やら、そしてやはり昭和天皇や皇太子殿下のお人柄を紹介したいろんなエピソードがいいですね。

著者は本当に天皇陛下、そして皇室を敬愛しておられたことがよく伺えます。

皇室の方々の微笑ましく心優しいお人柄のエピソードには私も親しみを感じました。

残念ながら著者の渡辺誠氏は2003年に55歳の若さで急逝しておられます。

2010年2月17日 (水)

「たべもの心得帖」川島四郎

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わかりやすく、面白く楽しく栄養学を解説してくださる川島四郎先生。

私はファンです。

といいましても、すでにお亡くなりになっておられるのですが。

私がこの先生を敬愛しますのは、まず机上の学問だけではないこと。

すべて自ら実践しておられるのですね。

そして91歳という長寿でそれを証明しておられるのです。

著書におきましては、科学(化学)的に持論を主張しておられます。

料理や食事というのはすべて化学の世界。

理論的に証明できるのですね。

だから説得力があります。

中でもやはり青野菜の摂取は先生いちばんの主張でしょう。

そしてやはり和食です。

パンよりも米、できれば麦飯がいい。

そして肉よりも魚。

モツ(ホルモン)は栄養学的にいえば肝臓だけでいいとか。

蒸しいもよりも石焼いものほうが旨いのだとか。

なぜか。

すべて本書でわかりやすく解説しておられます。

朝めし抜いても10分でも睡眠を取れ、そのかわり「チューインコンブ」で通勤電車内で朝めしせよ。

笑えますが理にかなったアイデアです。

現在においても、いや、だからこそ、もっともっとご活躍していただきたかった。

ご意見番としてずっと真っ当な食理論を啓蒙していただきたかった。

川島四郎氏の著作を読むともう一度食の根本を考え直す気になります。

2010年2月13日 (土)

「今朝子の晩ごはん 嵐の直木賞篇」松井今朝子

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シリーズ第二弾です。

2007年7月~2007年12月までのブログ日記が収められています。

やはり晩ごはんがどうこうよりも日常の出来事がメインではありますが。

サブタイトルにもありますように、この間に著者は「吉原手引草」で第137回直木賞を受賞しておられます。

受賞式の様子には他の日に比べてかなりページを割いておられますが、なかなかこういう様子を知ることはできないので興味深く読みました。

受賞後はものすごく慌しくなるようですね。

続編も刊行されているようなのでまた機会があれば購入したいと思います。

ブログでなら写真入でリアルタイムに読むことができますが、本で読むのもまた味わいが違うものです。

2010年2月 2日 (火)

「今朝子の晩ごはん」松井今朝子

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著者は直木賞作家。

ホームページの日記の文庫化です。

タイトルのように毎日の晩ごはんを記しておられる・・はずなのですが、晩ごはんに関しては見出しだけだったりします。(笑)

書かれていてもほんの数行。

(ホームページではしっかりと毎回写真を掲載しておられますが。)

むしろ日常のなんやかんやがほとんどです。

なのでどっぷりと食べる話に浸りたいと思って読むと肩透かしだと思います。

しかし食いしん坊としては、「QP(キューピー3分クッキング)で見た料理」、「東横のれん街でゲット」の定番フレーズ後に続く料理の紹介はやはり楽しく読めます。

そして私個人としてはやはり作家の日常を垣間見られるというのが楽しいですね。

(ちなみに実家は京都の料理屋「川上」とのこと)

これは2007年の1月から6月までの内容。

続編の「嵐の直木賞編」も購入済み。

楽しみに読ませていただきます。

2010年1月28日 (木)

「オレが唸ったラーメン一杯」ガチンコ親父 佐野実

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写真週刊誌「FRIDAY」に連載されていたものをまとめた本です。

佐野実氏が実際にアポなしで食べ歩き、評価しておられるとのこと。

その評価は超唸りから、特唸り、大唸り、中唸り、小唸りの5段階。

面白いのはその評価に対して「参った度」ということで店主のコメントがあること。

完璧に参ったという人もいればまったく参っていないという人もいますし、「他人の店をとやかく言う前に職人らしく、自分の店の仕事をしろ!」という反論も。(笑)

写真はやや接写しすぎの感はありますが美味しそうに撮れていますし、思わずラーメンを食べに行きたくなる一冊でした。

2010年1月25日 (月)

「タヌキの丸かじり」東海林さだお

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いつもながら絶好調なこのシリーズ。

今回も他人が見過ごすような些細なことに着眼され、問題提起し、深く掘り下げて分析しておられます。(笑)

アンコは「こし」か「つぶ」か。

1分30円の時間式バイキングでは10秒の迷いに5円の損失を気にかけたり。

カマボコの厚さは約8ミリが万人を納得させる厚さであると看破されます。

ラーメンにおいて麺やスープやチャーシューについては厳しく論評されているが、メンマは無視されていると憤慨されたり。

塩むすびの塩はごはんに混ぜ込んでは美味しくなく、ひとくち食べたときの表面のしょっぱさとすぐその下の味の付いていない部分が混ざり合ってちょうどよくなると。

ショージ氏はいいます。

「このときの"味の時間差"がおいしい」と。

「塩味→ゴハンの味」の「→」のところを味わうのが塩むすびの楽しさであると。

恐れ入りました。(笑)

2010年1月21日 (木)

「奇食珍食」小泉武夫

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タイトルの通り、世界中のいろんな変わった食べ物を紹介しています。

いきなり虫から始まり、続いて爬虫類と両生類。

軟体動物・腔腸動物と続きます。

灰や、奇酒・珍酒まで網羅。

さすが「味覚人飛行物体」小泉武夫センセイであります。(笑)

しかしあんなの食べたこんなの食べたというゲテモノ自慢ではなく、実際にいろんな土地に昔からある食文化の紹介です。

興味深く読ませていただきました。

2010年1月16日 (土)

「しょうゆ 世界への旅」大塚滋

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いまや世界的な調味料となったしょうゆ。

そんなしょうゆの歴史や、どのように世界(この本の中では主にアメリカですが)に広まっていったか、筆者のアメリカ在住経験も含めて紹介しておられます。

日本食ブームのせいもあって、今やアメリカのスーパーではどこでも定番でキッコーマンが置いてあるそうです。

やはりしょうゆの美味しさというのは外国人にもよくわかるようですね。

ただ日本人と同じ感覚で使いこなしているかといえばまだまだ疑問ですが。

しょうゆをヘルシーだといい、例えばにぎり寿司にシャリがくずれるほどたっぷりとつけて食べたり。

私も一度回転寿司店で西洋人と隣り合わせたことがありますが、しょうゆまみれにして寿司を食べておられました。

しょうゆの小皿にはくずれたごはんつぶが・・。

日本人からしたら辛くて食べられたものではないはずですが。

そんな食べ方してたらあきらかに塩分過剰摂取です。

でも彼らからすれば、ソースはたっぷり料理に絡めるものだという感覚があるんでしょうね。

私にとって心当たりのある、そんな類のエピソードもこの本では紹介されていました。

ライスにトッピング(しょうゆかけごはんですね)して食べるのも定番のようです。

それも日本人からすればちょっと違いますよね。(笑)

しかし料理の調味料としてよし、食卓のソースとしてよし、万能なしょうゆの魅力は世界共通のようです。

2010年1月 6日 (水)

「調理場という戦場 「コート・ドール」斉須政雄の仕事論」斉須政雄

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著者は東京港区三田のフランス料理店「コート・ドール」のオーナーシェフ。

ベルナール・パコー氏とパリ4区に「ランブロワジー」を立ち上げ、2ツ星を獲得したのは有名な話です。(現在は3ツ星)

もちろんそのエピソードも紹介されています。

フランスに渡り、一店目から六店目での修行がそれぞれの章となっています。

「カンカングローニュ」、「タンプリエ」、「ヴィヴァロア」、「タイユバン」、「ジェラール・パンゴー」、「ランブロワジー」。

ご自分の経験や苦労話を語りつつ、若い人たちへのアドバイスをなさっているといった構成でしょうか。

料理人はもちろんのこと、違うジャンルの人にも当てはまる部分はあるかと思います。

以前に出された「十皿の料理」という本の後半とダブった内容ではありますが、より詳しく書かれています。

2010年1月 2日 (土)

「食は楽し 人気作家10人放談」聞き手 石渡満男

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作家への食についてのインタビューです。

登場するのは藤本義一、野坂昭如、戸川昌子、加堂秀三、半村良、川上宗薫、小中陽太郎、眉村卓、田辺聖子、早乙女貢。

錚々たる顔ぶれですね。

ほとんどの方が戦中戦後の食べ物がない時代を経験しておられます。

とりあえずはお腹が膨れれば、というのは皆さん前提なのですが、それでもやはりこだわりはお持ちのようです。

しかし食通といわれるような人たちにはやや冷たい視線を送っておられるようで。

まあ考えてみれば食べることにああだこうだなんてかっこいいこととはいえません。

それはともかく、内容としましてはタイトルのわりにはそんなに食べることには突っ込んでインタビューしていません。

「美味しい話」を期待して読むとちょっと肩透かしをくらうかもしれませんね。

2009年12月25日 (金)

「ひかない魚」語り手:新津武昭 取材・構成:伊達宮豊

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2000年に閉店して伝説の鮨屋的存在となった銀座の「きよ田」。

そのご主人であった新津武昭氏が語り手です。

鮨屋のご主人のインタビュー本ということで寿司がどうの旬のネタがどうのという内容かと思ったのですが、むしろ店に集まるいろんな人たちとの思い出話というかエピソード紹介のような内容です。

しかしまあいろんな著名人が集まる店だったようですね。

作家の辻邦生や小林秀雄、白州次郎・正子夫妻、永井達男、井上靖・・大御所の名前がごろごろ出てきます。

文壇関係が特に多かったようです。

ですので文学好きな人もじゅうぶん楽しめる内容かと思います。

しかし筆者の文章がそう思わせるのか、私はちょっとこの新津武昭氏という人は好きになれないですねぇ。

2009年12月19日 (土)

「ラーメン王国の歩き方」武内伸

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新横浜ラーメン博物館の広報や日本ラーメン協会の副理事長をしておられた、武内伸氏のラーメンガイド本です。

北海道から九州までのご当地ラーメンを紹介しておられるのですが、ただの店紹介だけではなく、それぞれの土地のラーメン文化もしっかりと解説しておられます。

その土地でのラーメン発祥のルーツや進化、現状など。

巻頭にはカラー写真が掲載されていますし、本文中にも白黒ですが写真が添えられています。

氏のラーメンに対しての愛着も感じられ、なかなか楽しく読めました。

2009年12月11日 (金)

「韓国を食べる」黒田勝弘

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タイトルどおり韓国の食について書かれた本です。

といってもガイドブックの類ではありません。

著者は韓国在住20年以上の新聞記者ですが、その目で食を通じで韓国の国民性や文化をするどく面白く紹介しておられます。

「韓国人は耳で食べる」。

彼らはめし粒まで飛ばしながら大いに賑やかに食事するのだとか。

そして激辛料理を食べては「シウォナダ!(涼しい!)」と叫ぶなど、賑やかで激しい国民性が伺えます。

食の根本にやたら「精力信仰」があるというのもおかしいといいますか微笑ましいといいますか。

韓国に愛着が湧くこと請け合いな一冊です。

2009年12月 6日 (日)

「食を創造した男たち」島野盛郎

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ケチャップ、カルピス、ウイスキー、マヨネーズ、カレー粉。

今や日本の家庭で定番となっている商品ですよね。

そんな商品を開発した人たちの物語です。

ケチャップ→「カゴメ」蟹江一太郎。

カルピス→「カルピス食品工業」三島海雲。

ウイスキー→「サントリー」鳥井信治郎。

マヨネーズ→「キューピー」中島董一郎。

カレー粉→「ヱスビー食品」山崎峯次郎。

偉大な人たちの苦労と成功の物語です。

今ではごく当たり前に我々が利用しているこれらの商品、当然いきなり国民に受け入れられたわけではありません。

まず国民に認知してもらわないとだめですし、流通の問題もあります。

今と違って大正や昭和初期といった時代。

先人のご苦労はいかほどのことかと思います。

しかしそんな時代の中でもさすがにやる人はやるのですね。

だから偉人なのですが。

逸話を読みますと、やはりさすがにと感心することしきりでした。

2009年11月29日 (日)

「風の食いもの」池部良

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俳優、池部良。

エッセイストとしても活躍しておられ、これは食エッセイです。

内容は主に軍隊時代の話。

なかなかこういう食経験を知る機会はなく、当事者としては悲惨な体験だったでしょうが興味深く読めました。

軍隊内での悲惨な食事、フィリピンの小島での蚯蚓やヤドカリまで食べた経験など。

戦後俳優に復帰してから映画プロデューサーに中国に招かれ、目の前で猿の頭を叩き割り脳味噌を供された話も壮絶。

しかしこの人の文章、どうも嫌味が感じられて好きになれないんですよねぇ。(笑)

2009年11月22日 (日)

「んまんま あの味、あの頃、あのひとびと」犬丸りん

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「おじゃる丸」でお馴染みの漫画家、犬丸りん氏。

そんな著者の思い出を絡ませた食エッセイです。

小学生時代の給食や初めての回転寿司、飲食店でのアルバイトなど。

こういうのを読んでいると、みんな色気より食い気なんだなぁと微笑ましい気分になります。

巻末には少しのページですが大阪の新世界訪問がマンガで紹介されていたり、大阪人の私としては嬉しい気分です。

中身の文字が青と茶色の印刷というのはちょっと読みづらかったですね。

普通に黒でいいと思うのですが。

2009年11月16日 (月)

「田中康夫が訊く どう食べるか どう楽しむか」田中康夫

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「いまどき真っ当な料理店」で辛口な飲食店評論を展開したことからもわかるように、食べることについては一家言お持ちの田中康夫氏。

そんな田中氏の著作ですが、これは評論ではなく各ジャンルの飲食店に教えを請うという内容です。

サブタイトルにもあるように「どう食べるか、どう楽しむか」。

例えば「一流の寿司屋のカウンターで粋に美味しく食べるにはどうするか」(銀座・寿司幸本店)

「おでんは何から食べれば美味しいか、どう食べるのが粋なのか」(浅草・大多福)

「フランス料理の美味しい季節、何を注文するのが賢いのか」(銀座・オストラル)

「地方色を知った上での中国料理、どこまで注文上手になれるか」(六本木・御膳房)

「日本旅館をホテルと同じように使いこなすにはどうしたらいいのか」(京都・俵屋旅館)

などなど。

田中氏が初心者的な質問をし、店側がそれに答えるという形式。

なるほどいろいろと勉強になりますが、やや茶番劇的な印象がなきにしもあらず。

掲載誌がスノッブな「BRIO」ですからね。

ま、勉強したところで私に縁のない店であるのは確かです。(笑)

読み物としては楽しめました。

2009年11月13日 (金)

「食べるたびに、哀しくって・・・」林真理子

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子供の頃から青春期、そして大人になり作家になってからの食べ物にまつわる話を綴っておられます。

やはり人一倍食べ物については執着心がおありだったようで。(笑)

もちろんただ食べることだけではなくそれに絡むエピソードも書いておられるわけですが、他人に対する妬みや意地の悪さなどをしっかりと披露しているあたりこの作者の面目躍如といったところでしょうか。

なかなかこういうことを赤裸々には書けないものです。

こういうのが底辺にあるのが林真理子という人なわけですが、実は正直でいい人なのかなと思ったりして。(笑)

2009年11月 7日 (土)

「空腹の王子」山口文憲

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著者は独り者ということでもっぱら食事は外食。

ファミリーレストランが大好きだそうです。

ですから内容的には有名店がどうとか高価な食材がなんたらという内容ではありません。

いわゆるB級グルメですが、しかしなんやかんやといろんな料理をご存知でよく食べ込んでいらっしゃる。

あの邱永漢氏の食事会に招かれたこともあるそうですし、玉村豊男氏の手料理を食べ、山本益博氏とテレビに出たこともあり、「美味しんぼ」の雁屋哲氏とも対談しながら死ぬほど上海ガニを食べさせてもらったこともあるとか。

私はぜんぜんこの著者のお名前を存じ上げていなかったのですが、テレビのレポーターのお仕事なんかもされていたようですね。

タイトルの「空腹の王子」の意味は冒頭の第一章に記されています。

2009年10月24日 (土)

「鮨に生きる男たち」早瀬圭一

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十七軒の鮨屋を紹介しています。

登場する店は「鮨 水谷」、「神保町鶴八」、「鮨 青木」、「あら輝」、「すきやばし次郎」など。

店を評価するような内容ではなく、タイトルからわかるように鮨職人を紹介した本です。

修行時代や店を持つまでのいきさつ、著者と店との出会い、そして現在に至るまでの歴史。

ガイドブックではありませんので、それぞれの店の鮨そのものには深く触れてはいません。

どれも私には縁のない店ではありますが、なかなか味わい深く読めました。

2009年10月19日 (月)

「アル中地獄(クライシス)」邦山照彦

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アルコール中毒症、略してアル中。

現在はアルコール依存症と呼ばれていますが。

アルコール依存症について書かれた本は多数ありますが、ほとんどが専門家や家族の立場から書かれたもので、患者の立場から書かれたものは皆無に等しいのだとか。

この著者はアル中による精神病院入退院回数36回という筋金入り(笑)の元アル中患者です。

この本では「アルコール依存症」ではなく、敢えて「アル中」という言葉を使っておられます。

患者自らがそのように呼んでおり、「依存」という相対性よりも「中毒」という合一性のほうが症状にぴったりするからとのこと。

本書の内容はさすがに自らの体験によるだけに凄まじい。

幻覚、幻聴、幻臭、幻触。

幻味以外はすべてに襲われたとのこと。

病室にて強烈な原色の世界に引きずり込まれ、激しい頭痛を覚え倒れた瞬間、頭蓋骨が砕け散り脳細胞が床一面に散乱。

悲鳴を上げながら夢中になって破片を拾い集めます。

その奇行をかたずを飲んで見守る他の患者たち。

脳細胞が飛び散ったので向こうの隅からほうきで掃いてきてくれと他の患者に頼む著者。

よし分かった、と協力してくれる患者。

しかしどうしてもあと一つが足りない。

泣きながら這いずり回り絶望していたそのとき、「トイレの前に落ちとるぞ」の言葉。

慌てて拾いにいって当てはめたものの、ベッドに戻るとまた脳みそが飛び散り・・そのまま失神。

しかしそんな禁断症状による幻覚を通り過ぎるとまったく正常な状態に戻るのだそう。

翌朝、「邦山さん、ゆうべは迫力あったぜ」「超Aクラスの禁断症状やな」「三時間くらいやってござったでな」

他の患者のお言葉です。

二十数名の人たちが著者の禁断症状に合わせてくださっていたのです。

著者は皆のことを「同志」と呼びます。

同病相哀れむ心優しき戦士たちと。

まったくすごい世界であります。

私も朝っぱらから酒を飲んでいる人間でして、まったく他人事ではないですね。

わかっちゃいるけど止められないでありますが、ぜひともこれは酒飲みを自認する人たちに読んでいただきたいです。

2009年10月16日 (金)

「森羅万食たべものがたり」玉村豊男

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いろんな食材について書かれた食エッセイ。

取り上げられている食材の数は89種にも及びます。

野菜、果物、肉、魚。

それらの由来や調理法、作者とかかわったエピソードなど。

それぞれの項目は3ページずつですので、酒でも飲みながらぼちぼち読むのにちょうどいい本でした。(笑)

2009年10月 6日 (火)

「まずは、上座へ 味好し 人好し 話好し」樋口廣太郎

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アサヒビールの会長、樋口廣太郎氏の対談集。

第一部は「ロングインタビュー 西の味 東の味」ということで、食について語っておられます。

ページにして30ページほど。

メインは第二部「味な対談 人好し 味好し」です。

各界の著名人を招いて、食事しながらの対談。

場所は「吉兆」のようですね。

ゲストはコシノジュンコ(デザイナー)、中村紘子(ピアニスト)、三枝成彰(作曲家)、米長邦雄(将棋九段・永世棋聖)、佐高信(評論家)、宮内義彦(オリックス社長)、林真理子(作家)、日枝久(フジテレビジョン社長)、安藤忠雄(建築家)、鷲尾悦也(連合事務局長)、岩下志麻(女優)。

錚々たる顔ぶれです。

各氏とも日頃からお付き合いがあるようで、著者の幅広い交友関係が伺われます。

「味の手帖」という食の雑誌に連載されていましたのでもちろん食についての話題も交わされているのですが、それべったりというわけではなくむしろその他の話題のほうが多い。

もちろんこれだけの顔ぶれを相手に食の話題ばかりではもったいない。(笑)

それぞれのゲストが属しておられるジャンルの話、そして芸術に関しての話題が多かったように思います。

しかし樋口廣太郎氏、面白いオッサンですねぇ。(笑)

ずけずけとものを言う歯切れのよさ。

社長時代は客からのクレームに対して自ら電話対応したり、わざわざ出向いて行ったり。

「そういうの大好き」とまで言っておられます。

いやはや、さすが大物は違います。

ゲストとのやり取りを読みましても相当人を惹きつける魅力のある人物のようで、この本でもそれがじゅうぶんに伝わりますね。

いやあ、面白かった。

2009年10月 2日 (金)

「舌つづみ各駅停車 こんなところにこんな味」渡辺文雄

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食通として知られた俳優の渡辺文雄のエッセイです。

つねにあちこちを旅しておられたようで、その先々での食べ物との出会いを楽しく書いておられます。

もちろんどれも都会にいては口にできないような、その土地ならではの物ばかり。

それは鮮度のせいもありますし、ローカル色の強い素材のせいであったりします。

あの有名店で食べた、何百軒何千軒食べ歩いたといったような俗物的な内容ではなく、その土地の食文化に直接触れるこういう食べ歩きこそが贅沢であり食を楽しみ愛することなんだなと感じますね。

そして決して食べることだけではなく、その土地の人との出会いや心のふれあいも大切にしておられます。

著者のように全国を旅するわけにはいきませんので、この本を読んで気分だけでも舌つづみを打ちました。(笑)

2009年9月27日 (日)

「右手に庖丁、左手に醤油」小山裕久

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著者は徳島の「青柳」主人です。

東京にも店を出され、マスコミにもよく出ておられますね。

何冊か著書を出しておられますが、ここでは海外に訪問したときのエピソードや、料理についての技術論・持論が書かれています。

フランスで日本料理の講習会を開いたことなど、日本でもけっこう話題になりました。

「右手に包丁、左手に醤油」のタイトルはここから来ているのですね。

向こうでは水の違いにも苦労されたとか。

やはり日本料理に使う水は軟水でないとだめなようで、海外ではボルヴィックを使われるのだとか。

イギリスでは水道水に一晩小豆を浸けておいてもなんの変化も起こらなかったという失敗談もあったようです。

ちなみに豆腐をヴィッテル(硬水)に2時間ほど浸けておくと、状態が変わってめちゃくちゃ美味しくなると書かれています。

どんなものかちょっと試してみたいですね。(笑)

2009年9月20日 (日)

「食べるな、危険!」日本子孫基金

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現在の食糧事情。

いかに危険かというのはずっと問題視されていますよね。

農薬や添加物がその原因です。

しかし現実の生活においてなかなか細かいところまで気を使わず、安売りに惹かれて内容も確かめずついそこらのスーパーで売っているのをポイとかごに・・なんてありますよね。

もちろん農薬まみれの野菜や添加物だらけの食品なんて好き好んで選ぶはずはありませんが、結果的にそういう物を掴まされたというのは現実にあります。

特に最近の中国産はまったく信用置けません。

この本ではあらゆる食材、食品を検証し、徹底的に警告しておられます。

読んでみましたら、まあ我々が口にしているほとんどの食品が問題アリとなります。

これはもうここでひとつひとつ例に出す余裕がありません。

かといってすべてが悪いと切って捨てるわけではなく、ちゃんと逃げ道も用意してくださっています。

いや、逃げ道なんて書くとだめですね。

それこそが真っ当な食品なのですから。

我々消費者が真っ当な食品を求めることにより、スーパーなどもそういう品を置くようになる。

そうなるともちろんそのような取り組みをしている生産者の力になり、新たな生産者も増えることでしょう。

無理をしない範囲で、できるだけ真っ当な食品を選びたいものです。

嫌味なくそんな気持ちにさせられる本でした。

2009年9月18日 (金)

「ケーキの丸かじり」東海林さだお

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ご存知、東海林さだおの丸かじりシリーズ。

何冊目になるのかわかりませんけども。

表題作といえる「クリスマスケーキ丸かじり」では、ケーキを独り占めして食べようというもの。

メロンとかスイカとか、いちど1人で丸ごと1個食べてみたいという願望がありますよね。

それをクリスマスケーキでやってみようと。

しかし1人用では意味がない。

4~5人分のサイズのを買ってきて、クリスマスイブに大人の男が1人でケーキを食べる図・・。

虚しすぎます。(笑)

それを自虐的に、しかし冷静に実行し、レポートするのがこの丸かじりシリーズの真骨頂。

その他、「えびせん大実験」ではかっぱえびせんは何本口に入れることができるのか。

「雪の味」では積もった雪を皿に盛り、かき氷用のシロップをかけて食べてみる。

「ギョーザ、シューマイ回転す」では、回転飲茶の店ができたと聞いてすぐさま出動される。

その他すべてにおいて圧巻であります。

このすさまじいバイタリティには脱帽です。

そしてその内容を鋭く分析する視線、エンターテイメントに表現する文章はまさしく東海林さだおの独壇場。

え?

直木賞候補にはなっていない?

そうですか、そらそうでしょうね。(笑)

もちろん小説ではありませんから当然ですが、そんなのいりません。

(本人でもないのに勝手に書いてます)

ちなみに講談社エッセイ賞、菊池寛賞、紫綬褒章、その他漫画家としても多数受賞しておられることは付記しておきます。

2009年9月16日 (水)

「レストラン王になろう 人を驚かせる職人たち」中谷彰宏

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レストランをハード面とソフト面に分けるとすれば、店の外観や内装、そして料理や食器もハードになるかと思います。

ではソフトはなにかといいますとやはりサービスですね。

この本はレストランにおいてそんなソフト面の達人たちを取材した本です。

経営者もいればメートルドテル、ソムリエも登場します。

有名なところでは片岡護(アルポルト)、石鍋裕(クイーンアリス)、服部幸應(服部栄養専門学校)といった人たち。

各氏がご自分の経験と哲学を語っておられます。

経営者ならば店の経営はもちろん人材の育成、サービスマンなら当然接客など。

レストランを扱っているということでグルメ本に区分けしましたが、ジャンルとしてはビジネスや自己啓発といったところでしょう。

飲食店に身を置く人に限らず、どの業界の人にも参考になる部分があるかと思います。

著者のナルシズムな文章がやや鼻に付くところではありますが。(笑)

そして表紙の写真はどうにかなりませんかねぇ・・。

2009年9月10日 (木)

「色街を呑む! 日本列島レトロ紀行」勝谷誠彦

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タイトル通り全国各地にある色街で酒を飲もうという内容です。

やはり昔から酒と女というのは男にとって切り離せないもので、そういう街には必ず飲み屋があります。

そしてただ飲むだけを目的とさせる店ではなく、女との仲を取り持つのがもうひとつの仕事だったりもするのですね。

こういう街の飲み屋を探索するのもなかなか面白く、そして勇気のいることだと思います。

大阪では飛田新地が紹介されていますが、同じような造りの店が並び、夜になれば妖艶にライトアップされた中に浮かぶ姫の姿。

(これがまた若くてかわいい)

その横には呼び込みのオバハン。(笑)

幻想的な世界です。

他の街はどうか知りませんけども。

本の内容ですが、飲み屋を紹介したいのか性風俗を紹介したいのか、どっちつかずの中途半端に終わっている気がします。

読んでいる限り著者自身は女は買わず連れの編集者が突撃したりしているようですが、いくのなら著者自身とことんいかんかい、と思います。

飲み屋のレポートならそれはそれでもっと飲み屋としての内容に深く突っ込んでほしかった。

読んでいてもどかしさがありました。

まあ実際こういう類の店ではいろいろとありますから、やはりこの程度が無難なのかもしれません。

他にはない切り口だとは思いますが。

2009年9月 7日 (月)

「ラーメンを味わいつくす」佐々木晶

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著者は「TVチャンピオン 第7回ラーメン王選手権」の優勝者です。

まえがきに書いておられるのですが、「史上最弱のラーメン王」と自称しておられます。

もちろん謙遜を含んでおられるのでしょうが、そうやって意識して読んでみるとあまり派手なパフォーマンスはお好きでないような印象を受けます。

本の内容ですが、面白いのが第一章で同じ店に何度も通う楽しみ、ラーメン屋で飲む楽しみを書いておられるんですね。

何百軒何千軒の店に行ったという軒数自慢のラーメンマニアも多い中、意外と同じ店に何度も通いましょうと提案する人っていないんですよね。

ましてやラーメン屋で飲みましょうなんて書いている人は私は初めて見ました。

第二章ではラーメンの歴史やジャンルといったようなちょっとした基礎知識。

第三章ではインターネットの普及により、ラーメンがどのように取り上げられてきたか。

そして第四章では著者がいろんな地方で出会ったラーメン屋とのエピソードを書いておられます。

最後に著者のお薦めリストとして全国350店のラーメン屋の紹介。

これがボリュームにしてこの本の約3分の1ほどになりますか。

そのような店があるのかという興味はありますが、みんながみんな全国をラーメン食べ歩きするわけもなく、その地方に行く機会がある人ならば参考になるかもしれません。

でもラーメン屋って最近はやたら新店がオープンしてますが、そのぶん閉店も多いです。

この本は2002年の発行。

大阪のリストでも何軒かすでに閉店している店があります。

2009年8月28日 (金)

「落合シェフの美味しすぎるイタリア料理」落合務

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著者は銀座のイタリア料理店「ラ・ベットラ」のオーナーシェフです。

テレビにもよく出ておられますね。

本の内容は主に食材や料理の紹介です。

それをアルファベット順に紹介しておられます。

「A」ならアルデンテやアンティパスト、「B」ならバーニャ・カウダ、バジリコという具合に。

といってもレシピ本というわけでもなく、それぞれの食材や料理にまつわる、ご自身のイタリアでの修行時代のことなどを絡めて書かれています。

何ページかカラー写真も掲載してあり、親しみやすく読みやすい本でした。

2009年8月16日 (日)

「もっとカルシウム もっと青野菜」川島四郎

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いつもながら面白く栄養学を学べる内容となっています。

最近の子供は体格は良くなったものの、骨が弱くなっていると指摘されています。

事実、子供の骨折率は年々上がっていっているというデータがあります。

もちろん大きな原因はカルシウム不足。

そしてカルシウムは骨だけでなく精神的にも大きな影響を与えるのですね。

精神が不安定になり、昔に比べ「キレる」子供が増えたのもカルシウムの不足に原因があると。

カルシウムを多く含む食品といえば魚介類や青野菜。

それらの摂取量が足りないといいます。

そしてインスタント食品や清涼飲料水の過剰な摂取。

これらに多く含まれるリン酸塩がカルシウムを欠乏させるとのこと。

著者は浅間山荘の事件などを例に挙げます。

彼らの異常な凶暴性の原因は数ヶ月間に及ぶ山での食生活にあり、その間彼らが食べていたものといえばパンやインスタントラーメン、缶詰など。

カルシウムの多い青野菜や生鮮品などはまったく口にしていなかったそうです。

そんな食生活をしていれば、あのような凶暴化は当然であると。

その他いろいろなエピソードを例に挙げ、欧米化した食生活よりも昔ながらの日本食を見直そうという主張には説得力を感じます。

2009年8月13日 (木)

「食の堕落と日本人」小泉武夫

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「食生活が乱れるとその人の体調が崩れるのと同じく、国民の食の周辺が乱れてくるとその国の社会も崩れてくる。早い話が今の日本だ」

もう冒頭のこの言葉がすでにこの本の主旨、そして著者の憤慨ぶりを如実に表していますね。

いや、まったくその通りだとこの本を読んで思いました。

その堕落ぶりをここで紹介するよりもぜひこの本を読んでいただきたいのですが、いくつか例を挙げますと食糧の自給率。

アメリカ、カナダ、フランスなど、軒並み余裕で100%を超えているとのこと。

ところが日本はなんと60%を外国に依存しているというのです。

つまり自給率40%ですよね。

昔は米の国、魚の国、日本であったはず。

それがいまや・・。

あまりにも情けないエピソードも紹介しておられます。

著者がある町の酒造組合の依頼で、日本酒業界活性化のための講演に出かけたとのこと。

講演が終わり、さてパーティーとなったのですが。

「日本酒のますますの発展のために乾杯!」

乾杯に使われた酒がなんとビールだったそうです。

救いようがない堕落だと著者は嘆きます。

そしてやはり著者は農業の復活を強調されます。

ですよねえ。

なんでもかんでも欧米化され、それはそれで便利に合理的にはなりましたが、日本人として失ったもののほうが大きいのでは。

いまさら洋服を和服にとはいいませんが、せめて食べ物は和食を重要視したいですね。

2009年8月10日 (月)

「寿司屋のかみさん、エッセイストになる」佐川芳枝

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寿司屋のかみさんシリーズです。

今回はタイトルから察せられるように、本を出すまでのいきさつやその後の苦労などが書かれています。

といってもやはり寿司屋のかみさんという立場あっての著者。

やや今までの著作よりは食エッセイとしての趣は薄いですが、店でのエピソードなどもしっかり紹介されています。

自分の店を切り盛りしながら本も書く。

なかなか大変なことだと思います。

睡眠時間3~4時間なんて書いておられましたね。

しかしそんな苦労もお客さんや読者の喜び励ましの声に吹き飛んでしまうということでしょうか。

2009年8月 4日 (火)

「魚柄の料理帖 人生、楽しく食べること」魚柄仁之助

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いかに今あるもので安上がりに美味しく料理を作るか。

そんなコツを紹介しておられるのがこの本です。

来客があってもわざわざ高級な素材を買ってきてなんてとんでもない。

買ってくるにしてもグラム○十円のトンコマやすじ肉など。

これをいかに美味しく料理するかなんですね。

そして食材は決して無駄にしない。

この本を読んで「そうそう」なんて共感できる人はそこそこの世代の人かも。

自分で貧乏な自炊生活をした人もいるでしょうし、決して裕福とはいえない我が家の台所から母親が美味しい料理を食卓に出してくれた記憶もありましょう。

副題に「人生、楽しく食べること」とあります。

そうなんですよね。

安い素材でも工夫して料理し、みんなで食べれば美味しいのです。

これを参考に私もいろいろと安上がりのおかずを作ってみたいと思います。

2009年8月 2日 (日)

「鳴門のちゅるちゅるうどん探訪記 鳴ちゅる」中野晃治

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四国でうどんといえば讃岐うどんが有名ですが、徳島にはそれよりもディープでローカルな鳴門うどんというのがあるそうです。

讃岐うどんといえばコシのある麺が特徴。

この鳴門うどんは細く柔らかく、麺の太さが不揃いなんだそうです。

汁は黄金色で二日酔いにも優しい。

かけうどんでも具はねぎと刻みあげが定番とのこと。

讃岐のように麺が全面的に主張しているわけでなく、それら汁と具と麺が三位一体になっているとか。

それをちゅるちゅる~とすするところから筆者は「鳴ちゅる」と名づけました。

そんな鳴ちゅるにどっぷりとはまり込んだ筆者の探訪記です。

大阪で生まれ育った私としては、讃岐よりもこちらのほうが好みかもしれません。

(鳴ちゅるは食べたことないですけど)

いっとき讃岐のコシのある麺にカルチャーショックを受けたものの、でもちょっと麺の主張がくどいかなとか思い始めてきたもので。

やはり麺と汁がバランスよくまとまっていませんとね。

ああ、一度鳴ちゅるを食べてみたい。(笑)

2009年7月27日 (月)

「洋食考 食べものダンディ学」山本嘉次郎

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食通としても知られた映画監督の山本嘉次郎の食エッセイ。

タイトルは「洋食考」となっていますが、丸々一冊洋食についての考察ではありません。

表題は5章からなる内容の第4章です。

昔の洋食は匂いが違った、と著者はいいます。

それはやはり現在(といっても昭和45年の発行ですが)の材料の質が落ちたせいであろうと。

この当時においてさえ昔に比べたら質が落ちたと。

じゃあ今はどうなるのかと。

一概に落ちたとばかりはいえないと思いますけども、食材の味が昔とは違ってしまったというのはよく聞く話ではあります。

そして料理に対しての手間のかけ方は確実に低下しているようですね。

昔の洋食の面影を探しにヨーロッパに食べ歩きにも出かけられましたが、「そこにはなにもなかった」と。

しかしこれは日本に伝わった洋食と本場のそれとは別物の可能性が大ではないかとも思えます。

いくら本場の一流シェフが日本に伝えたとはいえ、それはやはり日本での料理。

ヨーロッパにそれを求めても満足できないのは明らかです。

そしてやはり郷愁ともいえる思い入れもあることでしょう。

「昔の○○はもっと美味しかった・・」

誰もが口にする言葉であります。

そんな著者のこだわりはタイトルの洋食にもじゅうぶん発揮されていますが、第2章の「親子どんぶり考」にも並々ならぬ熱意を見せられます。

なんと親子どんぶりを開発したのは著者の父とのこと。

ですから現在の親子どんぶりには我慢ならんと。

鶏肉がだめ、調味料がだめ、海苔がだめ。

だめだめづくしです。

洋食にしてもそうですが、この本が発行された時代(昭和45年)ですでに鶏肉のブロイラーのまずさが指摘されているんですね。

そして化学調味料を添加した醤油の堕落ぶりや、海苔のまがいものぶり。

著者は嘆きます。

こんな時代からすでに食の堕落はあったのですねぇ。

2009年7月16日 (木)

「パリの調理場は戦場だった」宇田川悟

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ノンフィクション風のフィクションです。

まだ現在のように日本にフランス料理が普及していなかった60年代後半から70年代前半、本場のフランス料理を学ぼうと何人もの若者がフランスを目指しました。

海外旅行さえ簡単には行けないような時代です。

それこそ二度と日本には帰れないのではないかとの思いさえ抱いて。

そんな連中が当時のフランスでどのような料理人修行をしたのか。

3人の若者にスポットを当て、その様子が描かれています。

当時のフランス料理事情や日本人が本場フランスの厨房で働くことの困難さはよく伝わりますが、冒頭に書いたように「ノンフィクション風のフィクション」であるがゆえに実在の人物が登場するリアルティによる迫力はなく、かといって小説として読むには物語りにドラマや深みが感じられません。

あえて著者はそのどちらも意図的に避けたのではないかという気もしますが。

実在する誰それの半生記というわけではなく、よけいなエピソードでドラマチックに作り上げた小説でもなく、淡々と当時の事情を物語風にまとめようと。

先人の苦労や時代を知るという意味ではいい1冊ではないでしょうか。

2009年7月12日 (日)

「本当にうまい朝めしの素」川上信定

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旅先での朝食はなぜおいしいのか。

ごもっとも。

誰もが感じることですね。

いろいろ理由はあるでしょうが、著者は「追跡の楽しみが随伴するから」といいます。

なにを追跡するのか。

「理想の朝めし」だそうです。

そこで著者は無農薬・有機栽培の食材を取材します。

朝食によく使われる素材、すなわち鶏卵、醤油、海苔、味噌、米、豆腐・・。

添加物まみれの食材が溢れる昨今ですが、しかしそんな中でもしっかりと昔ながらの本物の食材を生産しておられる人たちがいらっしゃるわけです。

そんな食材で作った朝めし。

さぞかし美味しいでしょうね。

ガイドブックを追っかけての食べ歩きなどよりも、これこそが本当の食のこだわりであり贅沢なのかもしれません。

巻末には紹介したそれぞれの取り寄せガイドも掲載されています。

2009年7月10日 (金)

「太っ腹対談」東海林さだお・椎名誠

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ゲストを招いて東海林さだお氏と椎名誠氏お2人との3人対談と、東海林・椎名両氏2人の対談が交互に収録されています。

ゲストは生命科学者の冨田勝氏、早食い・大食い選手の新井和響氏、料理屋女将のたま氏、麺通団団長の田尾和俊氏、横濱カレーミュージアム名誉館長(当時)の小野員裕氏、放送作家の小山薫堂氏です。

どの対談も料理屋で行われているのですが、それぞれの店の料理についてのコメントはほとんどなし。

そのような主旨でもありませんし。

特に食べ物をテーマにした対談というわけでもないのですが、やはりほとんどのゲストが食べ物関係なのでそちら方面の内容にはなっています。

しかしまあ東海林氏と椎名氏、特にお2人での対談では好き勝手言いたい放題。(笑)

まさに独断と偏見なコメントのやりとりが笑いを誘います。

2009年7月 8日 (水)

「うまうまノート」室井滋

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女優の室井滋氏の食エッセイです。

食べることが好きで、あちこちのお気に入りの店で写真を撮り、それを日記のように「うまうまノート」としてまとめてきたのだとか。

その一部を読み物として公開したのがこの本です。

決して高級店や有名店の食べ歩きではありません。

デパ地下だったりロケ弁だったり、地元富山のラーメン屋だったり。

有名店の食べ歩きなんかよりも、ロケ弁の紹介のほうが新鮮で楽しめます。

そして富山の食堂のラーメンの旨そうなこと。

著者はほんとに食べることが好きなんだなぁとしみじみ思います。

オールカラーで写真やイラストがふんだんに掲載されており、賑やかに楽しめる1冊でした。

2009年6月29日 (月)

「ラーメンの秘密 ほんものの味をもとめて」コピー食品研究会編

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最初にラーメン店を経営するにはどれくらいの資金がいるのかといった話があります。

ふむふむ、そっち方面の話ね、と読み進めていきますと、生めんタイプの市販のラーメンを取り上げ、第2章「生めんの秘密」、第3章「スープの秘密」と食品添加物を槍玉にあげていきます。

なるほどそうきたかと読み進めていきますと、第5章「インスタントラーメンの秘密」としてボロクソの批判です。

たしかにインスタントラーメンの添加物や栄養については、誰しもあまりいい印象は持っていないでしょう。

第7章では「ご当地ラーメンの秘密」として札幌ラーメンだの博多ラーメンだの喜多方ラーメンだのの紹介。

話の流れからするとラーメン店の開業資金の話などどうでもいいように思うのですが。

そんな話をするのならインスタントラーメン批判よりもラーメン店の現状についての内容を充実させるべきでは。

ラーメンそのものについて語るというのならインスタントに対しての添加物批判に偏りすぎ。

そして食品の添加物についての警鐘ならラーメンに限らずもっといろんな食品について取り上げるべきでしょう。

添加物まみれのインスタントラーメンの対極として「全国にはこんなに素材にこだわった店があるんだ」といった紹介はありません。

第4章「具の秘密」として豚やタマゴなどラーメンに使う素材を扱う生産者を少しだけ紹介しているくらいでしょうか。

まあ店紹介の本ではありませんからそれはそれでいいでしょうけど、ラーメン全般について書かれているとはいいがたい本です。

最後に「家庭でできる美味しいラーメンの作り方」で締めます。

結局は家でラーメンを作りましょうってことなんでしょうか。(笑)

なんだかあまりまとまりのない内容だという印象です。

サブタイトルに「ほんものの味をもとめて」とありますが、インスタントの添加物批判に鼻息荒く、求めているよりも批判に徹しているような。

さまざまなデータ(ほとんど他のメディアからの流用ですが)を取り上げ食品添加物を批判する姿勢はありだと思いますが、ラーメンという食べ物を思ってのことではなく、添加物批判をするのにラーメン(インスタント)を格好の材料とした気がします。

なのでタイトルは「インスタントラーメンの恐るべき秘密」とでもしたほうが内容にふさわしいのではないでしょうか。

2009年6月23日 (火)

「程さんの台湾料理店 料理は海を越える」程一彦

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テレビでもお馴染みの料理人、程一彦氏の「語り下ろし」です。

なので口語体で書かれており、程氏のお人柄がよく表れた文章となっています。

やはりおいたちから書かれていまして、現在の店は戦後の梅田の闇市で日本人の父親と中国人の母親が始めた中華料理の店「龍譚」を受け継いでおられるのですね。

二代目だったとは知りませんでした。

そんなせいもあるかもしれませんが、この本はよくありがちな「いかに自分は苦難を乗り越えて現在の料理人としての立場を築いたか」的な本とはちょっと違います。

前半は氏の半生を綴っておられるのですが、後半では日本においての餃子の元祖である「珉珉」の話や海鮮料理を始めた「海皇」の話、外国での中国料理事情、その他料理についての歴史や変遷がわかりやすく書かれています。

むしろそちらのほうに重きを置いておられるかも。

巻末には石毛直道氏との対談も収録されています。

2009年6月16日 (火)

「男の酒と肴ウンチク学」古谷三敏

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古谷三敏氏といえば「ダメおやじ」で有名な漫画家であります。

といっても今の若い人に「ダメおやじ」なんていってもわからんでしょうね。(笑)

しかし酒飲みに「BAR レモン・ハート」といえばどうでしょうか。

反応する人は多数だと思いますが。

これはもう一部酒飲みのあいだではバイブル的な漫画でありましょう。

そんな著者の酒と食べ物にこだわりある食エッセイです。

しかしまあ古谷氏、いろんな酒や肴を知り尽くしておられますねぇ。

ぜひ酒飲みを自認する諸氏におかれましては、ご一読をお薦めいたします。

あとがきも必読。

ちなみにこの本は廣済堂文庫ですが、講談社文庫からも「男のウンチク学」(続・続々と3冊)というシリーズが出ています。

どれも20年以上前の出版ですが・・。

2009年6月13日 (土)

「食べごとのはなし」畑本千

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タイトルからわかるように食エッセイなんですが・・。

う~ん、失礼ながら本として出版するレベルではないですね。

料理でいえば思いつくままに材料を放り込み、気ままに味付けしたといったところでしょうか。

エッセイといえどもただ思いつくままに書き流せばいいというものではありません。

やはり着地点をちゃんと決めて、それに向けてエピソードなどを絡めなければ。

著者の畑本千という人もよくわかりませんし、出版社も影書房というかなりマイナーな会社です。

自費出版ではないようですが、ほとんど身内に向けられた本のような・・。

2009年6月 8日 (月)

「達人直伝 回転寿司のさ・すし・せ・そ」柳生九兵衛

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回転寿司を楽しむためのコツがあいうえお順に書かれています。

上手な注文の仕方やベストな席の位置など。

一般には知られていない裏話のようなことも紹介されていますね。

湯飲みの高さは皿6枚分と同じに作られているとか。

精算のとき店員が積み重ねられた皿の数を数えるのに目安にしているのだとか。

そして100円均一店を除くほとんどの均一店では、メニューにはなくても寿司ネタを刺身として出してくれるそうです。

この場合の料金は寿司二皿分の値段でネタのみを五カン分とのこと。

家族連れのオトーサンなんか最初にこれでビールを軽く1杯なんてありかも。

でも注文するのにちょっと勇気が要りますね。(笑)

親切丁寧な文章で書かれており、好感の持てる本でした。

2009年5月30日 (土)

「間違いだらけの、グルメ選び」石津謙介

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著者の食いしん坊ぶりがよく伝わってきます。

食べることに興味があり、時間とお金に余裕があれば皆さんこれくらいのことはされるでしょうが、78歳(当時)という年齢でこのバイタリティには恐れ入ります。

でもタイトルがどうかなぁ。

友人でもある自動車評論家の徳大寺有恒氏の著作をもじっておられるのですが。

内容はなにが「間違いだらけ」でなにが「グルメ選び」なんだか。(笑)

まあ読みようによってはそのようにも受け取れますけども。

でもちょっと浅はかなタイトルでは。

ご本人はグルメではないと書いておられますが、しかしこのタイトルはやや上から目線ではありますまいか。

ま、食べることに関しましては、皆さん謙遜しつつも一家言お持ちのようで。(笑)

2009年5月27日 (水)

「快食快眠快便」文芸春秋編

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なんともストレートなタイトルで。(笑)

食べること、眠ること、そして食べたからにはやはり出すこと。

各界の著名人76人がこの3大テーマについて書かれておられます。

皆さんいろんなエピソードをお持ちですね。

そのひとつひとつをここでご紹介はできませんが。

この3つをしっかりクリアしていればそれはすなわち健康ということでありましょう。

さて、読んでいて「おっ」と思ったのが西村寿行氏の執筆。

目次をざっと見た時点では気が付きませんでして、読んでいて気付いた次第です。

私の好きな作家でして、まあ興味のない人にはどうでもいいことなんですけども。

この人のエッセイというのは珍しい。

目玉が嫌いというのは知られていますよね。

魚は好きだけど頭付きは食べられない。

そして肉はほとんど食べないんですね。

子供の頃牛を飼っておられまして、兄弟のようにしておられた。

その牛が肉牛として売られていくときの哀しさが忘れられないと。

有名なエピソードです。

あんな凄まじい小説を書いておられながらけっこうデリケート。(笑)

いや、寿行ファンなら氏の繊細さは百も承知でありましょう。

快便につきましては「きたない話はしない主義だ」とひとこと。

そういえばハードな陵辱シーン、あるじさま、男根さま、お尻さまはいやというほど出てきますが(笑)、そっち方面の話題はなかったかも。

西村寿行のこの3ページで、私にとっては貴重な1冊となりました。(笑)

2009年5月23日 (土)

「魚味礼讃」関谷文吉

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浅草の「紀文寿司」という店のご主人が書かれた本です。

いろいろな魚の旬や、本来その魚の持つ香りや味わいについて語っておられます。

魚も外国産が多く入ってきているようで、値段は安いですが味はやはり国産にはかなわないようで。

干物などびっくりするエピソードが紹介されています。

著者の友人が伊豆へ旅行したときのこと。

海岸沿いにイカが干されています。

その風景にカメラのシャッターを切ったのですが、タクシーの運転手曰く海岸沿いに干されたイカはなんとイカの形に切られたビニールであると。

産地で取れたイカはすべて築地に出荷してしまい、地元の物産店に並んでいる干物用のイカはどこでいつ取れたかわからない代物だそうです。

せめてカッコだけでもと海岸沿いにビニールのイミテーションを吊り、それで観光客を釣り、物産店で素性の知れないイカを売っているとは・・。

越前ガニやブリなどは別として、一流のものはやはりすべて築地に集まるとのこと。

それが経済の流れとはいえ、なんだか情けない話ではあります。

それはともかく、著者の魚に対する思い入れが伝わる本です。

ただ理論整然としたちょっとナルシズムな文章に、やや高飛車な印象を感じないでもありませんが。(笑)

2009年5月14日 (木)

「ニッポン居酒屋放浪記 立志篇」太田和彦

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著者は日本全国を飲み歩いておられます。

この放浪記はシリーズとなっておりまして、立志篇は第1作目となります。

各地の名物料理と地酒を堪能され、羨ましい限りです。(笑)

ところで気になりましたのが、一人ではなく同行者がいらっしゃるんですね。

カメラマンのようですが。

実際写真も掲載しておられますし。

しかしやはりこういうのは一人で店に飛び込んでいただきたい。

カメラマン同行ということはこれは取材であり仕事ですから、ということは飲み代ももしかしたら経費なのかと。(笑)

まあ著者はこれが仕事(本職ではありませんが)ですからしょうがないのですが、連れ立って経費で飲み歩いた記録というのはどうもなぁ・・。

ちょっとしらけてしまうのです。

そんなこといってたらこういう本は読めませんけどね。(笑)

ぜひ一人で自腹で個人的に飲み歩いた記録を本にしました、という姿勢でやっていただきたいものです。

2009年5月11日 (月)

「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」伊藤信吾

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実録男前豆腐店ストーリー。

「男前豆腐」というのを誰もが一度は見聞きしたことがあるのではないでしょうか。

名前とパッケージのデザインはかなりのインパクトです。

「男前豆腐」、「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」、「厚揚げ番長」、「やっこ野郎」・・。

すべて商品名です。

かといってただのイロモノではなく、やや高い値段ながらもしっかりと豆腐の美味しさを楽しませてくれます。

社長の伊藤氏は親の豆腐会社を継ぎ、安い豆腐に先は無いと多少高くても美味しい本物の豆腐を次々と開発し、ヒットさせていきます。

そしてついには会社を独立させ、京都に移転。

カッコ悪いことがカッコイイというその感性が男前豆腐のセンスの原点です。

とても面白い内容で一気に読みました。

2009年5月 7日 (木)

「世の中にこんな旨いものがあったのか?」秋元康

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著者お気に入りの店を紹介しておられます。

あとがきにはガイドブックではないとありますが、たしかにガイドブックとしてはかなり主観的な内容です。

かといって一般的な食べ歩き本ともちょっと趣が違います。

それぞれの店紹介の最初に見開きで料理の写真があるのですが、イメージ重視でどアップの写真なので全貌がよくわかりません。

その中にちょっこっと店の外観とデータ。

内容も見開きで2ページ。

かなりナルシズムな文章で、いかにも秋元康が自分のお気に入りの店を語るといった雰囲気ですね。

ま、これはこれでいいのですが、とても定価(1238円)で買うような本ではなく、古本屋で100円がまさしく適正価格。(笑)

誤字脱字もちらほらありますし・・。

2009年5月 1日 (金)

「おいしいハンバーガーのこわい話」エリック・シュローサー チャールズ・ウィルソン

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ファーストフードがいかに怖い食べ物かという内容です。

フライドチキンやデリバリーピザの店についても触れられていますが、大部分はマクドナルドを対象とした話ですね。

ハンバーガーについて体にいい食べ物という印象を持っている人はほぼ皆無だと思うのですが、この本ではそれをさらに再認識させられます。

もちろんフライドポテトやチキンナゲット、清涼飲料水などについても。

しかし子供向けに書かれた本のせいか翻訳のせいか、どうも淡々としていてなんだかフィクションを読んでいる気がしないでもありません。

まあ堅苦しく難しい文章で書かれても読む気が失せてしまいますけど。(笑)

2009年4月30日 (木)

「ラーメン マニアックス」特集アスペクト33

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まずパート1では有名ラーメン店の店主へのインタビューです。

「支那そばや」佐野実氏、「天下一品」の木村勉氏など。

「ラーメン二郎」も紹介されていますが、店主へのインタビューは無し。

パート2では個性的な店(店主)の紹介。

「大石屋」や「一蘭」など。

パート3はネットのラーメンサイトの紹介。

この頃(98年)はまだブログなどというものはなく、今のように猫も杓子もデジカメで写真を撮ってブログに掲載という時代ではありませんでした。

インターネット自体誰もがやっているという状況ではなく、パソコン通信からインターネットに移行していった時代だったと思います。

そんな中ですでにラーメンの情報をネットで発信している人たちがいたわけです。

パート4ではラーメンの歴史や文化についての考察。

今は亡きラーメン研究家の武内伸氏やジャーナリストの森枝卓士氏などの執筆です。

まずまずバラエティのある内容でした。

2009年4月20日 (月)

「面白南極料理人 笑う食卓」西村淳

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調理隊員として南極観測隊に2度参加しておられる著者のシリーズ第2弾です。

平均気温マイナス57℃、標高3800メートルでの食生活が面白おかしく書かれています。

感想は前作と特に変わらないですね。

内容もやはり同じようなものですし。

まずまず楽しませていただきました。

各章に料理レシピがついていますが、いかにも家庭で簡単にできそうな内容でぜひ試してみたい気がします。

2009年4月19日 (日)

「ほんもの食べたい 諸国菜時記」荻昌弘

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映画評論家の荻昌弘氏。

食通としても知られた人でした。

そんな氏の食エッセイです。

春くさぐさ、夏いろいろ、秋とりどり、冬それぞれ、新年さまざま、と季節によって章が分かれています。

内容は特にどうということもないんですけどね。(笑)

ただ、あとがきに書かれていることには共感しました。

「ほんもの、とは何か。それは私の場合、必ずしも、その食べものの出発点に還ることとか、或る特定の人だけが入手できる天然物、などは意味しない。私はもともと、養殖物は駄目、などという発想を、ぜんぜん持たないのである」

「一部の人にしか手に入らない天然物に固執することは、一見、純粋な良心にみえて、じつは特権意識につながってしまう危険がある」

「私にとって『ほんもの』を求めるとは、せいぜい、その時点の社会の位相の中で、創るほうも精いっぱい、多くの市民のためにいいと信じるものを作り、食べるほうも、自分の努力の範囲でいちばんしっかりしたものを積極的に確かめてゆく、その水準にほかならない」

「そばでさえも、じつは春が来てしまったら味はもう駄目なのだ、といった強い思い入れがある。その事実はしっかり頭に入れておきたいと思うが、だからといって、そば屋には晩秋から早春までしか行かない、といった態度を私はとらない、ということである」

たしかに本物ということを厳密に定義すれば、やはり養殖物より天然物ということになるのかもしれません。

本来あり得なかった季節はずれの物よりも、旬の物を食べることが昔ながらの自然な行為ともいえるでしょう。

しかし頑なにそれら以外の物を否定しても、現実的な一般の食生活は成り立ちません。

天然物や旬の物以外は口にしないというストイックさもまた食通としてのスタンスかもしれませんが、養殖物もなかなやるな、旬ではないがなかなかどうして、といった余裕もあるほうが楽しいかと思います。

だからこそ「創るほうも精いっぱい、多くの市民のためにいいと信じるものを作り、食べるほうも、自分の努力の範囲でいちばんしっかりしたものを積極的に確かめてゆく」という姿勢は重要だと思います。

私は情けないことにあまりこだわりなく何でも食べていますが・・。(笑)

2009年4月11日 (土)

「博多一風堂・河原成美が選ぶ うまかラーメン115軒」河原成美

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全国に店を持つ「博多・一風堂」の代表、河原成美氏の著作です。

タイトルどおり全国のラーメン店を115軒紹介しており、最初の5店はインタビュー形式、次の5店はページを割いての店評価、残りは寸評といった構成。

素人や評論家といった立場の人たちの意見はいたるところで見られますが、同業者の立場から書かれたところがこの本の価値でしょうか。

やはり評価本というよりはガイドブックという体裁です。

しかしラーメン屋という業種も新しい店ができたと思ったらすぐ閉まったり、なかなか浮き沈みの激しい世界ですね。

比較的手堅い店を紹介しておられるようです。

2009年4月10日 (金)

「続 まちがい栄養学」川島四郎

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前著の「まちがい栄養学」が好評だったとのことで、その続編となったのがこの本です。

といっても発行は昭和四十八年ですが。

当時と今ではやはり栄養学も変わってきているでしょうが、しかし書かれていることは胡散臭い健康法のようなものではありませんので大部分はそう時代錯誤ではないでしょう。

やはり日本人としてもっと米を、肉より魚を、そして青野菜をという主張は一貫しておられます。

「蛋白質」を「卵白質」にという主張など面白い。

「蛋」という漢字は中国では「卵」と同じ意義だそうです。

しかし「蛋」という漢字は当用漢字ではないので、なにもこんな読みにくく見慣れない漢字を使う必要はない。

「卵白質」にすれば誰にでも読めるし、その成分をよく表していると。

天然の物質で卵の白身ほど純粋に近いタンパク質はないそうです。

脂質の含有量はゼロ、炭水化物もほとんどなく、ビタミンはB2のみ。

卵の白身こそタンパク質を代表する食べ物であると。

ドイツ語ではタンパク質のことをEiweissといい、アイは卵のことで、ワイスは白、まさに卵白を意味するとか。

いまさらいってもどうにもならないでしょうが(笑)、まあこんな調子で雑学的に栄養学を学べる本です。

2009年4月 9日 (木)

「俺はあきらめない 不良少年、フレンチシェフになる」後藤雅司

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三重県の津市で「ラ・パルム・ドール」というフランス料理店のオーナーシェフをしておられる人の自伝です。

いろいろな経緯が書かれているわけですが、だからといって特別にこの作者だけが料理人として波乱万丈な経験をされたわけでもないでしょう。

いろんな料理人がいろんな自伝を書かれていることですし。

そういう意味では読み物として目新しいものではありません。

しかし修行のため生まれたばかりの子供や妻を日本に残しフランスに旅立ったことや、ご自分の店を持つまでの苦労、特に人間関係などは文章では言い表せないものがあるでしょう。
負けん気の強さでつねに前向きに障害にぶち当たり、それを乗り越えてこられたことが熱く書かれています。

当時の人気番組だった「料理の鉄人」に出演されたエピソードにも触れておられます。

2009年3月27日 (金)

「からいは うまい」椎名誠

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アジア突撃極辛紀行ということで、韓国・チベット・遠野・信州編。

タイトル通り辛い食べ物を求めての旅行記です。

メインはやはり韓国で、半分以上のページを割いておられます。

思いのほかミーハーな内容でもなく、しっかり食文化を紹介されけっこう読み応えありました。

韓国やチベットは唐辛子、遠野はワサビ、信州は辛味ダイコンの紹介です。

最後に小泉武夫氏との質疑応答のコーナーがあります。

2009年3月22日 (日)

「親子丼の丸かじり」東海林さだお

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本好きで、そして食エッセイ好きで、このシリーズを知らない人はいないのではないでしょうか。

東海林さだおの丸かじりシリーズ。

よくもまあと思うほど毎回毎回感心するネタを書いておられます。

表題作の親子丼でいえば、天丼やカツ丼は「丼」を付けるけど、親子丼は「親子」と注文する、と。

いや、私はちゃんと「親子丼」と注文する、という人は都合が悪いのであっちへ行けとのことです。(笑)

天丼の場合「テン」ではなんのことかわかりませんし、カツ丼の場合「カツ」だとただのカツと間違われます。

しかし親子丼の場合は「親子」で通用するんですね。

そんなあたりから話に入りまして、牛と豚と鶏入りの親子丼なんかを作ったりしておられる。

でも結局は親子水入らず、普通の親子丼がしみじみ美味しいと。

その他、笑えるエッセイが満載です。

2009年3月19日 (木)

「お客に言えない食べ物の裏話」(秘)情報取材班[編]

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食についての雑学集ですね。

まあこれといってどうこう感想はありません。

表紙の見出しを紹介しておきましょう。

・全国でつくられていても‘京野菜’のワケ

・フカヒレ用のヒレをとった後、サメの肉はどうなるか

・‘人気ラーメン店’が突然つぶれる理由

・缶コーヒーの「微糖」と「低糖」はどこが違う?

・カレーのスパイスを30種も混ぜるのは日本人だけ!?

こういう類の疑問が満載です。

かなり時間をかけてぼちぼちと読んだのですが、ほとんど内容は頭に入っていないような・・。(笑)

2009年3月18日 (水)

「素人庖丁記 カツ丼の道 篇」嵐山光三郎

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食エッセイ16篇。

表題作の『カツ丼の道』は「出前でとるテンヤモノの丼のうまさの秘訣は、運んでくる道のりのデコボコにある」と主張されます。

「丼物を運んで来るうちに、バイクの振動で丼が揺れて汁が飯によくしみるからである」と。

だからいつもと違う近くの店で注文した場合は、わざわざ風呂敷で包んで自転車の前のカゴに入れ、いつもの店の前まで行って帰ってくると。

どうもネタくさい。(笑)

味噌汁の具ベスト百というのも紹介しておられ、第六位にトンボ鉛筆の味噌汁なんて書いておられる。

これもネタくさい。(笑)

しかし最後の「千円札のテンプラ」の中のエピソードを読むと、マツタケごはんを茶碗ごとテンプラにしたという話がありまして、実際に雑誌にも写真が掲載されたとのこと。

う~む。

巻末の松村友視氏の解説によりますと、唐十郎氏が油揚げの背広を着て舞台に登場されたことがあり、それを見た嵐山氏は上機嫌でくやしがったそうです。

その何年か後に嵐山氏は鮭の皮で作った背広で雑誌のグラビアに登場したと。

こうなるともうすべてがネタではなく事実なのかと思えてきます。

しかしどうもあまり食欲をそそられる内容ではありません・・。(笑)

2009年3月15日 (日)

「ああ言えばこう食う」阿川佐和子 檀ふみ

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名(迷?)コンビの往復エッセイ。

食べることについての内容をネタにしながら、お互いの暴露話などいろいろと。(笑)

このお二人、なぜかコンビとして世間に認知されています。

実際にお二人でいろいろと仕事されているわけですが。

いきさつはなんなのでしょうね。

どちらの父親も高名な作家ということは共通しています。

阿川氏があとがきにそのあたり書いておられますけども、しかしまあ見事なコンビが誕生したものです。

どちらも本業は別のはずですが、素晴らしい文才をお持ちですね。

著書も多数出しておられますし。

なんともまあ微笑ましく楽しいエッセイでした。

2009年3月10日 (火)

「すし 江戸前を食べる」早川光・文 大浦利昭・絵

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著者の早川光氏といえば、寿司漫画「江戸前鮨職人 きららの仕事」の原作者として有名ですね。

もちろんそれ以外に寿司についての著書をたくさん出しておられますが、本職は映画監督とのこと。

この本は氏にとって初めての著書だそうです。

発行は85年。

今からおよそ25年近く前ですね。

内容といいますと、江戸前寿司とはなんであるかとか、寿司屋ではどのような注文をすればいいかとか。

そして寿司ダネの種類についての解説など。

初心者のための寿司入門書といったところです。

寿司通を自認する人には物足りない内容かもしれません。

2009年3月 9日 (月)

「空想キッチン!」ケンタロウ×柳田理科雄

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人気アニメに出てくるあの料理を実際に作って食べてみようという本です。

取り上げられている料理は「小池さんのラーメン」、「ギャートルズのマンモスの骨付き肉」、「日本昔話の大盛りごはん」、「ハクション大魔王のハンバーグ」、「チビ太のおでん」など。

すべての料理を再現しているわけではありませんが。

料理家のケンタロウ氏と科学者の柳田理科雄氏がアニメを見ながら分析、そしてケンタロウ氏が作り柳田氏が試食です。

ただ単に見かけ通りに作るというだけではなく、お二人の分析が真面目でばかばかしくて面白い。

笑わせていただきました。

2009年3月 5日 (木)

「ロイヤル・ディナー」渡辺誠

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著者は宮内庁大膳課に勤務され、皇太子殿下や同妃殿下の西洋料理部門の主厨を勤められた方です。

現在は宮内庁を退官され、大学の講師や食文化研究家としてご活躍なさっておられるとか。

第一章は著名人を自宅に招き、食事をしながらの対談です。

そしてその場にふさわしい音楽。

ゲストは大林宣彦・赤川次郎、久石譲・金洪才、妹尾河童・澤地久枝。

第二章では宮中のエピソードが語られます。

一般の料理店の料理人とは違い、皇室や国賓の方々をおもてなしされた裏話など。

そしてマナーについても触れておられます。

皇室の方が洋食を召し上がるとき、ひと口残されるとのこと。

それは上流社会の礼儀なんでしょうか。

答えを読みまして、皇室の方のお心遣いに納得した次第です。

ベルギー国王の弟殿下のエピソードもそう。

相手のミスを何事もなかったかのように、さりげなくフォローされる。

上辺だけの知識でどうこうではなく、こういうのをマナーといいますか、教養というのでしょうね。

いい勉強になりました。

2009年3月 1日 (日)

「食のほそみち」酒井順子

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食についてのエッセイ集です。

面白いおもしろい。

男性なら東海林さだお、女性ならこの酒井順子といったところでしょうか。

名水と水道の水の味の違いがわからないことにコンプレックスを持ち、でも実はわかっていない人が多いに違いないと溜飲を下げたり。

しゃぷしゃぶを食べるとき、ゴマだれかぽん酢かで右往左往します。

そして最後の一枚は究極の選択。

それを食べつつも「本当に、これでよかったのか」と自問自答したり。

自分の家で一人で食事する以外はつい気を使い、「おいしい」を連発してしまう自己嫌悪など。

小市民的なオタオタ感が実に鋭く面白く描写されています。

とんかつや天ぷらの具の小ささの割りにでかい衣、パンの中央部分にしか具がはさまっていないまわりはスカスカのサンドイッチ、肉がほとんど入っていないカレー。

それらを例に挙げ、”「炭水化物に関しては気前がいいが、それ以外のものは極端にケチる」という傾向があったわが日本”、と喝破しておられるのはお見事。(笑)

2009年2月26日 (木)

「超凄いラーメン」武内伸

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著者は「TVチャンピオン第2回全国ラーメン王選手権」でチャンピオンになった人です。

そして脱サラされ、「新横浜ラーメン博物館」の広報、日本ラーメン協会副理事長、ラーメン評論家としてご活躍されましたが、2008年7月に肝硬変で死去されました。

この本はそんな氏の、まさにますますこれから、といった時期に書かれた一冊でしょう。

学生時代からサラリーマン時代にかけての食べ歩き、そして思い入れのあるラーメン店の紹介などが書かれています。

決して評論家然とした上から目線ではなく、あくまで一人のラーメンマニアとしての視線で、愛着を込めて語っておられます。

早すぎる死はまことに残念でした。

2009年2月20日 (金)

「トマトの味噌汁」東理夫

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う~ん、ほんとに作家のただの食べ物エッセイですね。

特に感心するような内容ではありません。

そうなると「ん?」という気になる部分が出てくるのですね。

アメリカの食事に対して不思議に感じることがあるといいます。

コース料理でスープかサラダを選ばせることがそれ。

よくありますね。

その是非はともかくとしまして、筆者は「幕の内弁当と氷アズキを選ばせるのにも似た」と表現しておられます。

いくらなんでもスープかサラダの選択に、「幕の内弁当と氷アズキ」はないでしょう。(笑)

作家としてもうちょっと適切な表現をできなかったのでしょうか。

それほど憤慨しているという気持ちは伝わりますけど。

ぶどう豆という黒豆の煮方について。

辻留の辻嘉一氏の本の内容を転載しておられます。

「煮上がりの目安が、『二、三粒すくいとり、二メートル離れたタイルの壁へ力まかせに投げつけ、その瞬間ぐちゃっと壁に張りつくのが理想のやわらかさである』とあるところだ。厳格というのはこういうことではなかろうか」

おいおい。(笑)

食べ物をタイルの壁に力まかせに投げつけるのが厳格なのかよ。(笑)

そんなことを平気で書いている(? 私は読んでいないので未確認)辻嘉一氏もどうかと思いますが、それに納得しているこの筆者もいやはや。

まあそんな本です。

2009年2月14日 (土)

「ニッポン食いしんぼ列伝」宇田川悟

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フランス料理についての著書を何冊も出しておられる宇田川悟氏によるインタビュー集です。

登場するのは、田中康夫、蜷川幸雄、小林康夫、吉岡治、加藤登紀子、荻野アンナ、三国連太郎、立花隆、楳図かずお、東海林さだお、磯村尚徳、荒木経惟、三田佳子、村松友視、猪瀬直樹、石津謙介、村上龍、妹尾河童。

本の帯には「超新視点の食文化論誕生!」とありますが、別に目新しい視点でもなんでもありません。

それぞれの登場人物が自分の体験談を語っているだけです。

いろんな人の体験や考えを読めるのは貴重だと思いますが。

2009年2月 5日 (木)

「寿司屋のかみさん とっておき話」佐川芳枝

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寿司屋のかみさんシリーズ第3弾です。

東京東中野にある「名登利寿司」の女将さんが書かれた本で、寿司屋としての本音や裏話などが面白く紹介されています。

これらのシリーズを読んで店に来られたお客さんも多いとか。

橋本元総理もこの本の愛読者だったらしく、愛読者カードの職業欄に「内閣総理大臣」と書かれていたなどというエピソードもあります。

寿司屋というのはなかなか怖いイメージがありますけど、このような本を出しておられる女将さんの店なら安心していけそうですね。

値段が安いか高いかは客それぞれの価値観でしょうけど。

2009年2月 2日 (月)

「神田鶴八鮨ばなし」師岡幸夫

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寿司職人の自伝です。

・江戸前鮨のはなし

・柳橋での修行ばなし

・神田鶴八鮨ばなし

という3部構成です。

インタビューをライターが文章にしたものだと思いますが、なかなか著者の職人らしいお人柄を感じさせる内容でした。

特に修行ばなしなど、とても勉強になります。

やはりこういう下積みがあっての職人なんですねぇ。

実に味わいのある一冊でした。

2009年1月28日 (水)

「まちがい栄養学」川島四郎

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川島四郎氏といえば、やはり青野菜ですね。

白い野菜よりも青い野菜を食べましょうと推奨されます。

そして血を作るのは肉ではなく青野菜であると。

青野菜の葉緑素が赤血球を増やしてくれるそうです。

その他みかんの皮や卵の殻も食べましょうなど、面白い話が満載です。

昭和四十八年発行の本ですから今はまた栄養学も変わっているかもしれませんが、しかし肉より魚、そして青野菜、米を食べましょうといった指摘は、現代においてますます重要視されるべきだと思います。

2009年1月23日 (金)

「悪女の美食術」福田和也

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女性誌に連載していたのを単行本にしたものです。

一流店で一人で食事できるようになりましょうとか、いろいろと書かれています。

しかしどうも女性を啓蒙するという内容というよりも、なんだか作者の知識自慢・行為自慢が鼻に付くような・・。

「菓子パンの昼食にはしゃぐ、恥知らず」というのはまあ賛成できますが。

列車の中で食べるお弁当については「ついで感」が大事で、わざわざ手作りしてきたような「重い」ものはだめだとか。

それはわかるのですが、しかしいくら新幹線の車内とはいえ、ヴーヴ・クリコのイエローラベルをわざわざ組み立て式のワイングラスで飲むのはいかがなものかと。

それもまたイタイ気がしますが。

タイトルは「悪の読書術」、「悪の恋愛術」などのシリーズとして「悪女の美食術」としたようですが、いったいなにが悪女なのか・・。

ま、「術」などという大層なものではなく、作者の単なる食エッセイかと。

2009年1月12日 (月)

「図解 豊かさの栄養学」丸元淑生

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昭和六十年に発行された本ですが、この時点ですでに「これだけ飽食の時代が続いているのは人類にとって初めての経験」といったことが指摘されています。

飢餓に何万年と耐えてきた人類も、豊かさのために坂から転げ落ちるように自滅しかねないと。

そんな豊かな時代の栄養学を図解で説明しているのがこの本です。

酵素の働きや、栄養素がどのような働きで細胞の中に取り込まれるのかなど文章だけではわかりづらい内容ですが、ふんだんなイラストを使ってやわらかく読むことができました。

2008年12月25日 (木)

「湯気のむこうの伝説」垣東充生 著 大村明彦 企画

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人気ラーメン店の店主を取材した本です。

麺屋武蔵、くじら軒、らーめんの駅、バカうまラーメン花の季、元祖一条流がんこ総本家、支那そばや、朱華園、井出商店、東池袋大勝軒。

有名店がずらりと紹介されています。

某ラーメンサイトに掲載されていたコラムを本にしたそうですが、「テレピや雑誌ではやれない連載をしたい」というコンセプトだったとのこと。

そして「マスコミで扱わない内容」をテーマにしているとのこと。

あまりそれらを感じることはありませんでしたが。

まあラーメン好きな人はご一読されればと思います。

2008年12月22日 (月)

「続 食べ物さん、ありがとう」先生=川島四郎 生徒=サトウサンペイ

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どういうわけか栄養学者の川島四郎氏と漫画家のサントウサンペイ氏、よくコンビで仕事をしておられます。

さて、川島氏といえば日本食の素晴らしさを一生懸命伝えられ、特に青野菜の重要さを訴えてこられました。

事実そのような食事で91歳まで元気に生きられましたしね。

この本ではサトウサンペイ氏のイラストをふんだんに使い、お二人の会話のやりとりという形でお米や味噌汁、豆腐、そして青野菜などの素晴らしさを語っておられます。

とても気さくに読める一冊でした。

2008年12月12日 (金)

「美食進化論」辻芳樹・木村結子

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ハンガリー、フランス、スペイン、アメリカ。

それぞれの国の美食事情を食べ歩き取材され、書かれています。

共著ですが、文章は木村氏、要所に辻氏のコメントを紹介するというスタイルです。

郷土料理が美味しいだけに、美食文化を作り上げようとしている人たちの仕事を難しくしているというハンガリー。

ヌーヴェル・キュイジーヌといわれたのも今は昔、ますます進化する美食の国フランス。

「エル・ブリ」をはじめとして、今までの料理の概念を越えた美食を創造したスペイン。

歴史が浅いだけにこれといった食文化がなく、それだけに自由な発想で美食を生み出すアメリカ。

料理におけるそれぞれの国の先端が伺え、面白く読めました。

2008年11月19日 (水)

「食わずに死ねるか」鈴木ヒロミツ

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タレントの鈴木ヒロミツ氏(故人)の本です。

タイトルからわかるように食べ歩きのグルメ本。

しかし鈴木氏が本を出すほど食にこだわりのある人とは知りませんでした。

テレビでもあまりそのようなお仕事を拝見したことがなかっただけに。

私が知らなかっただけなんでしょうね。

どうやら内容はライターではなくご本人がお書きになったようですが、とても食べることに対しての情熱を感じさせますね。

決して食通ぶることなく、とにかく美味しいものを貪欲に追われるその姿勢。

共感しました。

お人柄もよく滲み出ている文章でした。

去年、鈴木氏は他界されています。

「食わずに死ねるか」というタイトルや、あとがきの「最後の晩餐」についての文章が今となっては心に滲みます。

望んでおられたとおり、愛するご家族と最後の晩餐を過ごされたのでしょうか。

ご冥福をお祈りいたします。

2008年11月 9日 (日)

「食いしん坊ここだけの話」

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著名人の食べることについての講演を本にまとめたものです。

團伊玖磨、荻昌弘、竹村健一、沢村貞子、深田祐介、木本教子、三遊亭円楽、

松山善三と高峰秀子、加藤和彦と安井かずみ、川島四郎とサトウサンペイ。

いろいろと勉強になる話や面白い話が紹介されています。

例えば深田祐介氏の章。

日本航空のパリ支店長などは、「トゥールダルジャン」とか「マキシム」とか「タイユヴァン」といった有名料理店で毎晩のようにお客さんを接待しているそうです。

そんな人たちが日本に帰ってきまして社員食堂でメンチカツを食べると、「世の中にこんなに旨いものがあったのか」と随喜の涙を流すとか。

わかる気がします。

美食に明け暮れても、原点はやはり昔から馴染んだ味なんですね。

なかなか楽しく読めました。

2008年10月21日 (火)

「味なはなしを召し上がれ」ホテルオークラ編 松本碧著

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いろんな食に関するエピソードが紹介されています。

よくある食の雑学というやつです。

前書きにホテルオークラの小野正吉氏の文がありますけども、こんな内容にホテルオークラや小野氏が関わる必要があるのかと。

売れなかったでしょうねぇ、この本。(笑)

古本屋で100円で正解でした。(定価1300円!)

2008年10月19日 (日)

「一生懸命物語 KIHACHI」熊谷喜八

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レストラン「KIHACHI」の熊谷喜八シェフの自伝です。

パリに憧れ、しかしすぐにホテルのレストランで働くこともできず、ラーメン屋の出前持ちからスタートした料理人人生。

しかし今や「KIHACHI」といえば有名なレストラングループですよね。

苦労話やら人生観やら、ゴーストライターによって書かれたであろう無難な文章と構成で綴られています。

2008年9月30日 (火)

「たべもの嗜好学入門」河野友美

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いろんな面から人間の食欲に与える影響を分析しておられます。

色彩、香り、気候風土、ムード、精神的ストレスなど。

そして食嗜好により人間の性格も決定されると。

まあそれはそうなのでしょうが、ちょっと独断的な記述も多々見られます。

「卵焼きの好きなのはたいてい、骨のある魚が嫌いである」って、一概にそんなこと言えないでしょう。(笑)

私は玉子焼きは好きですし、骨のある魚も好きです。

しかしいろいろと勉強にはなりました。

2008年8月17日 (日)

「東京1000円味のグランプリ」山本益博・マッキー牧元

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「うまくて安いもの」ということで1000円という金額をボーダーラインとして、東京のさまざまなジャンルの店からお薦めの料理を紹介しています。

しかし1000円といいながら余裕で1000円オーバーの料理を紹介していたり、どうもイマイチ矜持が感じられません。

徹底的に1000円以内にこだわってほしかったですね。

そしてやはり東京は高いんだなぁと思います。

以前身近に仕事で全国各地を転勤しておられる人がいたのですが、やはり安くて旨いのは大阪だと。

普段気軽に手を出せる範囲の金額で、美味しいのが食べられるのは大阪がいちばんだと言っておられました。

洗練された料理やその土地独自の料理はともかく、普段の昼の定食などのコスパはやはりいいようです。

2008年7月 4日 (金)

「ステーキの焼き加減」古波蔵保好

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食べることについてのエッセイ集です。

国内だけではなく、外国にも食べ歩きに出かけておられます。

文章に嫌味がなく、単なる食べ歩き自慢ではありません。

読んでいてとても楽しい気分になれます。

ただし内容はかなり古いですが。

2008年5月25日 (日)

「誠之助の『グルメ鑑定帳』」中島誠之助

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「いい仕事してます」でお馴染みの、古美術商である中島誠之助氏の著書です。

やはり食べることにもこだわりを持っておられるようでして、美味しい店を手帳に書き留めておられるとか。

本書ではそんな手帳の中から、いろんな店を紹介しておられます。

でも決してグルメ自慢ではないんですよね。

ただ単にあの店が美味かったこの店がよかっただけではなく、しっかりとした美学をお持ちです。

あちこちの有名店を食べ歩いてあーだこーだの書とは一線を画します。

2008年5月22日 (木)

「不味い!」小泉武夫

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味覚人飛行物体こと小泉武夫センセイ、食に関しては相当貪欲でおられます。

とにかくなんでも口に入れなければ気が済まないのでしょうね。(笑)

このあたりが食通気取りや料理評論家などの肩書きを持つ連中と違うところ。

虫であろうがカラスであろうが蛇であろうが、とにかく食べてみる。

そんな百戦錬磨の食べ歩きから不味かった経験を書かれているのが本書です。

まあ市販の弁当やら惣菜やらはたしかに美味しくないのも多いですが、私にとっては「不味い!」というほどひどい物はそうないと思うのですが。

しかしさすがにホンオ・フェやシュール・ストレミングなどは相当不味いだろうなぁと思われます。

虫の類も・・。

不味い物があってこそ、それに対して美味い物が語られる。

ごもっともであります。

2008年4月21日 (月)

大阪人 2008年5月号

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西成特集なので買ってみました。

飲食店もいろいろと紹介されています。

中でも飛田新地の「鯛よし百番」はやはり圧巻です。

昔の遊郭の雰囲気は格別。

値段は決して高くありません。

居酒屋「百番」の経営ですから。

前日までの予約制ですが、ぜひ一度訪れていただきたいですね。

2008年3月26日 (水)

おとなの週末4月号

今号のメイン特集は「覆面調査タブーに挑戦」です。

ミシュランの星付きの店を覆面調査という趣旨。

しかしタブーに挑戦というほどのことかと。(笑)

東京版ミシュランなんてなんの権威もありませんし。

まあミシュランの評価はめちゃくちゃなようですので、それを検証するのはいいことでしょう。

さて、山本益博氏の「365日食べ歩き手帳」。

たった2ページですが、私にとってはこの本のいちばんメインの読み物だったりします。(笑)

相変らずひたすらミシュランで星の付いた店を追いかけておられます。

それは当然のことでしょう。

そして「調査員の方、しっかりして下さい」と苦言も呈しておられます。

それならばもうミシュランなんか無視しては、とも思うのですが。

「あんなのは当てにならない」と堂々宣言して、独自の格付けをサイトで公表してはどうでしょう。

やたらミシュランの呪縛に囚われているのが滑稽でなりません。

フランス版ならともかく、東京版でどうこう語る自体が無意味ではないでしょうか。

2008年3月14日 (金)

大阪人4月号

立ち呑み特集です。

酒飲みとしては楽しく読めました。

まったく地元ローカルな店なども紹介されており、こういうのこそが立ち飲み屋の魅力なのだなと。

お客さんが店で飲んでいる写真もふんだんに掲載されているのですが、どれも実に表情がいい。

いろんなしがらみから開放され、至福のひとときをひとときを過ごせる立ち飲み屋。

いいですね。

2008年2月19日 (火)

おとなの週末3月号

面白かったのは「ガード下のいい店」という企画。

東京の山手線のガード下の取材ですので、大阪の私にはまったく関わりないのですが。

しかし酒飲みとしては楽しめました。

そして私にとってメインともいえる山本益博氏の365日食べ歩き丸秘手帳。

せっせと東京ミシュラン掲載店を食べ歩いておられます。

大いに不満もお持ちのようで。

それならば店に不満を述べるよりも、もっと真っ向からミシュランを批判されれば?

「なんでこれがミシュラン2つ星なのか。満足いかない」みたいなことを書かれても、店が悪いわけでなし。

日本を代表する料理評論家として、だからこそ「ミシュラン、あなたは間違っている」ともっと声を大きくしていただきたい。

なんだか「東京番付'09」というのを11月に出版されるとのこと。

99人のメンバーと山本氏で出すレストランガイドとのことです。

楽しみにしていいのやらどうやら。

私としては初めて「東京・味のグランプリ」を出版した頃の初心を取り戻していただきたい。

あの頃の攻撃的な姿勢はどこにいったのか。

今回の食べ歩き手帳では珍しく厳しい記述が見られます。

ミシュランの予想で、はしゃぎ過ぎた罪滅ぼしでしょうか。(笑)

ミシュランがどうとかはともかく、山本氏が毎年格付けすればいいではないですか。

自身のホームページで。

昔のように出版は無理でしょう。

採算がありますから。

しかし今はネットがあります。

ネットで山本氏がミシュランのように格付けすればいいのです。

それを日本に於ける「ミシュラン」に高めようという気はないのですかね。

月刊誌の連載ではなく、自身のブログでリアルタイムに店の評価をしていただきたいです。

2008年1月18日 (金)

おとなの週末2月号

注目はやはり山本益博氏の365日食べ歩き手帳です。

船場吉兆の偽装問題が取りざたされています。

しかし氏は、「吉兆のニセモノを最初に見破ったのはこのわたしである」と。

いや、「東京吉兆」でお造りの山葵が混ぜ物であったというのと、今回の「船場吉兆」の偽装とは全然レベルの違う話では?

では氏は山葵以外には問題なかったとおっしゃるのか。

「東京吉兆」の食事において、問題は山葵だけたけったのか。

もしそれ以外の素材で偽装があったとすれば、それを見破れなかった氏はどのように弁明されるのでしょうか。

2008年1月 7日 (月)

「おとなの週末」新年特大号

メインの企画は「覆面調査355店」です。

おでん、ラーメン、ふぐ、カニ、カレー鍋などを取り上げておられます。

カレー鍋では大阪の「宮がみ屋」が紹介されているのですが、わざわざこの1軒のためにライターが来阪されたのでしょうか。

ご苦労様です。

山本益博氏の「365日食べ歩き手帳」ではミシュランの評価に疑問を投げかけておられます。

というか、どれだけのことを期待していたのかと問いたい。

フランス版ならともかく、日本版で日本人が納得いく評価ができるわけないでしょう。

結果に疑問を投げかけるのではなく、日本版出版に対して疑問を投げかけてほしかった。

出版前までは星の予想だの何だの、かなり興奮気味でしたからね。

素人でもわかるようなずっこけた結果を、興奮してあれこれ予想しておられた山本氏。

純粋といいますか、滑稽といいますか・・。

2007年12月14日 (金)

「店のネタ本」江弘毅 編

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元「ミーツ」の編集長の本です。

書いておられるのはその「ミーツ」のライターの人たち。

さすがに普通のガイドブックではなく、痒い所に手が届く店を紹介しておられますね。

しかし私が気になるのはその文体。

なんでミーツの人たちってああいう文体なんでしょう。

どうも好きになれません。

ま、それがあの本の個性なのかもしれませんが。

2007年11月27日 (火)

おとなの週末12月号

今月号のメイン企画は築地市場です。

私には縁がありませんが、読み物として楽しめました。

上等な居酒屋という企画も酒飲みとして面白く読めましたね。

いつもながら東京の店中心なのはいたしかたありますまい。

2007年11月 2日 (金)

おとなの週末11月号

メインの特集は駅弁です。

二十数日間で145種類を食べまくったとのこと。

ほんまですか?

二人での取材のようですが、29日としましても1日平均5個となります。

1日二人で5個ならまあこなせますでしょう。

しかしフルに29日稼動したのか。

内容を読むと1日に14個とか購入しておられます。

夕方と夜中に分けて完食とのこと。

それでも一人7食ですよね。

別の日には5個と8個の弁当を購入とか。

ありえません。

その日はいけても翌日は無理でしょう。

大食い選手権じゃあるまいし、絶対に不可能だと思うのですが。

それが可能としましても、1日にそんなに食べてまともな評価ができるのかと。

最後のほうはうんざりして味なんて評価できないはずです。

チェーン店の比較にしてもそう。

データの数を集めるのにこだわりたい気持ちはわかりますが、かなり無理があるように思います。

これで正確な評価ができるのかと。

山本益博氏は相変らずミシュラン東京がどうのこうの。

ウザイッちゅうねん。

なんでそこまでウダウダこだわるかなぁ。

ミシュラン東京が出版されたときの山本氏の興奮ぶりが怖いです。(笑)

2007年9月19日 (水)

おとなの週末10月号

メイン特集は「すし決戦」。

いろんな特集の中でもすしは人気が高いとのこと。

その中で「池波正太郎さんが愛した七軒の今」という特集があります。

私はあまり有名人が通う店というのには興味ありません。

「だからどうした?」と思うのです。

有名人が通うから美味しいなどという保障はなんらありません。

むしろ味はともかくとして、その店に通うのがステイタスになっているような店もあるでしょう。

なぜか有名人=食通みたいな図式を持っている人が多いようです。

なんら根拠無いと思うのですが、しかし有名人=金持ちという図式も確かに存在しまして、金持ちが行く店=高級店、高級店=やはりいい素材を使っており美味しいだろう、では日頃からそういう店で食事している有名人というのはやはり舌が肥えているであろう、というイメージなんでしょうね。

でも私はそういう企画が嫌いではありません。(笑)

あの有名人がどんな店を贔屓にしておられるのだろうというのは興味あります。

池波氏に関しましては食通として認識されておられる方です。

しかも昔ながらの東京の粋にもこだわれておられたようで。

そんな方が愛した店というのはやはりそれなりの魅力があるのでしょうね。

「1億人のチェーン店」という企画も面白かった。

ハンバーガーショップやファミリーレストランの食べ歩きで徹底検証。

その中で「格安ファミレス部門」として4軒取り上げられているのですが、我が愛する「サイゼリヤ」が第4位。

その他の店は経験無いのですが、飲みながら楽しむというコンセプトでいけばダントツ1位だと思うのですがね。

そういう切り口ではなかったのでこの結果は残念でした。

酒飲みの心をくすぐってくれるファミレスなんて「サイゼリヤ」だけでしょう。

山本益博氏の「365日食べ歩き丸秘手帳」。

まだひたすらミシュランの星がどうとかおっしゃってます。

この店は間違いなく二ツ星であるとか、日本料理をどう評価するのかとか。

個人として心の中で思う分にはいいですが、いちいち連載に書くほどのことでしょうか。

それならばいっそのこと日本版ミシュランが発売された時点で、日本の料理評論家が物申すという形でたっぷりと批判も交えて本を出版されればいいのでは。

仮にも日本において料理評論の第一人者でありましょう。

せめて日本においてはミシュランの追っかけなどせず、どっしりと構えることはできないものでしょうか。

ミシュランミシュランと蝿のようにうるさすぎます。

2007年8月25日 (土)

おとなの週末9月号

今月号のメイン特集は、焼肉、ギョーザ、うなぎ屋などの覆面調査です。

なかなかこの季節らしい特集だったと思います。

関西の店も申し訳程度に紹介されていました。

山本益博氏のコラムですが、まだひたすらミシュランにこだわっておられます。

ここまでくると滑稽です。

「招福楼」という中華屋にひょっとしてミシュランの調査員が訪れているかもしれないと、わざわざ1年ぶりに出かけておられます。

外人の客が来たとかで、それをミシュランの調査員ではないかと指摘。

だからどないやっちゅーのん。(笑)

ご贔屓の「すきやばし次郎」にも調査員がやってきたとのことで興奮気味。

日本版ミシュランが発表された日にはお祭り騒ぎでしょうね。(笑)

2007年7月30日 (月)

料理王国2007年8月号

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7月号に引き続いて、日本のフランス料理100年史の後編です。

フランス料理に興味を持つ者としてはじゅうぶんに楽しめました。

東京の店がメインに取り上げられているのは仕方のないところでありましょう。

門上武司氏が戦後関西フランス料理事情というのを書いておられます。

しかし素人の私から見て、どうかなと思う部分もあります。

宗右衛門町の「ビストロ・モーベギャルソン」、こんな店の名前を出してどうするのか。

それならばなぜ道頓堀の「アーゴ」(廃業ですが)の名前が出てこないのか。

こちらのほうがよほど語られるべきだと思うのですが。

2007年7月24日 (火)

おとなの週末8月号

メインの特集は「本当に旨いエスニック」。

タイ料理、韓国料理、インド料理、トルコ料理・・多岐に渡って取材しておられます。

いつものようにそのほとんどが東京の店。

読み物としては楽しませていただきましたが、大阪在住の私に実用性はありません。

ちなみに大阪の店で取り上げられているのは南堀江の「イスタンブールコナック」、北新地の「マダム・フォン」、宗右衛門町の「チャイタイ」。

「夏の中華街」という特集もやはり横浜。

レトルトカレーの食べ比べというのも楽しめました。

これは地方に関係なく楽しめるのでいいですね。

先日初めて「LEE辛さ×30倍」を購入しました。

辛さ増強ソースで40倍にできます。

このレポートでは「旨みを感じる余裕もなく、怒濤の辛さが襲ってきた」とあります。

まだ試していませんのでどれほどの辛さか楽しみです。

山本益博氏の「365日食べ歩き○秘手帳」、なにが○秘かわかりませんが、私が一番楽しみにしているコーナーであります。

やたら「ミシュラン東京」を意識しておられますね。

どうでもええやろうと思うのですが。

「小十」という日本料理店に星が付く可能性大だとか。

しかしフランス料理店に限ってならともかく、料亭、割烹、寿司、天ぷらなどの料理店も含めて、はたしてミシュランの評価がどれほどあてになるのか。

私は疑問に思います。

和食店の不透明な料金体系や一見お断りの風習をどう評価するのかは興味ありますけどね。

2007年6月24日 (日)

おとなの週末7月号

今月のメイン特集は丼です。

実に様々な美味しそうな丼が紹介されています。

いつものように取材は東京メイン。

しかしやはり東京というのは全体的に高いですね。

山本益博氏のコラムは、なんだかやけに日本版ミシュランを意識したコメントが目に付きました。

どうでもええやんと思うのですが。

日本版のミシュランがフランス版と同じ基準で評価されているとは思えませんし。

フランス料理だけに限定してならともかく、日本ほどいろんなジャンルの店をハイレベルな同一線上で評価せねばならない国はないのでないかと思います。

それぞれのジャンルに分けての評価ならまだ納得のいくところでしょうが。

山本氏におかれましては、そんなことよりもミシュラン何する物ぞといった気迫で迎え撃っていただきたいものです。

初めて「東京味のグランプリ」を出した頃のあのアグレッシブさはどこにいったのか。

昔は外野から飲食店を評価(批判)しておられた氏でありますが、今は完全に業界内に身を置いて活動していらっしゃるように思うのです。

もう一度1982年の原点に帰っていただきたいですね。

2007年6月16日 (土)

料理王国2007年7月号

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日本のフランス料理100年史前編ということで。

最近の私はフランス料理からは遠ざかっておりますが、興味は失っておりません。

これは保存版だということで購入しました。

まだ西洋料理と呼ばれていたころからの貴重な歴史が綴られています。

今の若い人たちにとっては、物心ついたときからすでにフランス料理が身近にあったことと思います。

しかしほんのひと昔前までは、フランス料理なんて庶民にとっては高嶺の花。

テレビの「料理天国」なんかを指をくわえて観ていたのです。

料理人にとっても今のように食材には恵まれていません。

それらの苦労が数多くの料理人から証言されています。

しかしそれでもフランス料理を愛する料理人たちの熱意がそれらの苦難を乗り越え、今日の隆盛を築き上げたのだというのが本書を読めばよくわかります。

来月の後編も楽しみです。

2007年6月11日 (月)

「料理小説集」村上龍

以前に読んだのを再読しました。

氏の小説は読みにくいという印象を持ってまして、ほとんど読んだことがありません。

しかしこれは読みやすかったですね。

興味ある「料理」が絡んだ作品集だったからでしょうか。

しかしショートショートともいえる短編集ですので、読み応えというほどのものは感じませんでした。

2007年5月26日 (土)

おとなの週末6月号

下町の特集がなかなか楽しかったです。

人気の洋食屋食べ比べとか、有名老舗店の検証とか。

中でも飲み屋巡りが興味深かったです。

東京の飲み屋なんてまず行くことは無いのですが。

山本益博氏がまた食べ歩き日記の中で苦笑してしまう発言をしておられます。

「上海亭」という中華屋の紹介で、『一食捨てたつもりでチンジャオロース735円を注文した』と。

結果的には大当たりだったようですか、しかし『一食捨てたつもりで』なんてとても失礼ですね。

普段から「素材や料理人に敬意を払うべし」と主張しておられる人の言葉とは思えません。

『絶品』という言葉を乱発する風潮に苦言を呈しておられます。

特に店側が書くことではないと。

ごもっともです。

しかしご自身も『うまいの、なんの!』という言葉を連発しておられるではないですか。

たしかに「絶品」と表現するほどの料理はそうそうないかもしれませんが、「うまいの、なんの!」というほどの料理もそうはないように思います。

初めての店での食後の”アドバイス”といい、どうもこの人は自分の価値観が絶対であるというような考えを持っておられるようですね。

2007年4月27日 (金)

おとなの週末5月号

メインの特集は寿司です。

チェーン店の食べ比べなど楽しめました。

ただやはり東京中心になるのは仕方のないことだと思いますが、もうちょっと偏りの比重を分散できないものでしょうか。

一応は全国誌なのでしょうから。

デパ地下特集も面白かったですね。

これはこちらでも参考にできそうです。

はてなと思ったのが「一見から常連への最短コース」というコーナー。

「寿司おたく。ジバラ街道をゆく」という本を上梓しておられる宇佐見伸という人が書いておられます。

寿司屋通いの達人が初心者に心得をレクチャーするという主旨のコーナーです。

しかし首を傾げるようなことを連発しておられます。

いや、私は寿司屋なんてほとんど経験無いので、あくまでもそういう立場からの疑問なのですが。

寿司屋でリラックスする方法として、まず第一に靴を脱ぐとか。

カウンターに座って靴を脱ぐなんてあきらかに下品なことだと思うのですが。

つまみを手で食べる。

おいおい、です。

つまみにもよるでしょうが、普通どう考えてもつまみは箸でしょう。

握り寿司ならともかく。

その他笑ってしまうようなアドバイス連発。

楽しませていただきました。

2007年3月22日 (木)

おとなの週末4月号

ホテルブッフェの食べ放題ランチがメイン特集。

食べ放題といっても最近のホテルの料理は本格的なんですね。

ちゃんと下調べして行けばかなりお得な気分を味わえそうです。

行ったことはないですけど、ゆっくりワインを飲んでという雰囲気ではなさそうですね。

やはり私は同じ値段を払うなら落ち着いた雰囲気でコースを食べたい。

もちろんワインは欠かせません。

2007年2月22日 (木)

おとなの週末3月号

特集はデパ地下。

弁当やお総菜など。

新橋&ガード下飲み歩きは楽しめました。

しかし決して安くはないですね。

紹介されている店はどこもけっこういい値段です。

もちろん探せば安い店はあるのでしょうけど。

というか、こちらが西成価格に慣れすぎているのか。(笑)

ザガットサーベイの上位店覆面調査。

どこの誰ともわからない人たちが、いろんな経験、価値観で店を評価しているこの本を検証しているわけですが。

まあ結局は自分で行ってみてなんぼでしょう。

真に受けるほうがおかしい。

ですから私は他人の食べ歩き・飲み歩きサイトは見ませんし、こういう本もあてにしません。

他人の情報を追っかけるよりも、前情報無しに自分で飛び込むほうが楽しいではないですか。

企画としては楽しみました。

2007年1月21日 (日)

おとなの週末2月号

メインの特集は駅弁です。

ライターと編集者の二人で6泊7日で100個を完食したとか。

ほんまかいな。

普通の胃袋の持ち主ならまず不可能だと思うのですが。

中華街の特集は楽しく読めましたね。

まったく縁はないですけど。

あとは、う〜ん、クラシック特集とかディナーショーの特集なんか楽しめましたかね。

山本益博氏の365日食べ歩き日記。

いつも楽しみに読んでいます。

イチロー氏と並んで「すきやばし次郎」で寿司をつままれたとのこと。

『いま日本人で最高の職人仕事を見せるのは、マリナーズのイチロー選手と「すきやばし次郎」の小野二郎、このイチロー、二郎のふたりである』とのこと。

ご自分の興味の範囲内だけで、このお二人だけが日本最高の職人と決めつけられるのはいかがなものか。

氏の知らない世界で素晴らしい職人仕事をしておられる人は、他にも多数いらっしゃるはずです。

いつもながら子供っぽい内容に苦笑です。

小野氏やイチロー氏と懇意になったからといってはしゃぎ過ぎでは?

2007年1月18日 (木)

「食の自叙伝」文芸春秋編

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いろんな著名人に食についてのインタビューをし、それをまとめた本です。

まあ、食体験はそれぞれですね。

それに対してどうこうの感想はありません。

インタビューのあと、それぞれの人たちに最後の晩餐を質問しておられるのですが。

どの人たちも質素なお応えですね。

三ツ星レストランのフルコースだの、満願全席だのを希望している人はおられません。

やはり最後の晩餐は、贅沢ではなく慣れ親しんだ味なんですね。

そう、それが食の原点。

私の最後の晩餐は・・。

その時にならないとわからないと思いますが、何を食べたいかよりも、誰と食べたいかだと思います。

誰と最後の食事の時間を一緒に過ごしたいか。

もちろん家族です。

2006年12月21日 (木)

おとなの週末1月号

メインの特集は覆面調査。

いろんなジャンルの店を覆面で食べ歩いておられます。

例えば寿司。

「寿司幸」やら「青木」やら「新橋鶴八」やら、大阪在住の私でも知っているような店の取材。

こういうのはいいですね。

寿司屋というのは普通の人は気後れするもの。

こういう前情報があると行きやすくなると思います。

行列店の真実ということで、本当にそれだけの価値があるのかという調査も。

やはりどこもそれなりの価値はあったようで。

大阪の話題としては天満と福島の店が取り上げられていました。

天満は中華、福島はイタリアン。

どちらも行くことはない街ですので参考程度に読み流しました。

2006年11月24日 (金)

おとなの週末12月号

今月の特集は鍋。

ちゃんこ鍋、もつ鍋、ふぐなど。

各ジャンルの店をランキングしています。

ふぐのチェーン店では「玄品ふぐ」がいちばんコスパ高いとのこと。

大阪発祥の店なのでこちらにもあちこちにあります。

以前から一度行ってみたいとは思っているのですが、かといってそれほどふぐに魅力を感じるわけでもなく・・。

まあいずれ機会があればということで。

2006年10月25日 (水)

おとなの週末11月号

今月のメインは「クチコミ店の王様」という特集です。

といっても、いつもと変わり映えない特集。

クチコミの根拠もよくわからない店選びです。

駅弁特集はまあちょっと楽しめましたかね。

大阪のデパートでもちょくちょくこういう企画があります。

参考にはなるかも。

楽しみにしているコーナーのひとつに山本益博氏の「365日食べ歩き手帳」というのがあります。

う〜ん、この人ね、私はけっこう好きでして、著書はほとんど目を通しています。

でも最近はなんだかやたら権威主義で。

「自分の意見を素直に聞くのがいい店」みたいなスタンスなんですよねぇ。

白金台の「シュウホウエン」(すんません、漢字に変換できませんでした)とかいう中華屋に行って、「1200円の定食と800円のスープが同じもの」とケチをつけておられます。

そんなんじゅうぶん許容範囲ちゃいますのん・・。

このへん、すでに一般感覚からずれておられる。

いや、そりゃまあ、値段なりにグレードアップしてくださったら嬉しいですけどね。

でも8000円と12000円ならともかく・・。

帰り際に若主人に感想を伝えたら、「わかりましたッ、すぐになんとかします!」とのこと。

この文章の『ッ』、『!』に山本氏の優越感といいましょうか、傲りといいましょうか、そういうのがよく表れていますね。

意見してやった。

相手は相当下手に出て自分の意見を聞いておった、と。

そんな印象を受けるのです。

そして根津の「あんくる」というイタリアンに再訪した感想。

「今日はマダムから何も声がかからなかった。せっかく2日続けて来たのに」

わかります。

2日続けて通われたんですよね。

わかるんです。

でもそれで声をかけられなかったといって拗ねるのはどうかと。(笑)

山本氏は有名ですからプライドもあるでしょう。

しかしたまたま2日続けて店に行ったからといって、なんでそこまで傲られるのでしょうか。

そりゃサービスとして、昨日来た客に「昨日もお越しいただいてましたね」という言葉はありだと思いますけど。

そういうのもちょっとした客へのくすぐりだとは思います。

しかしそれをわざわざ要求するのは下品ではありますまいか。

フランスの3ツ星レストランならともかく。

「東京・味のグランプリ」をやり始められた頃からは、かなり変わられましたねぇ・・。

2006年9月29日 (金)

おとなの週末10月号

今月号は定食屋がメインでした。

チェーン店やら東京の老舗の定食屋などが紹介されています。

東京の店はもちろん知る由もないのですが、チェーン店では「大戸屋」が1位にランキングされていました。

確かにここはチェーン店の定食屋としては、いちばんレベルが高いのではと思います。

「やよい軒」の漬物が美味しいという意見には納得。

私もこれには感心していました。

「池波正太郎が愛した35店の今」という企画も面白く読みました。

決して高級店ばかりではなく、先端の料理ではなく。

そこらの庶民的な食堂なんかもしっかりと楽しんでおられたんですね。

それを堂々と評価しておられる。

私も最近はしみじみとそうありたいと思っています。

マスコミが取り上げてる店を必死にオッカケしてレポートする・・。

今の私にはできません。

する気もありません。

身近で美味しいものに出逢えたささやかな感動を記録したい。

そういう気持ちです。

2006年8月 5日 (土)

「全日本食えばわかる図鑑」椎名誠

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う〜ん、まあ、ひまつぶしにはなりましたが。

食べ物についてのエッセイ集なのですが、どれもオチがないんですよね。

未消化のまま終わっているので、「んで、結局あなたは何が言いたいの?」とツッコミたくなる。

東海林さだお氏のパクリのような文体にも、東海林氏ほどのスルドイ観察眼は感じられず、キレのよさもなく。

私にとってはどうも不完全燃焼な印象でした。

2006年7月29日 (土)

料理通信 2006年7月号

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メインのテーマは「ソワニエをめざせ!」。

ソワニエとは店にとって「大切なお客様」のことだとか。

ごく普通に振る舞っていればそれでいいのでは。

なにも敢えて「ソワニエ」なんて目指さなくてもいいと思うのですが。

2006年7月24日 (月)

大人の週末8月号

今月のメインテーマはカレーと冷やし中華。

別にカレーは夏だからといって食べたくなるわけではありませんが、冷やし中華はやはり「ああ夏だなぁ」という気になります。

しかしどちらも紹介されている店はいつものように東京がほとんど。

まあしょうがないか。

それでも楽しく読ませていただきました。

2006年7月 9日 (日)

「大阪人」2003年1月号

立ち飲み特集です。

天満界隈や京橋界隈が紹介されており、最近になってそれらの街に興味を持ち始めた私としては、とても嬉しい内容。

中でも気になるのが天五の「稲田酒店」。

店内がシブイ。

朝の10時からやっているというのもいい。

行きたい店です。

2006年7月 5日 (水)

「大阪 下町酒場列伝」井上理津子

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タイトルの通り大阪の大衆酒場を取り上げた本です。

初めて知る店もあったりして楽しく読めました。

掲載されている店にすべて行けるわけではありませんが。

(というよりほとんど行けませんが)

なかなか味わい深い本でありました。

2006年7月 1日 (土)

大人の週末7月号

今月号のメイン特集は焼き鳥屋の食べ比べ。

有名店やらチェーン店やら食べ歩いて評価しておられます。

ただやはりいつものように東京の店ばかり。

いまいちピンとこないんですよね。

でも企画としては面白く読ませていただきました。

2006年6月22日 (木)

「もの食う人びと」辺見庸

人びとは今、どこで、なにを、どんな顔をして食っているのか。あるいは、どれほど食えないのか。(前書きより)

そんな疑問を持った著者が出かけた地は、決して美食の国ではありません。

バングラディシュで残飯を食べ、クロアチアで死の村に訪れ、ソマリアで飢えて死を待つだけの少女に出会い、チェルノブイリで東京の250倍以上もの放射線を浴びる。

おまえにできるかと言われれば100%できませんと答えます。

その上で書きますが、やはりどこか著者は一段上の場所から書いている気がします。

もちろん地元民ではありませんから、必然的にそうなるんでしょうけど。

例えば韓国の青鶴洞という土地で儒者に食事作法を学ぶという項目にて。

「村では厳禁のたばこを民宿の部屋でプカプカ。夜ともなれば、日中なにかと気疲れするので部屋で酒を飲みどおしであった」

結局取材では地元の人たちにレベルを合わせるけども、それから離れれば日本と同じ俗生活をやっていたのかと。

せっかくの体を張った取材がハリボテに思えるではないですか。

書かれてはいませんが、飢えて明日にでも死にそうな少女を取材したあとは、ホテルで地元の人は口にできないような料理を腹いっぱい食べていたのでしょうか・・?

まあ正直といえばそうなんでしょうけど。

そうでなければ取材を続けることなんてできないのかもしれませんが。

バングラディシュの安食堂で食事し、それは残飯だと警告され、「うっとうなって、皿を私は放りだした」

「口に酸っぱい液がどくどく湧いてきて、私はしきりに唾を吐いた」

それを食べてこそ、このルポタージュの価値だと思うのですが。

2006年6月10日 (土)

ミーツ6月号

飲み屋特集でした。

あまり私には縁のない店ばかりでしたが、データとしては保存しておくべきかなと。

いずれ役に立つかもしれませんしね。

2006年5月22日 (月)

おとなの週末6月号

メインの企画は有名人が通う店。

これはこれで興味あります。

しかし勘違いしてはいけないのが、有名人だから味覚にも優れていると思い込んでしまうこと。

別に有名人だから、芸能人だからといって味覚に優れているわけではありません。

有名人が通う店というと、イコール美味しい店みたいな図式がありますね。

でもまあ有名人は収入もいいでしょうから、一般人に比べていいものを食べているというのはあるでしょうね。

そういう意味ではやはり舌は肥えているのかも。

しかし職業など関係なく味覚は人それぞれ。

それなりに参考にすればいいのではないかと。

2006年4月24日 (月)

大人の週末5月号

東京の下町特集。

いつもながらほとんど東京の店が中心です。

デパ地下や京都の春弁当食べ比べなどもありました。

2006年4月12日 (水)

BRUTUS 591

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「フランス料理はなぜ採点される運命にあるのか?」

というのが今回のテーマです。

しかしその答えを出しているのか?

答えといえばせいぜい文芸評論家の福田和也氏とミシュラン編集長のインタビューのみでしょう。

どうせならもっと徹底的に突っ込んでほしかった。

あとはなんやら「ケイズ・パッション」とか「タイユヴァン」とかの取材。

そして2万円でブルータスのスペシャルコースを作ってくださいとかアホな企画。

誌面を見る限り、2万円の価値あるコースはほとんどありませんが。

まったく中途半端な未消化な内容であります。

2006年3月31日 (金)

「面白南極料理人」西村淳

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南極観察隊のメンバーが書かれた本です。

昭和基地から離れること1000km。

標高3800m。

平均気温マイナス57℃。

最低記録気温マイナス79・7℃。

通称「ドーム基地」。

そんな過酷な地での生活を面白おかしく書いておられます。

当然そんな地ですから食料品の選択も大変。

この地に持っていけるような素材探しから始まります。

卵なんかも殻付きのなどは持っていけず。

この地で使える加工品を苦労して探されたり。

しかしものすごく贅沢な素材をたんまりと揃えられるのですね。

キャビア、フォワグラ、伊勢海老などという素材がズラリと出てきます。

アルコールもたっぷりと。(笑)

筆者がそれらの素材で腕を振るわれます。

ちょっといちびり過ぎの感がある文体が気になりますが、なかなか面白い本でした。

続編があればまた読みたいな。

2006年3月25日 (土)

大人の週末4月号

すし特集でした。

大阪では「じねん」が紹介されてましたね。

回転寿司屋の食べ比べなんかもありまして、なかなか楽しめました。

でも取り上げておられる店がどうしても関東中心なんですよねぇ。

まあ居酒屋特集なんか興味深く読ませていただきましたが。

2006年2月23日 (木)

大人の週末3月号

前回も書きましたがやはりマスヒロ先生、暴走しておられます。今月号も懲りもせずに銀座の「芝蘭」という四川料理店へ。

先月はこの店に行き2500円のセットを注文し、デザートを含めすべての料理が一緒に出てきたと憤慨しておられました。

そして今月。

1品ずつ出てきたとのこと。

それに満足され、「ようやく一件落着である」と結んでおられます。

いや、ちょっと待ってや。

以前にも私は書きましたが、コースではなくてセットなんです。

セットだからすべてが一緒に出てくるもんなんです。

ごはんを主食にしながら料理を楽しむセットなはずです。

数種同時に出されたおかずを突つきながらごはんを食べるのがセットであるはず。

それを勝手に1品ずつ出すべきなどとねじ曲げられては、店側もたまったものではないでしょう。

くどいようですが、コースではなくセットなんです。

私ならセットで頼んでそんな出し方されればクレームします。

いっぺんに出せよと。

マスヒロ先生、店が自分の思い通りになったようでご満足のよう。

「一件落着」?

他の客にもそれを強要するのですか?

酒を飲むのなら1品ずつはありがたい。

でもマスヒロ先生、ごはん食べながら1品ずつおかずを出されるのが有り難いの?

ちょっと一般感覚からズレ過ぎてまっせ。

2006年2月 8日 (水)

「食あらば楽あり」小泉武夫

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この著者のエッセイは徹底的に食べることに執着しておられます。

しかし巷のグルメ気取りではありません。

とにかく胃袋に納められるものならなんでも食べてみようというスタンスです。

本書は氏の著書の中でもゲテモノ計数は低いです。(笑)

読んでいて嫌みがないんですよねぇ。

なんでも美味しく召し上がる。

評論家ぶったところがない。

インスタントラーメンや缶詰も常備していらっしゃいます。

世界中あらゆる物を食べておられます。

それを淡々と紹介していらっしゃる。

いろいろ「店評論家」はおられますけども。

そんな連中のウンチク吹き飛ばすエッセイです。

2006年1月20日 (金)

dancyu 2005 6月号

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立ち飲み特集です。

大阪では天満が取り上げられています。

とても興味深く読みました。

普段はミナミや新今宮界隈で飲むことが多く、天満の飲み屋は未経験。

ぜひとも行きたくなりました。

立ち飲みについてウンチクを語っているコーナーがあります。

注文の仕方だの支払いの仕方だの、あーせいこーせいだの。

なんでそんなにウンチク垂れたいのかなぁ。

立ち飲みや大衆酒場なんて、理屈抜きに楽むべき場所ですよ。

そこにあえて理屈を持ち込んでの知ったかぶり。

立ち飲み屋ではこう振る舞うべきだと。

カウンターに肘つくよりも、ウンチク垂れるほうがよっぽど野暮だと思うのですが。

まあ確かに独特のルールがある店もあって、そういう店に関しては前情報を公開するというのは意義あると思います。

でもね、混んできたらスペースを作ってあげましょうなんて、今さらなにを当たり前のことを書いてるの?

こんなこと書いて記事になって原稿料貰えるとは、まことに羨ましいですなぁ。

2006年1月19日 (木)

おとなの週末

飲食店情報をメインにした雑誌でして、毎月楽しみに目を通しています。

でもどうしても東京の情報がメインになるのは、大阪の私にとってはちょっと不満。

まあそれはしょうがないことですが。

それでも大阪の店は毎月取り上げられています。

さて、その中でも毎月楽しみにしているのが料理評論家山本益博氏の「365日食べ歩き手帳」というコラム。

タイトル通り毎日の食べ歩きを日記形式で紹介しておられます。

氏はここで銀座の「芝蘭」という四川料理の店を取り上げておられます。

この内容が疑問。

2500円のランチセットを注文されたとのこと。

内容は棒々鶏、メカジキとピーマンの細切り炒め、陳麻婆豆腐、本日のスープ、杏人豆腐、ごはん。

氏はまず料理とデザートがワンセットで運ばれてきたことに不満を述べられます。

そして「メカジキとピーマンの一皿と陳麻婆豆腐は出来立てで熱々だから、冷めないうちに食べなきゃと気が気じゃない」と。

何をそんなに焦っておられるのでしょうか。

まずはメカジキとピーマンから手をつけられます。

そして”前菜”の棒々鶏。

スープのあと麻婆豆腐へ。

「すでに最適温度でなくなってしまっていた」とのこと。

仕方なく半分ほど残してしまったと。

これを読んで私は「それはちゃうやろ」と思ったのです。

まず氏が選ばれた料理はコースではなくセットです。

当然すべての料理が一度に出されます。

コースを注文して一度にすべての料理が出されれば、それは憤慨ものでしょう。

でもセットです。

料理をおかずにごはんを食べるという内容の設定です。

むしろごはんを食べながら順番に料理を出されるほうが違和感あります。

棒々鶏に関しても、勝手に”前菜”とおっしゃっておられる。

確かに中華の中でこの料理は前菜と位置づけられる料理でしょうが、セットで出されるぶんには前菜ではなく、他の料理と同じ”おかず”です。

すべてが同一線上であるはずです。

麻婆豆腐に関してはあきれはてます。

冷めたから食べられないとは。

日頃のお言葉に反する行為。

食材や調理された方に対しての尊敬の念はどこにあるのか。

冷めたから食べられない。

子供の理屈ですか?

そして冷めたといえどもいったいどれだけ冷たくなってしまったのか。

デザートにしても杏人豆腐。

シャーベットならともかく、最初から出されて困るようなものなのか。

店を出るときにその不満をぶつけられたとのこと。

再訪してほとんど改善されていないことにも不満を述べておられました。

でもね、山本さん。

あなたの価値観がすべてではないですよ。

セットなんですからお店の提供の仕方はなんら間違っていないと思います。

あなたが勝手にセットの中で慌てふためき、それに対応できなかったからといってケチをつけるというのは違いますやろ。

山本氏には敬意を持っておりまして、ほとんどの著書は拝見しております。

でも今回の件に関しては絶対にそれはちゃうやろと思った次第です。